「デミタス コスモス―宝石のきらめき★カップ&ソーサー」展 三井記念美術館
三越前
chariot

日本橋の三井記念美術館では、「デミタス コスモス―宝石のきらめき
★カップ&ソーサー」展が開かれています。
会期は4月5日(日)までです。

デミ001


デミタスは食後に濃いコーヒーを飲むための小さな器です。
鈴木康裕・登美子夫妻が40年にわたって収集してきたデミタスのうち、
約300点が展示されています。

「上絵金彩薔薇図カップ&ソーサー」 セーヴル 1767年
デミ002

ルイ15世の時代の作品で、セーヴルはポンパドゥール夫人によって、
ヴァンセンヌから移された窯です。
リトロンとは筒型をした計量カップを言います。
薔薇の香りもただよいそうな絵柄です。

「上絵金彩ジュール透彫カップ&ソーサー」 ロイヤルウースター 1880年代
デミ010

ウースター窯はイギリスの現存最古の窯で、1751年に創業し1789年に
「ロイヤル」の称号を得て、1958年にロイヤル・ウースターと改称しています。
カップもソーサーも細かく規則正しく透かし彫りがされていて、高度な技術と
大変な手間を要したことが分かります。
一緒にセットの透彫ポットも展示されています。
実用ではなく、観賞用のセットでしょう。

「上絵金彩貼花鳥蓋付カップ&ソーサー」 マイセン 1880-1900年
デミ011

ザクセン選帝候フリードリッヒ・アウグスト1世(アウグスト強王)の命で、
1710年にヨーロッパ最初の硬質磁器窯として設立されています。
スノーボールはセイヨウカンボク、テマリカンボクと呼ばれ、白い小さな花を
たくさん咲かせます。
とても豪華ですが、カップの縁の口当りを考えていないので、観賞用でしょう。

「上絵金彩女性図カップ&ソーサー」 カールリヒャルトクレム工房 1900年頃
デミ007

カールリヒャルトクレム工房はドレスデンにあった絵付の工房です。
当時評判の美人の肖像を描いています。
小さな器面に写実的な絵を描くのですから、かなりの技量が必要です。

「上絵金彩ジュール果実図カップ&ソーサー」 コールポート 1891-1910年
デミ005

コールポートはイギリスの工房で、現在はブランド名だけが残っています。
ジュールは釉薬の上にエナメルを粒状に塗ったものです。
ジュールが規則的に並んでいて、底の方に行くほど粒が小さくなっています。
カップの内側も金色に塗られ、緑色との対比が華やかです。

「上絵金彩花のガーランド図カップ&ソーサー」 ロイヤルクラウンダービー 1909年
デミ003

クラウンダービーはイギリスの磁器メーカーで、ジョージ3世によって
王冠の刻印を許されています。
カップの内側にも花綱(ガーランド)模様が入っています。

「上絵金彩花図カップ&ソーサー」 KPMベルリン 1901-30年
デミ006

KPMベルリン(ベルリン王立磁器製陶所)は1763年にプロイセンの
フリードリヒ大王によって設立された製陶所です。
ソーサーの外側にも花綱がめぐっていて、ジュールで描かれた
赤い花が可憐です。

「上絵金彩パツィオパットギリシャ人物図カップ&ソーサー」 ミントン 1910-20年
デミ004

ミントン社は1793年に創業し、ボーンチャイナを開発しています。
パツィオパットは、青や緑の地の上に白いスリップ(泥漿)を塗り重ねて
カメオのようなレリーフを作る技法です。
普仏戦争で被害を受けたセーヴルの職人がミントンに伝えています。
白、青、金でシックにまとめた作品です。

「花文カップ&ソーサー」 エミール・ガレ 1890年頃
デミ009

アール・ヌーヴォーのグラスでジャポニズムが入っています。
ガラス製のデミタスではドーム兄弟の作品やヴェネツィアン・グラスなどもあります。

「釉下彩蝶に花図カップ&ソーサー」 ロイヤル・コペンハーゲン 1902-22年
デミ008

ロイヤル・コペンハーゲンはデンマークの陶磁器メーカーで、1775年に王室御用達窯として
設立され、1868年に民営化されています。
マーガレット・サービスと呼ばれるシリーズで、マーガレットを彫り出してあります。
とても薄手で、いろいろな花柄をあしらい、1900年のパリ万博でグランプリを獲ています。
絵付の上に透明の釉薬を掛ける技法で、宮川香山の横浜真葛焼に似た趣きがあります。
横浜真葛焼はヨーロッパに盛んに輸出されていました。

日本製では、九谷焼、有田焼、象彦の蒔絵、ノリタケの前身会社の製品もあります。


様々な技法を凝らした数々の優美、繊細な作品が並んでいて、デミタスという小さな世界を
たっぷり楽しめる展覧会です。  

次回の展覧会は特別展、「三井の文化と歴史」です。
会期は4月11日(土)から6月10日(水)までです。

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【2015/02/21 20:30】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(2) |
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  • こんばんは。
  • これでエスプレッソでも飲んでみたいものですが、
    汚したり、割ったりしたら大変です。

    ガラス越しに観るだけにしておきましょう。

    【2015/02/23 22:23】 url[chariot #/8nqih4Y] [ 編集]
  • 高そうなコーヒーカップ
  • 一つ欲しいなー。いいなー。偉い高いんだろうなー。こんなん使える身分になりたいわー。ええなー。高嶺の花やなぁ。

    【2015/02/23 21:52】 url[miss.key #eRuZ.D2c] [ 編集]
    please comment















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