「日本国宝展 祈り、信じる力」 東京国立博物館
上野


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上野の東京国立博物館では、「日本国宝展 祈り、信じる力」が開かれています。
会期は12月7日(日)までです。

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日本の国宝の中で、特に信仰心に関係した品を中心に、約120件が展示されています。
会期中、かなりの展示替えがありますので、展覧会のHPで確認してください。


特別出品 正倉院宝物

特別出品として、正倉院宝物が11件、11月3日まで展示されます。

「鳥毛立女屏風」 第3扇 奈良時代・8世紀
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福々しい顔で、唇の赤色が鮮やかです。

「楓蘇芳染螺鈿槽琵琶」 奈良時代・8世紀
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カエデ材で、裏面にはアワビと琥珀を使って唐花模様が描かれています。


第1章 仏を信じる

「玉虫厨子」 飛鳥時代・7世紀 奈良・法隆寺

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高さ2m以上の大きな厨子で、会場の入口近くに置かれています。
厨子の側面には釈迦の前世物語などが描かれています。

「片輪車蒔絵螺鈿手箱」 平安時代・12世紀 東京国立博物館
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牛車の車輪の乾燥による割れを防ぐために川に漬けている風景を表しています。
水の流れと車輪を取り合わせたデザイン感覚は新鮮です。
泥の中に咲く蓮の花もイメージされているそうです。

「仏涅槃図」 平安時代・応徳3年(1086) 和歌山・金剛峯寺
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11月9日までの展示です。
縦267.6㎝の大きな涅槃図で、応徳3年は白河上皇が院政を始めた年に当ります。
悟りを得た諸菩薩は静かな表情ですが、弟子たちは悲嘆にくれ、獅子はひっくり返って
嘆いています。

「孔雀明王像」 平安時代・12世紀 東京国立博物館
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11月9日までの展示です。
孔雀は毒蛇を食べてしまうことから、孔雀明王は災厄や苦痛を取り除く
功徳があるとされています。
金箔を糸のように細く切って貼り付けた截金(きりかね)で飾られた羽根が
きらびやかです。

サントリー美術館で12月7日まで開かれている、「高野山の名宝展」では、
快慶の作とされる、彫刻の孔雀明王像が展示されています。

「高野山の名宝展」の記事です。


「普賢菩薩像」 平安時代・12世紀 東京国立博物館
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11月9日までの展示です。
普賢菩薩は女人往生を説く法華経に登場するので、特に女性の信仰を集めています。
白象に乗った、この上なく優美な姿で、天蓋には花が飾られています。


第2章 神を信じる

11月20日までは2体の展示で、21日からは国宝に指定されている土偶5体すべてが揃います。

「縄文のビーナス」 長野県茅野市棚畑遺跡 縄文時代中期(前3000~前2000年) 
 長野・茅野市(尖石縄文考古館保管)

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乳房があり、お腹が張り出し、大きな腰をした姿は、まさに豊穣、多産の
シンボルであることが分かります。
目や口は、他の土偶に多く見られるように付け足すのではなく、埴輪のように
穴を開けて作っています。
ライトを受けて、土に含まれている石英が光っています。


「合掌土偶」 青森県八戸市風張1遺跡 縄文時代後期(前2000~前1000年) 
 青森・八戸市埋蔵文化財センター是川縄文館
 
   土12-27-2009_009

小さな土偶ですが、立てた膝の上で両手を組んだ姿をしています。
お祈りをしているとも、お産の姿とも言われています。
多くの土偶は故意に壊されていることが多いのに、これはアスファルトで
補修がなされ、大事にされていたことが分かるそうです。


「金銅製龍頭」 東魏時代・6世紀 福岡・宗像大社 
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10月26日までの展示です。
宗像市沖ノ島祭祀出土で、社殿を建てて神を祀る以前の、
巨岩や巨木を祀っていた時代の祭祀の形を示しています。
竿の先に付けて天蓋や幡を吊り下げた、中国の東魏時代の金具で、
金色に輝いています。

沖ノ島からは大量の祭祀遺物が発見され、国宝に指定されていて、
沖ノ島は海の正倉院と呼ばれています。

「小桜黄返威鎧」 平安時代 厳島神社蔵 国宝
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11月9日までの展示です。
源為朝が着ていたとされる大鎧で、左胸の鳩尾の板と右脇を守る脇盾(わいだて)を
欠いています。
現存する鎧の中では一番大きな小札を威してあるそうで、堂々とした風格のある姿です。
小桜韋黄返威(こざくらきがえしおどし)は黄色に染めた縅糸に小さく桜花を染め出したものです。

源為朝は源為義の八男で、九州で活動していたことから鎮西八郎と名乗ります。
弓の名手で、保元物語には保元の乱では敵の武者の鎧を射抜いた矢は隣の武者の
鎧の袖に当たったとあります。


