「story―街の物語― 岩永てるみ 日本画展」 日本橋三越本店
三越前
chariot

日本橋三越本店美術特選画廊では12月2日(火)まで、
「story―街の物語― 岩永てるみ 日本画展」が開かれています。

岩永001


岩永てるみさん(1968~)は大分県出身で、現在は愛知県立芸術大学准教授、
日本美術院院友です。
ここ10年ほどは主にヨーロッパの風景を描いています。
11月29日に岩永さんのギャラリートークがあったので、行ってきました。

以下は岩永さんのお話です。

「ヴェルサイユの影」 フランス・ヴェルサイユ
岩永004

ヴェルサイユ宮殿の鏡の間に至る通路の中庭で、晴天の日光のつくる影が像に当って
いるのを面白いと思った。
日本画には元々、影の概念が無いが、描くことによって立体感、空気感を表すことが出来る。

「雨宿り」 ポルトガル・リスボン
岩永002

雨の日にリスボンの町を歩いていて、たまたま見つけた情景。
街の風景として駅や線路を描くうちに、電車も描くようになった。
電車には人々の生活の反映がある。

ヨーロッパの風景を描くようになったのは10年くらい前から。
それ以前は新橋駅の高架や夢の島植物園のドームなどを描いていた。
美術の教師としてヨーロッパも見ておかねばと思って、あちこち行くようになった。
石畳を描くのは結構面倒だが、日本画の絵具は石を砕いて作ってあるので、
石を描くのに合っている。

「ロヴィニ」 クロアチア・ロヴィニ
岩永003

実際の景色はもっと明るく、きれいだった。
自分は明るい色彩は苦手だが、濁して描くのはもったいないので、群青などの色を
そのまま使った。
同じ群青の顔料でも、会社の違い、石の違い、粒の細かさで色合いは変わり、
フライパンで焼くことで暗い色にもなる。

「Pont des Arts」 フランス・パリ
岩永005

セーヌ川クルーズの船からの眺めでPont des Arts(芸術橋)を見たところ。
画面上にカルーゼル橋を置いてアクセントを持たせた。
普段は建物を中心に描くが、この絵は冬のパリの曇り空が主題になっている。
雲は薄い墨を何回も塗って描いた。
墨は粒ではないので、抵抗感が出ない。
群青などを焼いて暗い色を作ると、焼きむらがあったりで、塗ると自然な感じが出せる。

「雨模様」 ポルトガル・リスボン
岩永006

リスボンの街の中心にある、エレベーターを上がった展望台で、欄干の向うの市街を見下ろせる。
灰色の空と赤い屋根の色が混じって、淡いピンク色をつくっている。
人影や欄干が水たまりに映り込んでいて、何か物語を感じさせる情景。

今後も光と影といったものを主題に描いていきたい。
まだまだ表現しきれていないので、表現できる境地まで頑張っていきたい。

日本画を志すようになったのは、高校の美術の先生が日本画家だったのがきっかけ。
アトリエに畳が敷いてあり、絵具の顔料がガラス瓶に入っていて、ラベルに名前が
書いてあるのが新鮮だった。
たしかにヨーロッパの景色は油絵の方が描きやすいかも知れないが、あえて不自由さのある
顔料で描くことに挑戦してみたい。

以上

日本画の顔料の不自由さに魅了を感じるというのは日本画家の方からよく聞く言葉です。

2011年に同じ日本橋三越本店で開かれた、「岩永てるみ展」の記事です。

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【2014/11/29 19:27】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(3) |
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  • こんばんは。
  • この路面電車がリスボンの狭い街中をトコトコ縫うようにして走るのをテレビで見たことがあります。
    屋根の下で電車も雨宿りしている風情ですね。

    【2014/11/29 21:43】 url[chariot #/8nqih4Y] [ 編集]
  • 雨宿り
  • 路面電車でしょうか、少し古ぼけた使い古しの匂い車両が好きです。雨宿りしているのはやはり電車と言う事で良いんですよね。

    【2014/11/29 20:57】 url[miss.key #eRuZ.D2c] [ 編集]
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    【2014/11/29 20:54】 url[ #] [ 編集]
    please comment















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