「ゴー・ビトゥイーンズ展 こどもを通して見る世界」 森美術館
六本木
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六本木の森美術館では「ゴー・ビトゥイーンズ展 こどもを通して見る世界」が開かれています。
会期は8月31日(日)までで、会期中は無休です。

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会場は一部撮影可能です。

異なる文化の間や現実と世界の間など、さまざまな境界を行き来する存在として
子どもを捉え、26人のアーティストによる写真や映像作品を展示する展覧会です。

ニューヨークの貧しい移民の暮らしを撮った写真家のジェイコブ・A・リース
(1849-1914)は、英語の不自由な両親の通訳としての役割を果たしてい
た子どもたちを「ゴー・ビトゥイーンズ(媒介者)」と呼んでいました。

ジェイコブ・A・リース 「貧困層の子供たち」シリーズより 1890年頃
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ジェイコブ・A・リースの作品は最初に展示されています。
19世紀末のアメリカの光景です。
リース自身もデンマークからの移民で、はじめは職を転々としています。

ルイス・W・ハイン 「労働シリーズ」より
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厳しい労働に従事する子どもたちの写真です。
この子は紡績工場で働いているようです。
ルイス・W・ハイン(1874-1940)はウィスコンシン出身で、写真を通じて
社会問題を告発しています。

宮武東洋 「マンザナー収容所」シリーズより
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1941年の太平洋戦争の開始により、アメリカ西海岸に住んでいた日系アメリカ人と
日本人移民約120,000人は1942年に各地に建てられた14ヶ所の強制収容所に送られ、
戦争の終わる1945年までそこでの生活を強いられています。
マンザナー収容所はその中で代表的な収容所です。

2012年に東京藝術大学大学美術館では、収容されていた人たちが廃材などを使って
作り出した日用品や芸術品を展示する、「The Art of Gaman 尊厳の芸術展」が
開かれていました。

「The Art of Gaman 尊厳の芸術展」の記事です。


スヘール・ナッファール&ジャクリーン・リーム・サッローム 「さあ、月へ」 2011年
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映像作品で、ポップスターを夢見ているパレスチナの少女の物語です。
車の窓拭きの押し売りをしている少年を助けたり、ゴミやガラクタで作った人形たちを
観客に見立てて曲を披露したりと、厳しい現実にも負けずに活き活きとしています。
パレスチナのガザではロケット弾と空爆の応酬が今も続いているところです。


ジャン・オー 「パパとわたし」より 2006年
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養子縁組によってアメリカに渡った中国の少女たちが公園で新しい父親と
一緒に写っています。
みな、幸せそうな笑顔をしています。
1992年の中国の規制が緩和され、養子縁組が急増しますが、そのほとんどが
女児だそうです。
ジャン・オー(1876~)は広州生まれで、現在はニューヨーク在住です。

金仁淑(キム・インスク) 「SAIESEO:はざまから」より 2008年
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生まれ育った大阪の在日コリアン社会の子どもを写しています。
日本家屋の中の民俗衣装という、異文化の出会いの場面でもあります。

ウォン・ソンウォン 「7歳の私」より 2010年
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作者の7歳の頃の記憶を元に、写真を組合わせて、少女の冒険の旅を
再構成しています。
夢の中にいるような、リアルでありながら非現実的な世界です。

小西淳也 「子供の時間」より 2006年
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自分の世界の中にいる子どもたちの写真です。
いわゆる可愛さ、子どもらしさとは違った表情を見せています。


近藤聡乃(こんどうあきの) 「きやきや」 2010-2011
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流れるような展開のアニメーションです。

「まちあわせ」
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ふと子ども時代の記憶がよみがえり、過去と現在の境が消えていくお話です。

近藤さんの作品は2010年に国立新美術館で開かれた「DOMANI・明日展2010」に
も展示されていました。

「DOMANI・明日展2010」の記事です。


山本高之 「どんなじごくへいくのかな、とうきょう」 2014年
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子どもたちが自分の考えた地獄をこしらえたものが展示されています。
かなり可愛い地獄もあります。

こちらはスフィンクス風です。
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会場の最後にはいろいろな絵本の置かれたコーナーもあります。

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映画の上映もあって、8月9日(土)には「はちみつ色のユン」も上映されます。
朝鮮戦争の戦禍を逃れて、ベルギーの家庭の養子となったユン少年を描いたアニメ作品です。
この作品は2月16日まで国立新美術館で開かれていた、「第17回文化庁メディア芸術祭
受賞作品展」で紹介されていました。

「第17回文化庁メディア芸術祭受賞作品展」の記事です。


重い現実の中にあって、けなげにたくましく生きる子ども、豊かな創造性を持つ子ども、
異なる文化・世代を行き来する子どもなど、さまざまな子どもの世界を見せてくれる、
とても興味深く、また考えさせられる展覧会です。

同じ六本木の森アーツセンターギャラリーで6月29日まで開かれていた、
「こども展 名画にみるこどもと画家の絆」を観た後なので、一層興味深く観ました。

「こども展 名画にみるこどもと画家の絆」の記事です。

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【2014/07/13 20:40】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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