「メトロポリタン美術館古代エジプト展 女王と女神」 東京都美術館
上野
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上野の東京都美術館では、「メトロポリタン美術館古代エジプト展 女王と女神」が
開かれています。
会期は9月23日(火・祝)までです。

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ニューヨークのメトロポリタン美術館の所蔵する約3万点のエジプト・コレクションから、
「女王と女神」をテーマにした約200点を展示しています。

メトロポリタン美術館は1906年創設で、ハトシェプスト女王葬祭殿周辺の発掘を行なうなどして、
多数のコレクションを得ています。

「ハトシェプスト女王像の頭部」 
 新王国時代第18王朝 前1473-1458年頃 石灰岩、彩色 高さ47.8㎝

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上エジプトを象徴する白の王冠と下エジプトを象徴する赤の王冠を組合わせた王冠を
被った姿で表されています。
鼻筋の通ったとても端整な顔立ちです。

ハトシェプスト女王は夫のトトメス2世の死後、幼かった継子のトトメス3世の摂政として
共同統治を行ないますが、やがて自身が王(ファラオ)となって約20年間統治しています。
ハトシェプストとは「最も高貴なる女性」という意味です。

古代エジプトで女性が王になるのは極めて珍しく、ハトシェプストはその中の成功例だそうで、
長い治世の間、戦争を行なわず平和外交に務め、エジプトを繁栄させています。
後に単独統治を行なったトトメス3世が積極的に外征し、エジプトの版図を最大に広めて、
「エジプトのナポレオン」と呼ばれたのと対照的です。

ルクソールのハトシェプスト女王葬祭殿は彼女の命による造営で、その規模と壮麗さは
当時のエジプトの国力の充実を示しています。

後に葬祭殿の彫刻や碑文など、彼女に関する部分の多くはトトメス3世によって
削られていますが、その理由は不明です。

「ひざまずくハトシェプスト女王像」 
 新王国時代第18王朝 前1473-1458年頃 花崗岩 高さ61.6㎝

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頭巾を着け、あごひげを生やした男性像として表されています。
ハトシェプスト自身も王として登場する時は付けひげをして、男装していたそうです。

「牛の女神像の頭部」 
新王国時代第18王朝 前1390-1352年頃 花崗閃緑岩 高さ50.8㎝

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ハトホル女神ともメヘトウェレト女神ともされる像です。
ハトホル女神は誕生や母性の象徴で、太陽神ラーの配偶者とされ、ラーの子とされる
ファラオの母でもあります。
また、死と復活にも関連付けられる神でもあるそうです。
雌牛の姿をしていて、角の間の円盤は太陽神ラーとの結合を表しています。

「ハトホル女神の象徴がついた建物装飾」 
 末期王朝時代 前380-前342年頃スギ 高さ 44.8 cm

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眉の下がった、身近にいそうな親しみやすい顔をしています。
耳が牛の耳の形をしているので、ハトホル女神と分かります。

古代エジプトの神々が人と動物の合体した姿なのは、自然界の存在によって
その威力を表現しているそうです。

「清めの儀式を受けるキヤのレリーフ」 新王国時代、アマルナ時代、第18王朝 
 前1352-1336年頃 石灰岩、彩色 高さ22.8㎝

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キヤはアメンホテプ4世(アクエンアテン)の王妃の一人です。
周囲には儀式の際の水を表す線が彫られています。
アマルナ時代の特徴なのか、ハトシェプスト女王とはかなり顔立ちが違います。
後に正妃ネフェルティティの長女、メリトアテンの像に変えるため、髪を彫り直されている
とのことです。
ネフェルティティは美女として名高い王妃です。

アメンホテプ4世(アクエンアテン)は多神教を廃し、アテン神のみを信仰するという、
アマルナ改革を行なった王として有名で、ツタンカーメンの父でもありますが、
死後に反対勢力によってその存在を抹殺されています。
キヤもその関係で彫り直されたのでしょうか。
古代エジプト王朝の権力闘争もいろいろ激しかったようです。

「二つのガゼルの頭がついた冠」
 新王国時代第18王朝 前1479-1425年頃 金、紅玉髄、ガラス

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この形の冠は王妃たちがハトホル女神のための儀式の際に被ったものらしいとのことです。

「ハトホル女神の象徴がついた柄鏡」 
 新王国時代第18王朝 前1479-1425年頃 銀、金箔、木 高さ30㎝

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牛の耳をしたハトホル女神の顔が付いていて、鏡も柄も古代の品とは思えないほど
光り輝いています。

「王家の女性の頭をかたどった蓋つきのカノポス容器」  新王国時代、アマルナ時代 
 第18王朝 前1352-1336年頃 トラバーチン、青ガラス、黒曜石

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カノポス容器はミイラを作るために取り出した内臓を入れる容器です。
碑文が消されていますが、キヤのものではないかとされています。
容器の前面に四角く削った跡が残っています。

「アメン・ラー神の歌い手ヘネトタウィの人型内棺とミイラ板」 
 第3中間期、第21王朝 前1040-992年頃 木、石膏、彩色

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翼を広げたイシス神やスカラベなど、エジプトの意匠がびっしりと描き込まれています。
この棺を観ただけでも、古代エジプト文明の厚みを感じます。

何しろ3000年続いたエジプト文明は広大ですが、この展覧会は女性と女神を
テーマにしているので、内容がまとまっていて分かりやすいです。

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【2014/07/21 20:55】 美術館・博物館 | トラックバック(1) | コメント(0) |
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メトロポリタン美術館 古代エジプト展 女王と女神@東京都美術館に初日の午後行って見てきました。エジプト展はいろいろ見ていますが、今回はニュヨーク発、日本初。女性をテーマに約200点を選りすぐったというもので女王ハトシェプストに関わるもの、女王像の頭部、ひざまずく女王像、膝立像、カノポス容器や様々な装飾品、壁画の模写などメトロポリタン美術館がほこる約3万点のエジプト・コレクションの一端を堪能し...
【2014/07/23 08:06】

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