「没後15年記念 東山魁夷と日本の四季」展 山種美術館
恵比寿
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恵比寿の山種美術館では特別展、「没後15年記念 東山魁夷と日本の四季」展が
開かれています。
会期は2015年2月1日(日)までで、12月21日(日)までです。

金銀013


東山魁夷(1908-1999)の没後15年を記念して、山種美術館の所蔵する東山魁夷の
作品を中心にした展示です。

東山魁夷は東京美術学校に入学し、師事した結城素明や美術学校の長老の川合玉堂から
写生の大切さを学んでいます。

結城素明は画業が進まず悩んでいた東山魁夷に、「スケッチブックを持ってどこかへ
写生に行くんだね。心を鏡のようにして、自然を見ておいで。」と助言しています。

川合玉堂 「渓雨紅樹」 1946(昭和21)年 山種美術館
原風景006

谷あいの村は秋雨に煙り、紅葉した木々の葉は濡れてうなだれています。
白い道を傘を差した人が二人歩いて行きます。

東山魁夷 「月出ず」 1965年(昭和40)年 山種美術館
東山12-12-2009_005

志賀高原の春の夜の情景で、白樺の新芽が初々しい色をしています。

東山魁夷 「春来る丘」 1966年(昭和41)年 山種美術館
東山12-12-2009_008

阿蘇外輪山の早春の風景で、小道や林、畑が重なって、面白い形になっています。
木々にはまだ緑は見えませんが、空の色には春の近さを感じます。

東山魁夷 「春を呼ぶ丘」(部分) 1972(昭和47)年 長谷川町子美術館
東山011

丘にカラマツ、麓に芽吹き始めたケヤキのような木々、畑には青々とした麦が見えます。

東山魁夷は作品によく描かれる白馬について、「心に内在しているものの象徴、
心の祈りとでもいうべきもの」と述べています。


東山魁夷は親交の深かった川端康成に、京都らしい風景の残っている
今のうちに描くように奨められたのがきっかけで、京都の四季に取組んでいます。

東山魁夷 「北山初雪」 1968(昭和43)年 川端康成記念会
東山010

京都の北山杉の林に積もった初雪を青味がかった白色で表しています。
刈り残された葉の茂みと幹の垂直線の面白さ、冬の朝の厳かな爽やかさに
惹かれて描いたそうです。

東山魁夷 「春静」 1968(昭和43)年 山種美術館
東山003

洛北、鷹峯の一面の北山杉を背景に、一本の満開の桜を配しています。
深い緑に桜が映えます。
この山を、宗達の、あるいは石山切のやぶり継ぎの山のようと述べています。

東山魁夷 「夏に入る」 1968(昭和43)年 市川市東山魁夷記念館
東山004

竹の茎の色の違い、遠くになると間隔が狭く見える竹の節、木洩れ日のつくる光と影
に興味を持って描いたそうです。

東山魁夷 「秋彩」 1986(昭和61)年 山種美術館
東山005

小倉山の秋の景色で、「春静」の朝に対して、こちらは夕方の情景です。

東山魁夷 「年暮る」 1968(昭和43)年 山種美術館
東山006

河原町の京都ホテルオークラの屋上からの見た景色とのことです。
瓦屋根の連なる町家にも、遠くの寺にも雪が積もっています。
手前の家の窓に一つだけ、明かりが灯っています。
いかにも京都の暮れの情景で、除夜の鐘も響きも込めてあるとのことです。
東山魁夷らしい、静寂で、詩情を感じる世界です。


1968(昭和43)年に完成した皇居宮殿を飾った作品群に感銘を受けた山種美術館の
初代館長、山﨑種二は同種の作品を各作家に直接依頼しています。

東山魁夷 「満ち来る潮」(部分) 1970(昭和45)年 山種美術館
東山007

東山008

東山009

縦2m、横10m近い大作です。
温かい春の海の色を緑青で、砕ける波を金とプラチナの切箔や砂子で表しています。
寄せて来る波と岩に当ってなだれ落ちる波を同じ瞬間のものとして描いています。
静謐な作品の多い東山魁夷の中では、装飾性の高い、華やかな作品です。
題名も、依頼した山種美術館を創設した山崎種二の要望で、験の良いものになっています。
久しぶりにこの作品を観ることが出来ました。

橋本明治 「朝陽桜」 1970(昭和45)年 山種美術館
東山002

福島県三春の滝桜のスケッチを元にした作品です。
花弁の一枚一枚をくっきりした輪郭線で装飾性豊かに描き出しています。
橋本明治は東京美術学校で東山魁夷と同期です。

山口蓬春 「新宮殿杉戸楓4分の1下絵」 1967(昭和42)年 山種美術館
東山001

福島県の国立公園内の楓を題材にしています。
橋本明治の桜と対になって宮殿の杉戸に描かれた作品の下絵です。
山口蓬春は病のため、山崎種二に依頼された作品を完成出来ませんでした。

上村松篁 「日本の花・日本の鳥」 1970(昭和45)年 山種美術館
右隻
東山012

左隻
東山013

扇面屏風の形で、右隻に紅白梅、白牡丹、桔梗などの花、左隻に鶉、山鳩、鴛鴦などの
鳥を端正な画風で描いています。


他に東京美術学校で同期の加藤栄三、山田申吾や、同時代の画家、森田沙伊、
杉山寧、山本丘人、髙山辰雄の作品も展示されています。


山種美術館のHPです。


次回の展覧会は特別展、「花と鳥の万華鏡―春草・御舟の花・栖鳳・松篁の鳥―」展です。
会期は2015年2月11日(水・祝)から4月12日(日)までです。

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【2014/11/24 19:24】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(2) |
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  • こんばんは。
  • たしかに東山魁夷の絵は写実、ファンタジー、様式美が程よく混じっています。
    それが、親しみやすく人気のある理由なのでしょう。
    「満ち来る潮」などは写実と様式美がうまく調和しています。
    魁夷という名前は逆に分かりにくいですね。
    聞いても字が浮かんできません。

    【2014/11/24 23:55】 url[chariot #/8nqih4Y] [ 編集]
  • 不思議な絵
  •  東山魁夷の絵は不思議なんですよね。日本画っぽくて、ファンタジーっぽくて、かつ少女が好みそうなイメージもある。写実的に見えて、デザインぽくて、かつ様式美みたいなものもある。別に気をてらっている訳でもないのですが不思議な絵なんですよねぇ。
     ちなみにわたくし、始め、東山会という会派の複数の人が描いているのかと思ってました(笑
     

    【2014/11/24 21:22】 url[miss.key #eRuZ.D2c] [ 編集]
    please comment















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