「ワシントン・ナショナル・ギャラリー展」 三菱一号館美術館
東京
chariot

丸の内の三菱一号館美術館では「ワシントン・ナショナル・ギャラリー展
~アメリカ合衆国が誇る印象派コレクションから」が開かれています。
会期は5月24日(日)までです。

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ワシントン・ナショナル・ギャラリーの創設者、アンドリュー・メロンの長女、エイルサ・メロンを
中心にして収集した、印象派とポスト印象派のコレクションから68点を紹介する展覧会です。

アンドリュー・メロン(1855-1937)は米国財務長官を務めた銀行家で、自分の美術コレクションを
寄贈してワシントン・ナショナル・ギャラリーを創設しています。

エイルサ・メロン(1901-1969)は自らの審美眼に基き、多くの印象派やポスト印象派の作品を
収集しています。

ジャン=バティスト・カミーユ・コロー 「画家のアトリエ」 1868年頃 
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コロー自身のアトリエのようで、イーゼルにはコローの絵が掛けてあります。
それを観ている民族衣装を着た女性は楽器を手にしていて、絵画と音楽がコラボしています。
壁の絵などの配置も面白く、コローらしい落着いた色調で、女性の服の白や飾り紐の赤が
効いています。
コローはピサロなど印象派の画家に大きな影響を与えてます。

ウジェーヌ・ブーダン 「トゥルーヴィルの浜辺」 1864/65年頃
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トゥルーヴィルはノルマンディーを代表する保養地で、パリと結ぶ鉄道が開通すると、
多くの観光客がノルマンディーを訪れるようになり、画家たちの絵の題材にもなりました。
ブーダンはその観光客がすぐ買ってくれるような海辺の風景をよく描いています。
観光といっても椅子を並べて海を眺めているだけという、のんびりしたもので、画面では
風が右から吹いているのが分かります。
モネに屋外での制作を勧めたのはブーダンです。

カミーユ・ピサロ 「ルーヴシエンヌの花咲く果樹園」 1872年 
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ルーヴシエンヌはパリ郊外の村で、ピサロやシスレー、ルノワールたち印象派の画家が
屋外の風景を描いています。

クロード・モネ 「アルジャントィイユ」 1872年頃
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モネは1871年からパリ郊外のアルジャントゥイユに移り住んでいます。
地平線を低く、空を大きく取った、のどかな風景ですが、この辺りにも工場が増えていて、
遠くに煙突が見えます。

ピエール=オーギュスト・ルノワール 「モネ夫人とその息子」 1874年
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アルジャントゥイユのモネの家の庭でくつろいでいるのはモネ夫人のカミーユと
長男のジャンで、カミーユは日本の扇を持っています。
マネがカミーユとジャンを描いているところにやってきたルノワールがその様子に
刺激されて描いた絵です。
鶏も登場していて、見える物はさっさと描いてしまうのも印象派の楽しいところです。
モネはこの作品を気に入っていて、最晩年のジヴェルニーの家の寝室にも
掛けていたそうです。
若くして亡くなったカミーユと早世したジャンの思い出としていたのでしょう。

ピエール=オーギュスト・ルノワール 「猫を抱く女性」 1875年頃
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薄緑を基調にして、女性の頬の薄紅色が作品を暖かくしています。
モデルはニニ・ロペスというモンマルトルの女性で、ルノワールの作品に
よく描かれています。
猫はルノワールの肖像画の小道具として時々登場しています。

ピエール=オーギュスト・ルノワール 「アンリオ夫人」 1876年頃
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モデルはパリの劇場の女優で、ルノワールは11点も彼女を描いています。
そのうち、この作品だけが彼女の許にあったそうです。
目鼻立ちは入念に描かれていますが、体やドレスは淡い色彩で、柔らかく
背景に溶け込んでいます。

ベルト・モリゾ 「窓辺にいる画家の姉」 1869年
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姉のエドマ・モリゾを描いていて、姉妹は画家を志し、コローに師事しています。
エドマは結婚と出産のために絵を描くのを止め、ベルトはそれを惜しんでいて、
扇の絵を見ている姿はエドマが画家であることを示しているそうです。

エドガー・ドガ 「舞台裏の踊り子」 1876/1883年
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小品ですが、バレーの舞台裏の一瞬の状景を捉えています。
スポンサーらしい男性は踊り子に話しかけていますが、踊り子は素っ気無い表情を
しています。
皮肉屋で観察眼の鋭いドガらしい作品です。

ポール・ゴーガン 「カリエールに捧げる自画像」 1888または1889年
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タヒチに渡る前の頃の作品で、ブルターニュの民俗衣装を着た姿です。
黄緑色を基調にして、あごも大きく大層自信ありげな顔を描いています。

ピエール・ボナール 「革命記念日のパリ、パルマ街」 1890年
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バステイーユ監獄襲撃事件のあった1789年7月14日を記念して開かれる
フランス国民祭のパリの街頭です。
主役は三色旗で、手前の3人も赤白青の3色になっていて、遊び心のある作品です。
この頃のフランスは第三共和政の時代です。

ピエール・ボナール 「花束」 1926年頃
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華やかな画面で、テーブルクロスの格子模様が印象的です。

エドゥアール・ヴュイヤール 「黄色いカーテン」 1893年頃
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温かい色調で、カーテンの描き方も装飾的です。
ヴュイヤールはボナールと同じくナビ派の画家で、平面的、装飾的な画風が特徴です。
室内や身の回りを好んで描き、自らアンティミスト(親密派)と名乗っています。


他にマネ、シスレー、セザンヌ、ゴッホ、ルドンなどもあって、印象派を中心にした
親しみやすい作品をたっぷり楽しめる展覧会です。

展覧会のHPです。


次回の展覧会は、「画鬼・暁斎―KYOSAI 幕末明治のスター絵師と弟子コンドル」展です。
会期は6月27日(土)~9月6日(日)です。

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【2015/02/15 19:11】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(2) |
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  • こんばんは。
  • 印象派の作品は日本にもよく来るのでかなり観ている方ですが、それでも展覧会に行くたびに初めての絵に会えるので楽しいです。
    絵のことは覚えていても、どの展覧会で観たのかはかなり覚束なくなっています。

    【2015/02/15 23:05】 url[chariot #/8nqih4Y] [ 編集]
  • 展覧会はほぼ制覇?
  • 絵画の知識が深い訳ですね。これだけ見てると有名な画家のそれはほぼ頭に入っていそうですな。

    【2015/02/15 22:11】 url[miss.key #eRuZ.D2c] [ 編集]
    please comment















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