「水の音―広重から千住博まで―」展 山種美術館
恵比寿
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恵比寿の山種美術館では、「水の音―広重から千住博まで―」展が開かれています。
会期は9月15日(月・祝)までです。

水001


歌川広重の浮世絵から現代の千住博まで、滝や雨など、水にちなんだ作品の展示です。

第1章 波のイメージ

川や海の波を描いた作品です。

川合玉堂「鵜飼」 1939(昭和14)年頃
玉005

川合玉堂は多摩川の景色をよく描いていますが、岐阜県育ちなので、長良川の鵜飼も
500点あまり描いているそうです。
鵜飼舟の篝火の明と岩場の暗が対照的に描かれ、船頭も煙に霞んで見える、
躍動感のある作品です。

奥田元宋 「奥入瀬(秋)」(部分) 1983(昭和58)年
高山002

縦約2m、横約5mの大作で、71歳のときの作品です。
奥田元宋は大きな画面いっぱいにあふれるように赤色を使ったことで有名で、
「元宋の赤」と呼ばれています。
その赤は深く重みがあり、荘厳な感じを抱かせます。

宮廻正明 「水花火(螺)」 2012(平成24)年
水002

四国の四万十川の投網漁を題材にしていて、真昼に一瞬咲いた花火を捉えています。
水面を点描で描き、網の目も細かく一本一本描き込んでいます。
宮廻さんの作品は幾何学的な構図が新鮮です。

奥村土牛「鳴門」 1959(昭和34)年
土牛4-3-2010_005

近景の渦潮と遠景の島の静が一体となった、重厚な作品です。
幾重にも塗り重ねた堅牢な画面造りは、奥村土牛の特徴です。
小さな連絡船に乗っていて、たまたま渦潮に出会い、奥さんに帯を
掴んでもらって渦潮を覗き込んで写生したということです。


第2章 滝のダイナミズム

千住博 「ウォーターフォール」 1995(平成7)年
大作で、白い絵具を流して描く、千住さん独特の技法による作品です。
絵具の滝が滝の絵になる、と千住さんは述べています。
しんと静かな画面を観ていると、轟く水音が聴こえてきます。


第3章 きらめく水面(みなも)

小野竹喬 「沖の灯」 1977(昭和52)年
水001

夕陽に焼けた雲の色が海に映り、沖には漁火が見えます。
最晩年の作で、色も形も単純化され、本質だけになっています。


第4章 雨の情景

奥村土牛 「雨趣」 1928(昭和3)年
麻布谷町(今の六本木1丁目)の雨の景色です。
谷あいに並ぶ木造家屋の上に降る雨が、細かく一本一本描かれています。
院展に出品したときは、ここまで雨を細かく描くことはないだろうと批判されています。
現在では高速道路が走り、アークヒルズなどが建っている場所の昭和初めの情景です。

横山操 「越路十景」のうち「親不知夜雨」 1968(昭和43)年 
親不知の崖下の磯に降る雨です。
「越路十景」は故郷の新潟の風景を瀟湘八景や近江八景になぞらえ、富山県と福井県の
景色を加えて、十景としたものです。
水墨に一部薄く彩色した、厳しく力強い北陸の景色です。


ひととき涼しさを味わえる、夏にふさわしい展覧会です。

山種美術館のHPです。


山種美術館の次回の展覧会は特別展、「輝ける金と銀―琳派から加山又造まで―」展です。
会期は9月23日(火・祝)から11月16日(日)までです。

金001


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【2014/07/27 20:03】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(2) |
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  • こんばんは。
  • 最近の暑さとスコールは、もう亜熱帯といった感じです。
    今日も美術館に行ってきましたが、あまり暑いので日陰を探して歩いていました。
    美術品でも絵画は特に温度管理が大切ですが、節電もしなければいけないし、美術館も困っていることでしょう。

    【2014/07/27 20:48】 url[chariot #/8nqih4Y] [ 編集]
  • 今日も暑かった
  •  しょっちゅうお見舞い申し上げます。
     もう毎年ですね、この酷暑。私が小さい頃は30℃越えたら悲鳴が出てましたが、今じゃ35℃も珍しくない始末。ああ、あの頃の涼しい夏が懐かしい。
     ともあれ、夏に水と言うテーマはぴったりです。涼しい気持ちになれます。でも最近、節電の為に館内の冷房がイマイチなところが増えていませんか?汗かきながら展示品見るのは辛い。

    【2014/07/27 20:28】 url[miss.key #eRuZ.D2c] [ 編集]
    please comment















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