「ルオーとフォーヴの陶磁器展」web特別内覧会 パナソニック汐留ミュージアム
新橋・汐留
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新橋のパナソニック汐留ミュージアムで開かれている、「ルオーとフォーヴの陶磁器展」の
web特別内覧会に行ってきました。
展覧会の会期は6月21日(日)までです。
休館日は水曜日ですが、4月29日と5月6日は開館しています。

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20世紀初頭、ルオー、マティス、ドランなどフォーヴィズムの画家たちが制作した陶磁器を
紹介する展覧会です。

学芸員の萩原敦子さんのお話しを伺いながら作品を鑑賞しました。

ルオーたちは画商のアンブロワーズ・ヴォラール(1866-1939)に誘われて、パリ近郊の陶芸家、
アンドレ・メテ(1871-1920)の工房を訪れ、陶器の絵付けを行なっています。

ヴォラールは印象派やポスト印象派の画家を援助し、世に送り出した画商として知られています。

アンドレ・メテは独学で陶芸を学び、従来の職人的な陶磁器に対し、個性を出して作家性を
持たせようとした陶芸家です。
19世紀には低かった工芸の地位が芸術に接近してきた時代にあたります。
メテは初期の炻器からファイアンス、後期の施釉陶器まで、さまざまな作品を生み出しています。
ファイアンスは素地に錫釉を掛けて表面を白くした陶器で、効果的な絵付けが出来ます。
ルオーとは同い年ですが、49歳で亡くなっています。

展示作品は色を違えた3つの展示室に展示されています。
写真は許可を得て撮影したものです。

第1章 陶芸家アンドレ・メテ―その作品と生涯

メテの施釉陶器の時代の作品と下絵が展示されています。

ジャン・ブリュメ 「アンドレ・メテの肖像」 1912年 個人蔵
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1909‐1912年頃の彩釉陶器のカップ&ソーサー ブロ・コレクション
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きらびやかな金彩を施した鑑賞用の大きなカップで、実用ではありません。

右: 「花瓶 植物と鳥」 1909-1920年 彩釉陶器 パリ市立プティ・パレ美術館
左: 「花瓶 植物とメダイヨンに鳥」 1909-1920年 彩釉陶器 パリ市立プティ・パレ美術館

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右: 「大皿 アダムとイヴ」 1909-1920年 彩釉陶器 パリ市立プティ・パレ美術館
中: 「皿 五人の裸婦」 1909-1920年 彩釉陶器 パリ市立プティ・パレ美術館
左: 「皿 人物と動物」 1909-1920年 彩釉陶器 パリ市立プティ・パレ美術館

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皿に丸いくぼみを入れています。

メテの作品は意匠もさまざまで、変化に富んでいます。


第2章 フォーヴの陶磁器―火の絵画

メテの工房で絵付けされた作家たちの陶芸作品です。
メテは自分では思うような絵付けが出来なかったので、若手の画家たちに絵付けを依頼しており、
その中にマティス、ヴラマンク、ドランなどフォーヴィズムの画家が含まれています。
陶磁器は絵の形の単純化が要求されるので、それが画家たちの興味を惹いたようです。

日本でも、尾形乾山の陶器に兄の尾形光琳が絵付けをしたりしています。

アンリ・マティス/アンドレ・メテ 「花瓶 装飾的な花」 
 1907年 ファイアンス ラロック=グラノフ・コレクション

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手早い筆さばきで、白地に赤と緑だけを使って花が描かれています。
この作品を使って、制作の過程を解説した動画もあります。

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アンドレ・ドラン/アンドレ・メテ 「花瓶 幾何学模様」 
 1907年 ファイアンス パリ市立近代美術館

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装飾性とフォーヴィズムの持つ勢いとが一緒になった、華やかな絵付けがされています。
ドランは1908年まで、20点ほど制作しています。

モーリス・ド・ヴラマンク/アンドレ・メテ 「花瓶 薄紅と黄の花、青と緑の葉」 
 1907-09年 ファイアンス パリ市立近代美術館

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全面にびっしりと隙間なく描かれていて、花瓶が花に包まれているようです。
花瓶の形はマティスのと同じです。

ヴラマンクは1910までと、長く絵付けをしていて、太い描線と装飾性が特徴です。

ジャン・ピュイ/アンドレ・メテ 「皿 金魚」 
 1907-09年 ファイアンス パリ市立プティ・パレ美術館

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白地を活かした、あっさりとして洒落た絵付けです。
ジャン・ピュイは1910年まで、50点近く制作しています。

ルイ・ヴァルタ/アンドレ・メテ 「花瓶 レダ」 
 1908年頃 ファイアンス パリ市立プティ・パレ美術館

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ギリシャ神話に出て来るレダが手慣れた筆遣いで描かれていて、立体感を出す
ハッチングもされています。 
下の方には模様も描き入れてあって、装飾性もあります。


第3章 ルオーと陶芸―色彩とマティエール

ジョルジュ・ルオー(1871-1958)は他の作家たちが早めに陶磁器から離れて行ったのに対し、
1913年まで長く続けています。
展示品の中でもルオーは数多くの作品が展示されています。
展覧会自体がパナソニック汐留ミュージアムの続けている、ルオーの展覧会として
企画されていて、準備に2年半かかったそうです。

ジョルジュ・ルオー 「花瓶 水浴の女たち」 
 1909年 ファイアンス パナソニック汐留ミュージアム

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装飾性を見せず、塗りを重ねて深みのある器面にしています。

ルオーが陶芸を手掛けた時期は、芸人や貧しい人びとへの共感、権力への反感といった、
ルオーの追求したテーマの出揃った時期にあたります。

ルオーは芸術の順位を1位が陶芸、2位が絵画としていて、陶芸を重視しています。
陶芸はマティエールの表現にすぐれていると考えていて、ルオー独特の、厚塗りによる
マティエールは陶芸によって取得したものと思われます。
ルオーの父はピアノのニス塗り職人で、ルオーも初めはステンドグラス職人だったので、
工芸への親近感もあったのでしょう。


フォーヴィズムと装飾性には以外に親近性があるのを面白く思いました。
メテやフォーヴィズムの画家の陶磁器は日本ではほとんど所蔵されていません。
それらをまとめて観ることの出来る今度の展覧会はとても貴重な機会です。

展覧会のHPです。

次回の展覧会は、「アール・ヌーヴォーのガラス展」です。
会期は7月4日(土)から9月6日(日)までです。

アール001

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【2015/04/27 19:19】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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