「天才陶工 仁阿弥道八」展 サントリー美術館
六本木・乃木坂
chariot

六本木のサントリー美術館では、「天才陶工 仁阿弥道八」展が開かれています。
会期は2015年3月1日(日)まで、休館日は火曜日です。

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京焼の高橋道八家の2代目で、名工としてして知られる仁阿弥道八(1783-1855)を
紹介する展覧会です。

仁阿弥道八は奥田頴川(おくだえいせん)らに師事しており、青木木米は兄弟子にあたります。
茶道具から置物、彫塑的な作品まで幅広い領域で名作を遺しています。

「色絵狸爐蓋」 19世紀 東京藝術大学大学美術館
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茶席の炉の蓋で、狸の和尚が胡坐をかいて座っていて、後ろには尻尾も付いています。
目をむいて上の方をにらんだ姿にとぼけた味があります。
衣や袈裟には釉薬がかかっていますが、体の部分は素地を残して毛の感じを出しています。
これと同じ形の東京国立博物館蔵の作品が展示室の最初に置かれています。

「色絵寿星立像」 19世紀 野崎家塩業歴史館
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大きな像で、二頭身ほどの頭の寿老人が不老長寿を表す桃を手にしています。
岡山県児島市を中心に製塩業で栄えた野崎家の当主、武吉郎の還暦祝いに
従業員一同が明治41年(1908)に贈っています。

「色絵猿置物」 19世紀 個人蔵
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腕をかかえ、横眼遣いで口を結んだ表情がいかにも可愛いらしく出来ています。
釉薬は使わず、全身に細い毛を彫ってあります。

「黒楽銀彩猫手焙」 19世紀 遠山記念館
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背中に蓋があって、炭火を入れるようになっています。
背中を撫でられた猫が心地悪そうに首をすくめる様子を上手く捉えています。

「白釉山羊手焙」 19世紀 正伝永源院
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毛並やひげを線彫りで表して白い釉薬を駆け、角や蹄は紫色を加えています。
優しい顔をしていて、鳴き声まで聞こえそうです。
正伝永源院は建仁寺の塔頭の一つです。

「色絵竹穏和尚坐像」 天保2年(1831) 大中院
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立膝をして座っているお坊さんは永源庵(現在の正伝永源院)の住職で、仁阿弥道八と
親交の深かった則堂通銓とのことです。
頭の形まできっちり表現された、とても写実的で生き生きした像です。
大中院も建仁寺の塔頭の一つです。

動物や人物を題材にした彫塑的な作品はどれもその特徴を見事に掴んでいて、
とても魅力的です。

「色絵桜楓文鉢」 19世紀 サントリー美術館
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春の桜と秋の楓を一つの鉢に描き入れた、ぶっくりと華やかな絵柄です。
さらに器に透かしを入れた鉢もあります。

「銹絵雪竹文手鉢」 19世紀 湯木美術館 
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尾形乾山の意匠を写した作で、竹の葉に積もる雪を分厚い白の釉薬で表現して鮮やかです。
把手も竹の形をしています。

「銹絵桐葉形皿」 19世紀 逸翁美術館
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桐の葉をかたどった皿に本物の葉を押し付けて葉脈の跡を付け、葉の破れた穴も見せ、
一匹の蛾を描き足しています。
くすんだ葉の色も表され、季節の終わりを感じさせます。

「青磁象嵌菊花文水指」  19世紀 高津古文化会館
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仁阿弥道八はさまざまな技法にも秀でていて、高麗青磁を写した作品もあります。

「冨岳文黒茶碗」 19世紀 野崎家塩業歴史館
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江戸初期の陶芸家で黒釉茶碗が得意だった楽道入(1599-1656)の作品の写しです。
分厚い釉の掛かり方、素地の残し方など、巧く写しています。

「黒楽四方茶碗 山里」 楽道入 17世紀 サントリー美術館
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「色絵龍鳳凰文急須」 文政8年(1825) ボストン美術館
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お雇い外国人で、大森貝塚の発見者であるエドワード・シルヴェスター・モース
(1838-1925)が日本滞在中に収集した品はボストン美術館に収蔵されていますが、
その中にも仁阿弥道八の作品が入っています。
かなり華やかな呉須赤絵で、制作年と「道八」の名が書かれています。

他に、道八が指導した大名の御庭焼の作品や、初代・三代高橋道八・当代である
九代道八の作品なども展示されています。
九代の作品は切れ味の良さを特徴にしています。

仁阿弥道八は現在も人気が高く、茶席で愛好されていますが、まとまった展覧会は
なかなか無かったそうです。
高い技術と優れたデザイン感覚を持ち、そしてユーモア感覚もある仁阿弥道八の作品を
楽しめる良い機会です。

展覧会のHPです。


次回の展覧会は、「生誕三百年 同い年の天才絵師 若冲と蕪村」です。
会期は2015年3月18日(水)から5月10日(日)です。

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【2015/01/11 19:12】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(1) |
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  • miss.keyさん、こんばんは。
  • 狐は九尾の狐のようなのもいますが、狸は人懐っこいし、ちょっと抜けたところがあっていいですね。
    本当にこんな狸和尚がいるような感じがします。

    【2015/01/12 18:25】 url[chariot #/8nqih4Y] [ 編集]
    please comment















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