「 板谷波山-光を包む美しきやきもの」展 泉屋博古館分館
六本木1丁目
chariot

六本木の泉屋博古館分館では特別展、没後50年回顧展、「 板谷波山
-光を包む美しきやきもの」が開かれています。
会期は8月24日(日)までです。

板谷001


板谷波山(1872~1963)は茨城県出身で、東京美術学校で彫刻を学んだ後、
金沢の石川県工業学校で陶芸の指導するうちに自身も本格的に陶芸を始めています。
その後、長く東京の田端で制作し、号の波山(はざん)は故郷の筑波山に由来しています。

陶芸家として最初の文化勲章の受章者で、葆光釉(ほこうゆう)といわれる、
薄いヴェールのような釉薬を掛ける技法で有名です。

「葆光彩磁珍果文花瓶」 大正6(1917)年 泉屋博古館分館 重要文化財
京011

高さ51㎝で、桃、枇杷、葡萄を盛った籠がとても細密に描かれ、
絵に立体感があります。
まるで光が器の中に閉じ込められているようで、板谷波山の作風を代表する
端正で優美な作品です。
住友家15代、住友春翠の購入した品で、2002年に真葛焼初代宮川香山の
作品とともに、明治以降の陶磁器作品としては初めて重要文化財に指定されています。

「葆光彩磁葡萄唐草文瓶」 大正4(1915)年頃 泉屋博古館分館 
板谷002

高さ24.7㎝で、チラシに使われている作品です。
端正な図柄で、ペルシャ風の唐草文をあしらっています。

「棕櫚葉彫文花瓶」 大正3(1914)年 出光美術館
波001

高さ46.2cmの大きな花瓶で、一面にびっしりと棕櫚の葉を彫り出しています。
葉と葉が重なって立体感があり、隙間には細かく雷文が彫られています。
東京美術学校の彫刻科の出身ということで、板谷波山は彫刻を施した作品を多く
制作しています。
東京美術学校では基礎科目として、絵画、漆芸、彫金、染色、織物などを学んでおり、
これが波山の作風の多彩さの元になっています。

「八ツ手葉彫刻花瓶」 大正8(1919)年
板谷003

高さ20.2cmで、器が八ツ手の葉でおおわれたような形をしています。
板谷波山は19世紀の末に始まったアール・ヌーヴォーの時代に陶芸家になっているので、
アール・ヌーヴォーを取入れた作品を多く作っています。

「彩磁更紗花鳥文花瓶」 大正8(1919)年 泉屋博古館分館
板谷004

高さ39㎝で、薄肉彫に鉄釉の描線で2羽の尾長鳥を描いています。
彦根井伊家に伝来した多数の更紗の見本裂である「彦根更紗」から着想を得ています。


葆光彩磁で有名な板谷波山ですが、昭和初期以降は葆光彩磁の作品は激減し、
茶道具の茶入れや茶碗などの陶器を手掛けています。
天目茶碗は飴色の釉が艶やかで、見事な出来栄えです。


初期の彫刻作品から、アール・ヌーヴォー、葆光彩磁、、中国風陶磁、茶陶まで揃った、
板谷波山の業績を辿ることが出来る、興味深い展覧会です。

展覧会のHPです。

関連記事

【2014/08/06 20:28】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(4) |
comment
 
コメントを書く
コメントは承認後に公開されます。ご了承ください。
  • こんばんは。
  • 板谷波山が寄宿していたとはすごいです。
    故郷にいろいろ尽した人のようですから、お猪口の一つくらいはあるかもしれませんね。
    波山の作品はどれも完璧という言葉がふさわしく思えます。

    【2014/08/07 20:43】 url[chariot #/8nqih4Y] [ 編集]
  • 管理人のみ閲覧できます
  • このコメントは管理人のみ閲覧できます

    【2014/08/07 07:14】 url[ #] [ 編集]
  • 地元の人です
  •  こんにちは。
     板谷波山と言えば下館。郷土の偉人です。私の父方の祖父が東京美術学校の関係者だった縁で、旧筑波町の家に戦中、戦後の一時期、寄宿していたそうな。
     そんな訳で祖父も陶芸をやっていました。今も窯と作業小屋が残っています。
     しかし波山の作品は・・・祖父の家で見た事無いんだよなぁ。あれば国宝級のお宝なのに。鑑定団に持って行って胸張れるぞぅ。
     おやじ、一つ位持ってないの~??

    【2014/08/07 07:05】 url[miss.key #eRuZ.D2c] [ 編集]
  • 管理人のみ閲覧できます
  • このコメントは管理人のみ閲覧できます

    【2014/08/06 21:46】 url[ #] [ 編集]
    please comment















    管理者にだけ表示を許可する

    trackback
    trackback url ↓
    http://nekoarena.blog31.fc2.com/tb.php/2328-18dc0979

    プロフィール

    chariot

    Author:chariot
    東京のビルの多い街で暮らしています。

    最近の記事

    最近のコメント

    最近のトラックバック

    カテゴリー

    ブログ内検索

    月別アーカイブ

    リンク

    このブログをリンクに追加する

    RSSフィード


    | ホーム |