「没後90年 鉄斎 TESSAI」展 出光美術館
日比谷・有楽町
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日比谷の出光美術館では、「没後90年 鉄斎 TESSAI」展が
開かれています。
会期は8月3日(日)までです。

鉄001


出光美物館の所蔵する、儒学者で文人画の大家、富岡鉄斎(1836~1924)の作品
約70点を展示する展覧会です。
画業の長い鉄斎なので、出展目録には制作時の数え年も書かれています。

「陽羨名壺図巻」(部分) 明治3年(1870) 35歳
鉄001

縦約12㎝、長さ約378㎝の巻物です。
煎茶の急須の産地として有名な江蘇省宜興窯の急須の名工たちの伝記を書いた、
「陽羨茗壺図系」の抄訳で、明代末期の各工人の制作した急須が描かれています。
涼炉を団扇であおいで湯を沸かし、煎茶を楽しむ人たちも描き添えられています。

煎茶は文人のたしなみとして愛好され、喫茶する高士の姿が多くの文人画に描かれています。

「口出蓬莱図」 明治26年(1893) 58歳
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荘伯微は30年間、日の暮れ方に西北に向かい目を閉じてこぶしを固くにぎって
崑崙山を念じていたところ、その神仙のありさまを思い描くことが出来るように
なったと書かれています。
崑崙山は中国の西にある仙界ですが、蓬莱は東の海上の島にあるとされています。

「明恵上人旧盧之図」 明治34年(1901) 58歳
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華厳宗の明恵の住んでいた高雄の山水の素晴らしさと、そうした所に住めば
仙人になれる素質が増す、と書かれています。
紅葉の高雄の風景が明るい色彩で描かれています。

松花堂昭乗、木下長嘯子、田能村竹田などを描いた作品も展示されています。
富岡鉄斎は敬愛する先人たちを慕い、絵に描いたり、遺愛品を収集したりしています。

「猿猴読書図」 大正9年(1920) 85歳
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鉄斎は扇面画もよく描いています。

さるてさへ文をひろけてみるものを人とうまれてよまてあらめや

読んでいるのは「進化論」でしょうか。
鉄斎は、「万巻の書を読み、万里の道を往く」を心掛け、学問と現地体験を重んじています。

「天賜吉慶図」(部分) 大正6年(1917) 82歳
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青と緑の色彩で山水を描く青緑山水図です。
賛には橘を詠んだ朱子の詩を引用し、橘の音(きつ)は吉に通じるとした吉祥画で、
実を付けた橘が描かれています。

「梅華邨荘図」 大正10年(1921) 86歳
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紅梅の咲く里の酒屋には酒旗が立ち、壺を持った客が買いに来ています。
梅と酒の香りを感じる、心の理想郷です。
豪放な筆遣いの中に枯れた味わいのある、最晩年の作品です。


鉄斎の作品は学識に裏打ちされ、文人画を基にしながらさまざまな画風を取入れた
自由でおおらかな作風で、観ていて心の広がる思いがします。

展覧会のHPです。


次回の展覧会は「宗像大社国宝展」です。
会期は8月16日(土)から10月13日(月・祝)までです。

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【2014/07/15 20:21】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(2) |
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  • こんにちは。
  • 鉄斎の絵は予備知識があると解りやすいので、私も聴いてみたかったです。
    午前中のギャラリートークというのは珍しいですが、お客さんも多いのですね。

    【2014/07/18 07:15】 url[chariot #/8nqih4Y] [ 編集]
  • 鉄斎展
  • 本日(7/16)10:30より開かれていたギャラリートークに行ってきました。朝早いのにかなりのギャラリーがいましたが、大きな声の学芸員のこなれた解説にたびたび大爆笑が上がって・・洋画と違って地味な禅画の世界にギャラリーを引き込んでいました。最後には明日(18日)放送のぶらぶら美術館の宣伝までして、私も出ます!と満場の拍手を貰っていました。

    【2014/07/17 23:09】 url[まさちゃん #-] [ 編集]
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