「17th DOMANI・明日展」 国立新美術館
乃木坂
chariot

六本木の国立新美術館では「17th DOMANI・明日展 未来を担う美術家たち
文化庁芸術家在外研修の成果」が開かれています。
会期は2015年1月25日(日)までです。
火曜日は休館日で、12月24日(水)から1月6日(火)も休館しています。
12月23日(火・祝)は開館しています。

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「DOMANI・明日展」は文化庁が1967年度から実施している、若手芸術家を
研修のため海外に派遣する、「芸術家在外研修(新進芸術家海外留学制度)」の
成果を発表する展覧会で、毎年開かれています。

アーティストによるギャラリートークも行なわれてます。

12月14日(土)の奥谷太一さん、岩崎貴宏さん、古武家賢太郎さんのトークに行き、
3人の話を聴いてきました。
その要旨です。

会場内は撮影可能です。

奥谷太一さん 2012年フランス派遣

パリではエコール・デ・ボザールで個人授業を受けたり、ルーブル美術館の作品を
模写したりした。

『パオロ・ウッチェロ「サン・ロマーノの戦い」模写』 2013年 油彩、キャンバス
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ウッチェロの薄塗りに魅力を感じて描いた。

「帰路」 2007年 油彩、キャンバス
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大学院の終了作品で、自分は社会に出てサラリーマンにはなる訳ではないので、
サラリーマンの歩く方向とは逆の方を向いた自分を描き入れた。

「シャッターの刻」 2011年 油彩、キャンバス
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日常的な存在である、人というものが気にかかるのでよく題材にしている。
時代の空気感、コミュニケーションの希薄さといったものを表現したい。
具体的な背景を描くと説明的になってしまうので、描かない。

顔などを描く時、下地に赤などの暖色を塗ってから、青などの寒色を重ねて、
色合いに深みを出している。

「何処へ」 2014年 油彩、キャンバス
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フランス人を描いた。
左側はたまたま集まっている人たち、右側は仲間の集合と分けている。
フランス人は服装の配色が独特で、描くと色数も多くなる。
左端に自画像が入っている。


岩崎貴宏さん 2007年イギリス派遣

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「リフレクションモデル(瑠璃)」 2014年 ヒノキ材、ワイヤー
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金閣
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銀閣
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「リフレクションモデル」はイギリスに行く前から作っていた。

金閣も銀閣も瑠璃光寺五重塔も池に面しており、その形が水面に映って、
重力を喪失して見える。

展示は3点とも水に映る姿を立体的に表しており、水面の高さを揃えてある。
このような建築が残っていることで、当時の権力者の持っていた来世へのヴィジョンが
現代にまで伝わってくる。
彼らはヴァーチャルな世界を想像していた訳で、その思い描いていたユートピアを
現代のディストピアの世界に再現してみた。

「アウト・オブ・ディスオーダー」 2014年 雑巾・墨汁
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「アウト・オブ・ディスオーダー」シリーズはイギリス派遣後の作品。
雑巾に墨汁を沁みこませ、固めてある。
「リフレクションモデル」は維持にコストや手間がかかるので、もっと自由な在り方は
ないのかと考えたのがこれ。
イギリスには東急ハンズなど無いので、画材を買うのに困り、あらためて表現するとは
何だろうかと思い、もっと身近なもので何か出来ないか考えた。
クレヨンのクズを固めると立体になることを思い出した。

川崎市民ミュージアムの依頼で、川崎の工業地帯を題材にしてみた。
9点あるが、すべて現地でリサーチしたもの。
化学工場は製品を船で運び出せるように建設されているので、海を正面に
していることに気が付いた。
それは寺院の伽藍配置に似ており、寺院の来世に対して現世のユートピアを
追っているようにも思える。

極く小さな作品も1点、展示してある。

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(岩崎さんの小作品は2011年の「ヨコハマ トリエンナーレ」にも展示され、
遠くから望遠鏡で覗く仕掛けになっていました。)


古武家賢太郎さん 2012年イギリス派遣で現在もロンドン在住

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支持体に木を使い、色鉛筆で描いている。
かなり力を入れないと色が乗らない。
最初は紙に描いていたが、やがて木に行き着いた。
東急ハンズで板を買っていたが、最近は桜が木目が細かく描きやすいので使っている。
絵の人物にモデルはおらず、自分の想念を人の形に託して表している。

自分の絵はぱっと目には明るく楽しいが、よく観ると暗いイメージが入り込んでいる。
色は違う色の上塗りをしておらず、塗るときも自然に色が決まっていく。

「ユニコーン2」 2011年 色鉛筆、木ボード
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「ナミトキツネ」 色鉛筆、木ボード
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ロンドンで制作した作品で、琳派や伊藤若冲の要素が入っている。
外国に行って日本文化に興味を持つようになり、作品にも影響が出るようになった。

「ホワイト フォレスト」 2014年 色鉛筆、木ボード
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最近は風景にも興味を持って描いている。


その他の作家の作品は明日の記事で紹介します。


修復家の派遣も展示されていました。

今年は副題の「造形の密度と純度」の通り、密度の高い作品揃いで、楽しめる展覧会でした。

2013年の「16th DOMANI・明日展」の記事です。

展覧会のHPです。

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【2014/12/17 19:09】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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