「ベスト・オブ・ザ・ベスト展」 ブリヂストン美術館
京橋・東京
chariot

京橋のブリヂストン美術館では、「ベスト・オブ・ザ・ベスト展」が開かれています。
会期は5月17日(日)までです。
3月31日(火)から一部作品を入れ替えて展示します。

ブリヂストン001


ブリヂストン美術館はビルの新築工事のため、この展覧会が終ると数年間休館する
とのことです。
そこでこの展覧会では石橋財団コレクション2,585点のうちから選ばれた約160点が
展示されています。


ウジェーヌ・ブーダン 「トルーヴィル近郊の浜」 1865年頃
15.jpg

パリの上流階級の人たちが鉄道に乗って海辺に遊びに来ている情景です。
何気ない、スナップ写真のような一こまですが、吹いている風まで感じます。
ブーダンはモネに、屋外で描くことの大切さを教えた画家です。

クロード・モネ 「睡蓮」 1903年
東2-4-2010_001

モネといえば睡蓮です。
上から覗いている木の枝によって遠近感を出していますが、ジャポニズムの
影響と言われています。

クロード・モネ 「黄昏、ヴェネツィア」 1908年頃

9.jpg

印象派の呼び名にふさわしい絵です。
ベネツィアのサン・ジョルジョ・マッジョーレ教会のシルエットが、虹のような
夕暮れの光の中に浮かんでいます。

ピエール=オーギュス・ルノワール 
「すわるジョルジェット・シャルパンティエ嬢」 1876年


東2-4-2010_003

ルノワールはこの子の家族を描いた、「シャルパンティエ夫人と子供たち」で、
肖像画家としての評判を得たとのことです。

ここのミュージアム・カフェの、「ティールーム ジョルジェット」の名前は
この作品から採っています。

「ティールーム ジョルジェット」の記事です。


ギュスターヴ・カイユボット 「ピアノを弾く若い男」 1876年
ブリ003

ピアノを弾いている弟を描いた絵で、パリの裕福な家庭の一こまをみせています。
グランドピアノの奥行き、窓の位置など、いろいろ考えてあり、絨緞や壁紙、
カーテンの模様も描かれて華やかです。

2013年にはこの作品の購入を記念して、「カイユボット展―都市の印象派」が開かれました。

「カイユボット展」の記事です

ポール・セザンヌ 「サント=ヴィクトワール山とシャトー・ノワール」
 1904-06年頃

b004.jpg

セザンヌの風景画といえば、サント=ヴィクトワール山で、故郷のプロヴァンス
地方を代表する山です。
シャトー・ノワールとは黒い城という意味で、サント=ヴィクトワール山と
このシャトー・ノワールを共に描いた絵は少なく、ブリヂストン美術館の
門外不出の作品になっているそうです。

モーリス・ド・ヴラマンク 「運河船」 1906年
セ010

ヴラマンクのフォーヴィスム時代の作品で、強烈な色彩が目を惹きます。
シャトゥーの対岸の工場地帯の景色で、シャトゥーはヴラマンクとドランが
共同でアトリエを使っていました。

アンリ・ルソー 「イヴリー河岸」 1907年頃
セ009

おもちゃのような家と人形のような人たちの並ぶ、現実感から離れた空間に
この頃登場した飛行船が浮かんでいます。
何か不思議な懐かしさを感じます。

モーリス・ドニ 「バッカス祭」 1920年
ブリ008

ナビ派の一人だったドニの作品です。
ドニ特有の藤色がかった色彩による祝祭的な情景です。
ジュネーヴの毛皮店、「ベンガル虎」の注文で描かれた作品の下絵なので、
虎が大きく描かれています。

パブロ・ピカソ 「腕を組んですわるサルタンバンク」 1923年
b002.jpg

第一次世界大戦中に訪れたイタリアで観た古典文化にインスピレーションを受け、
それ以前のキュビズムから新古典主義に移った時代の作品です。
古代彫刻のような顔立ちで端然と腰かけていて、色彩も明快です。
サルタンバンクとは大道芸を行なう最下層の芸人ですが、この作品のサルタンバンクは
物静かで高貴さも漂わせており、ピカソの自画像の一種でもあるとのことです。
元はピアニストのホロヴィッツの居間を飾っていて、ブリヂストン美術館は
1980年にオークションで入手したとのことです。


ジョルジュ・ルオー 「郊外のキリスト」 1920-24年
ルオー005

生まれ育った貧しい街でルオーの見た、母親が子供を連れ、食を乞うため
一軒一軒回っている状景を元にした作品です。
1929年に日本に紹介され、日本でのルオーの理解と普及に貢献した作品
とのことです。

キース・ヴァン・ドンゲン 「シャンゼリゼ大通り」 1924-25年
b007

洒落たパリの街角の情景をスナップ写真のように掬い取っています。
顔は赤い唇だけで表して、都会の雰囲気を出しています。
アール・デコ調の最新ファッションで、それまで足首まであったスカート丈が
短くなっています。