第3章 文学、記録にみる信仰

11月18日から30日までは志賀島の金印が展示されます。


「寝覚物語絵巻」 平安時代・12世紀 奈良・大和文華館
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11月9日までの展示です。
11世紀に書かれたと思われる物語、「夜半の寝覚」の絵巻です。
金銀を散らした画面に満開の桜や吹抜屋台の屋敷が描かれた、
雅な王朝絵巻です。


第4章 多様化する信仰と美

「一遍上人伝絵巻 巻第七」 法眼円伊筆 鎌倉時代・正安元年(1299) 東京国立博物館
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画像は2009年に東京国立博物館で開かれた「博物館に初もうで」に
出展されていた時に撮った写真です。
一遍たちの踊念仏の興行の場面が描かれています。
一遍上人の伝記絵巻という性質上、鎌倉時代の実相が貴賤を問わず、
忠実に描かれています。

「松に秋草図」 長谷川等伯筆 2曲1双 
 安土桃山時代・文禄元年(1592)頃 京都・智積院

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豊臣秀吉が息子鶴松の菩提を弔うため建てた祥雲寺の襖絵だったもので、
屏風に仕立て直されています。
松の木の下に菊、芙蓉、薄が並び、桃山障壁画の豪華さの中に
も静かな統一感があります。

「慶長遣欧使節関係資料 支倉常長像」 17世紀 仙台市博物館
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伊達政宗の命でローマに赴いた支倉常長の姿で、ロザリオを手にして
十字架に祈っています。
ヨーロッパで描かれたと思われ、日本人を描いた油絵としては
最古のものとされています。

慶長遣欧使節関係資料は2001年に国宝に指定されています。

「飛青磁花生」 龍泉窯 元時代・14世紀 大阪市立東洋陶磁美術館
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飛青磁花生(とびせいじはないけ)は鉄斑という模様を器の上に散らした後、
青磁の釉薬を掛けて焼成してあります。
ふっくらとした、のびやかな姿で、空の上に点々と雲が浮かんでいるようです。
龍泉窯は浙江省にあった窯で、青磁を生産していました。

「大井戸茶碗 銘 喜左衛門」 朝鮮時代・16世紀 大徳寺孤篷庵
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16世紀に朝鮮半島で生活雑器として焼かれた器が日本に渡来して、高麗茶碗として
茶人に愛好された中の一つが井戸茶碗で、井戸のように深い茶碗という意味のようです。
大井戸茶碗は井戸茶碗の中でも大振りのものを云います。
井戸茶碗として唯一、国宝に指定されており、元は大坂の町人、竹田喜左衛門の所持で、
後に本多忠義に渡ったので、本多井戸とも呼ばれています。
高台の力強さが眼を惹きます。

「志野茶碗 銘 卯花墻」 美濃 桃山時代・16~17世紀 三井記念美術館
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白い釉と縦横の線をを垣根に咲く卯の花に見立てています。
切り立った形で、歪みを持たせ、へらの跡も付け、桃山風の豪快な姿を
しています。
日本で焼かれた茶碗で国宝に指定されているのは、これと本阿弥光悦作の
「白楽茶碗 銘 不二山」の二つだけです。


第5章 仏のすがた

「広目天立像(四天王のうち、金堂所在)」 飛鳥時代・7世紀 法隆寺
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筆と紙を持っているので広目天と分かりますが、動きの無い真っ直ぐな姿勢で立っています。
面白い顔をした邪鬼も左右対称の形で踏み付けられています。

「普賢菩薩騎象像」 平安時代・12世紀 大倉文化財団
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優しい顔立ちの菩薩で、袖には截金(きりかね)模様が見えます。
乗っている象は仏師も実物を観たことが無いためでしょう、象にしては
体が長いのがユーモラスです。

「勢至菩薩坐像(阿弥陀如来および両脇侍のうち)」 
 平安時代・久安4年(1148) 京都・三千院

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観音菩薩坐像とともに展示されています。
大きな像で、阿弥陀来迎図そのままに体をやや前に傾けて、往生者を迎えています。
大和座りという、正座に似た腰を少し浮かした珍しい姿勢の像です。
平安末期の院政期で、この2年後に保元の乱が起きています。

「善財童子立像(文殊菩薩および眷属のうち)」 快慶作 
 鎌倉時代・建仁3年(1203)~承久2年(1220) 奈良・安倍文殊院

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2013年に指定された、最も新しい国宝の彫刻です。
海を渡る文殊菩薩とその一行を表した文殊五尊像の1体です。
合掌して歩みながら振り返る様子が自然で愛らしく、快慶の技量を見せており、
嵌め込まれた玉眼が光っています。
善財童子は華厳経に登場し、文殊菩薩の勧めでさまざまの善知識を訪ねて
仏道を修行しています


ともかく貴重な品、有名な品ばかりで、観終わるとさすがに疲れます。
大変人気のある展覧会で、かなりの混雑が予想されるので、早めに行かれることをお勧めします。

展示品リストです。

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【2014/10/25 20:56】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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