「没後50年 小杉放菴 ―〈東洋〉への愛」展 出光美術館
日比谷・有楽町
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日比谷の出光美術館では、「没後50年 小杉放菴 ―〈東洋〉への愛」展が開かれています。
会期は3月29日(日)までです。
会期中、一部展示替えがあります。

小杉001


小杉放菴(1881~1964)は日光生まれで、元は洋画家として出発し、小杉未醒(みせい)と
名乗っていました。
1931年にフランスに留学し、そこで逆に東洋画に目覚め、帰国後は飄々とした画風の
日本画に転向しています。

出光美術館の初代館長・出光佐三は小杉放菴の庇護者で、美術館は約300件の作品
を保有しています。

「湧泉」 1925年 油彩
ヴィ8-4-2010_002

東京大学の安田講堂の壁画の原画で、天平風俗の女性を描いています。
尊敬するシャヴァンヌの描いたソルボンヌ大学大講堂の壁画に倣っています。
「湧泉」は講堂の舞台を囲むアーチの向って左側の題で、入学を意味しているとのことです。
大らかな姿で、近代の理想を古代に求めている作品です。

以前、安田講堂で撮った写真です。

小杉安田0056

「さんたくろす」 1931年
小杉005

小杉006

サンタクロースが雪の森を歩いているのですが、腰は曲がり、長い杖を突いていて、
七福神の寿老人か何かのようで、なんともユーモラスな絵です。

構図はブリューゲルの有名な「雪中の狩人」を左右逆にしたものと同じで、
洋画と水墨画を自由に溶け合わせてあります。
題も「さんたくろす」とひら仮名で付けるという、放菴独特の自在さがあります。

「金太郎遊行図」1942年 泉屋博古館分館 
小杉004

大きな絵で、おとぎ話の金太郎が斧を担ぎ、嬉しそうな顔で、熊にまたがっています。
お孫さんをモデルにしていて、小杉放菴は金太郎の絵を好んで描いています。

「梅花小禽」 昭和時代
小杉003

3月15日までの展示です。
枝を伸ばした大きな白梅の木にコジュケイが一羽留まっています。
梅の木はすっきりと簡潔に描かれ、力強い画面です。

「天のうづめの命(みこと)」 1951年
小杉001

小杉002

天のうづめの命が踊りながら、太陽を招いています。
天岩戸に隠れた天照大神を招き出しているところです。

モデルは当時ブギの女王と呼ばれた笠置シヅ子で、愛嬌のある顔は
笠置シヅ子に似ています。
踊っているのは「東京ブギウギ」だった訳です。
出光佐三の創業した出光興産のタンカー、日章丸二世の建造を記念して
描かれた作品で、船長室に飾られていました。
戦後日本の復興を願う気持をこの絵に託しています。

小杉放菴の作品の特徴は、墨や絵具がややかすれて滲んだ、
ふわりと包み込む雰囲気にあります。
麻紙という、麻を漉いた紙を使うことによる効果です。
麻紙は古代には使われていて、その後廃れてしまっていたのを、
福井県の紙職人との共に努力を重ねて復元しています。
小杉放菴の後期の作品の多くはこの麻紙を使ってに描かれており、
放菴独特の飄々とした画風は、この麻紙によって生まれています。

こうして放菴の作品を眺めていると、仙郷に遊ぶ心地がします。


次回の展覧会は「東洋の美 ―中国・朝鮮・東南アジアの名品」展です。
会期は4月11日(土)~6月14日(日)です。

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【2015/03/09 19:27】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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