パウル・クレー 「島」 1932年
b010.jpg

パウル・クレーは音楽も得意で、音楽を絵の中に取り入れる工夫をしていたとの
ことです。
細かい粒の連続、変化する色彩、流れる描線に音楽を感じることも出来そうです。

ラウル・デュフィ 「オーケストラ」 1942年
絵画005

音楽の好きだったデュフィの作品で、湧き上がる音楽が聞こえてくるようです。
ティンパニやシンバルも鳴っていて、交響曲のクライマックスの場面でしょうか。

ザオ・ウーキー 「07.06.85」 1985年

東2-4-2010_004

抽象画で、立ち上がる波のような深い青色に引き込まれます。
ブリヂストン美術館ではザオ・ウーキーの亡くなった2013年に、「追悼 ザオ・ウーキー」として、
作品9点が展示されました。

青木繁 「天平時代」 油彩、カンヴァス 1904年 石橋財団ブリヂストン美術館蔵 
青木007

3月29日までの展示です。
古代の幻想の世界ですが、人物はうねるように描かれ、赤と緑の色彩が印象的です。
「海の幸」と「わだつみのいろこの宮」が3月31日から展示されます。

藤島武二 「黒扇」 1908-09年
b008.jpg

亡くなる前年の藤島武二が親交の深かった石橋正二郎に託した作品の中の
1点とのことです。
作品が譲られたいきさつについては、ブリヂストン美術館のHPにある
石橋正二郎の挨拶文で触れられています。
古典的な描き方の作品ですが、筆遣いに勢いがあり、ショールは白く輝き、
青い眼も印象的です。

小出楢重 「帽子をかぶった自画像」 1924年
b009.jpg

フランスからの帰国後の作品で、フランスで買ったラッパと黒い帽子も一緒に
描かれています。
このラッパは息子を描いた、東京国立近代美術館所蔵の「ラッパを持てる少年」
にも描かれています。
小出楢重の絶頂期の作品で、のびのびと自信に満ちています。

佐伯祐三 「テラスの広告」 1927年
ブリ001

佐伯祐三は1924年にパリに渡り、健康悪化のため26年に一旦帰国します。
しかし日本の風景が自分の画風に会わないことに悩み、無理をして27年に
再びパリに渡り、28年にフランスで亡くなっています。
佐伯は最初の渡航時にフォーヴィズムの画家、ヴラマンクを訪ね、
自作を見せたところ、「このアカデミック!」と一喝されています。

藤田嗣治 「猫のいる静物」 1939-40年
ブリ007

スペインのファン・サンチェス・コタン(1560-1627)の静物画の構図に
倣っていますが、飛び立つ鳥と藤田得意の猫が画面に動きを添えています。
きわめて細く均一な線描を観ると、藤田の技量の高さがよく分かります。

安井曾太郎 「F夫人像」 1939年
安井11-1-2009_002

こなれた描き振りで、安井曾太郎独自の作風が確立しています。
背景の模様が日本風です。

岡鹿之助 「雪の発電所」 1956年
b013.jpg

岡鹿之助の代表作で、雪景色の中の発電所をくっきりと描いています。
岡鹿之助にしては珍しく、実景を元にした作品です。


この機会を逃すと、当分は所蔵作品を観ることが出来ないもしれないということで、
私の行った時もかなりの数の来館者がありました。


ブリヂストン美術館でここ数年の間に開かれた特別展の記事のいくつかです。

2014年の「描かれたチャイナドレス―藤島武二から梅原龍三郎まで」展

2012年の「ドビュッシー、音楽と美術 印象派と象徴派のあいだで」展

2011年の「没後100年 青木繁展-よみがえる神話と芸術」展

2009年の「安井曾太郎の肖像画」展


展覧会のHPです。

関連記事

【2015/05/05 19:08】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(2) |
comment
 
コメントを書く
コメントは承認後に公開されます。ご了承ください。
  • こんばんは。
  • ピカソが「サルタンバンク」を描いた頃は第1次世界大戦後で、
    人々が戦争に疲れ、安定を求めていた時代だったと言います。
    そんな時代の空気を反映していたのでしょう。
    ピカソにしてはおだやかで、安心して観ていられます。
    ブリヂストン美術館は今も収集を続けていて、この前はカイユボットを
    コレクションにに加えていますから、大したものだと思います。

    【2015/05/10 20:59】 url[chariot #/8nqih4Y] [ 編集]
  • ピカソはこの頃の方が好き
  •  ピカソと言うと後期のものが有名ですが、それ以前の画の方が味がある気がするなぁ。晩年の葉確かに凄いのかもしれないけど、突き抜けすぎててついていけない(笑。やっぱりわたしゃこの頃の画が好き。
     それにしても、凄い絵が並んでますなぁ。下世話な話ですが、収集にいくら使ったんだろう。

    【2015/05/10 19:24】 url[miss.key #eRuZ.D2c] [ 編集]
    please comment















    管理者にだけ表示を許可する

    trackback
    trackback url ↓
    http://nekoarena.blog31.fc2.com/tb.php/2542-8bc1a17c

    プロフィール

    chariot

    Author:chariot
    東京のビルの多い街で暮らしています。

    最近の記事

    最近のコメント

    最近のトラックバック

    カテゴリー

    ブログ内検索

    月別アーカイブ

    リンク

    このブログをリンクに追加する

    RSSフィード


    | ホーム |