「クインテットII-五つ星の作家たち」展 東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館
新宿
chariot

新宿の東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館では、「クインテットII
-五つ星の作家たち」展が開かれています。
会期は2月15日(日)までです。

五001


継続的な作品発表の実績があり、招来有望な5人の作家を紹介する企画とのことで、
2014年の1月に第1回展が開かれています。
今回は富岡直子、平体文枝、岩尾恵都子、水村綾子、山本晶の作品、約70点の展示です。

1月17日に水村綾子さん・山本晶さんのアーティスト・トークがありましたので行ってきました。

会場は撮影可能です。

水村綾子さんのトーク

20年近く、抽象画を描いている。
以前は黒い画面の内省的で自分のための絵を描いていたが、2000年頃から色彩が
出てきて、人との共感、共振、人の目にゆだねる作品を作るようになってきている。

「timber」 2013年 油彩・キャンバス
クIMG_0308

「残響」 2012年 油彩・キャンバス
クIMG_0311

水村さんのエスキース
クIMG_0317


最近は音をテーマにしている。
音楽の新鮮さやパワー、親しみやすさにあこがれている。
二つのことを大切にしている。
一つはエスキースを描くこと。
エスキースを描き、見ることで、自分のやっている他の仕事からのモードの
切り替えが出来る。
もう一つは音楽をかけて描くこと。
音楽をかけると集中していないようだが、無音だと集中しすぎて、着地点が
見えなくなることがある。
音楽があると、客観的になれる時がある。

ジャンルはJPOPがほとんどで、歌詞の日本語によってインスピレーションを受ける
ことがある。
1枚描くのに4,5枚のアルバムを繰り返し掛け、同じ調子を保つようにしている。
平常心が大切で、気分転換しすぎると気持が遠くに行ってしまうので、日常を保つ
ようにしている。
制作のストレスは制作でしか解決出来ないと思っている。
画面のブレが無くなった時、朝昼晩いつ観ても良く見えた時が筆を置く時。
横から見た時の方が良く見えたりするのはまだ画面の密度が足りない。

タイトルには英語をよく使う。
英語だと記号のようで、言葉による匂いの付かない良さがある。
正方形の画面は天地左右が自由な感じで描きやすい。
正方形だけだと、まったりしてしまうので、長方形を入れることもある。
内に力を秘めた赤をまず使い、対になるものとして青を使うようになった。
音楽で言う二重奏のようなもの。
画面の中にある有機的な形は画面に表情を付ける、目となる部分。

抽象画は観る人にゆだねる部分があり、観る人なりのメロディー、フレーズが
出てくれば良いと思っている。
観る人の身近な存在になる作品を描きたい。


山本晶さんのトーク

「見る」ということを考えて描いている。
見ることの中には時間性や空間性がある。
見るとは、一瞬見るものだろうか。
自分の既視感や毎日の記憶が重なっており、音や風も感じている。

2012年以降の作品を展示しているが、自分の好きな場所でスケッチしたり、雑誌から
抜き出して組合わせている。

建築はミース・ファン・デル・ローエ以降、規制の無い空間に規制無い自由な建築を
つくっており、絵描きがそれに負けてたまるかという思いがある。

「ひかりの方」 2014年 油彩・キャンバス
クIMG_0324

馴染みのある市ヶ谷駅の堀に映った夜景を描いたもので、自分にとっての駅の感触を
取入れている。
暗く描く必要は無いと思って、自分に一番フィットする色にしている。
ホームから見上げたビルなど、自分にとって引っ掛かる部分を抽出している。
もし写実的に描いたら、自分の市ヶ谷駅では無くなってしまう。

「パン」 2014年 油彩・キャンバス
クIMG_0336

パンとはカメラを横に振って写す技法のこと。
アルプスを尾根伝いに歩いた景色で、カメラでは捉えきれない、体を使わないと
見えない感覚を表現した。

「地図の真上で」 2014年 油彩・キャンバス
クIMG_0348

アトリエの中を描いていて、描きかけの絵のフレームを外して一つの空間に入れて、
多視点の絵にしている。
マチスの「青いアトリエ」を意識した。
自分の絵を自分の絵に押し込むことで、フィクションにフィクションを重ねる面白さを
狙っている。
地図には一つの視点が無い、同じ情報が平面に並んでいる。


以上がトークです。
水村さんは音楽、山本さんは建築にからめて作品を語られるのを興味深く聴きました。


富岡直子さんの作品

クIMG_0275

春の曙のような色彩が明るく輝きながら広がっています。

「黎明の響き」 2014年 アクリル・麻布・パネル
クIMG_0276


「朝映え II」 2014年 アクリル・麻布・パネル
クIMG_0278


平体文枝さんの作品

風景の一部分に注目して、切り取ったように描いています。

「船の出る日」 2014年 油彩・オイルステック・キャンバス
クIMG_0283


「二十五景」 2014年 シルクスクリーン・紙 
クIMG_0286


岩尾恵都子さんの作品
風景の中に人物があるのか、人物の中に風景があるのか、観ていて迷います。
風景画、人物画という枠を外してみると、不思議な光景が現れてきます。

「赤岳」 2013年 油彩・キャンバス
クIMG_0297

「絹の子」 2014年 油彩・キャンバス
クIMG_0343



前回の「クインテット-五つ星の作家たち」展の記事です。

損保ジャパン日本興亜美術館のHPです。


次回の展覧会は「FACE展 2015 損保ジャパン日本興亜美術賞展」です。
会期は2月21日(土)から3月29日(日)までです。

関連記事

【2015/02/07 19:26】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(2) |
comment
 
コメントを書く
コメントは承認後に公開されます。ご了承ください。
  • 慧喜さん、こんにちは。
  • ご訪問、ありがとうございます。
    作家の方のトークを聴くと作品の魅力が増すので、機会があれば聴くようにしています。
    なるほど、そう考えて制作したのかと、感心することがよくあります。

    【2015/02/08 08:43】 url[chariot #/8nqih4Y] [ 編集]
  • Chariotさん☆
    訪問して頂いて、有り難うございます!
    「クインテット2」良かったですよね♪
    トークイベントに行かれたんですね~
    うらやましいです(;´д`)
    記事読ませて頂いて、更に深く?理解できました~(*^▽^*)

    【2015/02/07 23:25】 url[慧喜 #-] [ 編集]
    please comment















    管理者にだけ表示を許可する

    trackback
    trackback url ↓
    http://nekoarena.blog31.fc2.com/tb.php/2525-bc1538c4

    プロフィール

    chariot

    Author:chariot
    東京のビルの多い街で暮らしています。

    最近の記事

    最近のコメント

    最近のトラックバック

    カテゴリー

    ブログ内検索

    月別アーカイブ

    リンク

    このブログをリンクに追加する

    RSSフィード


    | ホーム |