「上村松園生誕140年記念 松園と華麗なる女性画家たち」展 恵比寿 山種美術館
恵比寿
chariot

恵比寿の山種美術館では、「上村松園生誕140年記念 松園と華麗なる女性画家たち」展が
開かれています。
会期は6月21日(日)までです。

松園001


上村松園 (1875-1949)の生誕140年を記念して、山種美術館の所蔵する
上村松園の作品18点をすべて展示するとともに、近代・現代の女性の
日本画家たちの作品を展示する展覧会です。


上村松園 「桜可里」 1926-29年頃 山種美術館
 冨士001
 
肉筆浮世絵風の華やかな絵柄で、着物の作りだす線がリズミカルです。


上村松園 「新蛍」 1927年
 竹006

簾越しの姿を描くという、上村松園得意の技法を見せています。
髪は丸髷、双鳥模様の帯を締め、蛍に趣向を合わせた水流の裾模様で、
団扇で口元を半ば隠して趣を深くしています。

上村松園 「盆踊り」 1934年頃
和002

色紙に描かれた小品で、女の髪型は立兵庫でょうか、帯も細く、
江戸時代初期の風俗です。
与謝蕪村の俳画のような趣きがあります。

上村松園 「砧」 1938年
上006

謡曲の「砧(きぬた)」を題材にしていて、都に上ったまま戻って来ぬ夫を
待ちわびる妻の姿です。
晩秋の風物である、布を叩いて柔らかくする道具の砧が足元に置いてあり、
ともしびが灯っています。
戦国から江戸初期の風俗で、髪は垂髪の先を輪にする玉結び、
小袖は橘の模様ですが、打掛は枯葉を散らし、時の移りを暗示しています。
肖像のような仏像のような気持ちで描いたとのことです。


上村松園 「折鶴」(部分) 1940年頃
k003_201402050620453f4.jpg

無心に折鶴を折っている江戸時代の少女を描いていて、一人は紅葉模様の振袖、
一人は飾り紐の付いた菊の模様の振袖を着ています。
立て膝姿は浮世絵によく見られる形です。

上村松園 「詠哥」 1942年
りん007

菊の模様の着物に鳳凰丸の帯の女性が短冊を手にして、歌を考えているところです。
葵づとつぶ髷という公家の女性の髪形をしています。

上村松園 「牡丹雪」 1944年
松園001

雪の積もった傘を傾けて、二人の町娘が歩いています。
一人は、麻の葉模様の帯を締め、袂で傘の柄をくるむ様にして持ち、前かがみになって
褄を取り、雪道に難渋している風情で、もう一人は御高祖頭巾を被っています。

上村松園 「庭の雪」 1948年
松園002

お染髷に麻の葉模様の帯、背中に襟袈裟という布を掛けた娘が降る雪を眺めています。
手を袖で包み、少し寒そうにしています。

上村松園 「杜鵑を聴く」 1948年
男005

ふと片手を上げ、聞こえてくるホトトギスの声に耳を傾けているところです。
青海波模様の着物姿で、手にした傘が雨上がりの気配を表しています。


上村松園は美人画の名手ですが、作品は美人画の枠を超えた、清らかで凛とした
女性像を描き出しています。

2010年に東京国立近代美術館で「上村松園展」が開かれ、「草子洗小町」「砧」「序の舞」などの
代表作が展示されていました。

2010年の「上村松園展」の記事です。


明治23年(1890)に設けられた帝室技芸員には79名が任命されていますが、上村松園は
最後の任命である昭和19年(1944)に任命されています。
女性は松園を含めて2名だけで、もう一人は野口小蘋(のぐちしょうひん)です。

野口小蘋(1847-1917)は大坂の生まれで、四条派に入門し、後に南画も学んでいます。
皇室や宮家の御用達を多く手掛け、明治37年(1904)に帝室技芸員に任命されています。

野口小蘋 「箱根真景図」 六曲一双 右隻 1907年
松園003

竹田宮家旧蔵で、箱根権現付近から富士山を望む春の景色です。

他に女性南画家の橋本青江、奥原晴湖、川邊青蘭の作品も展示されています。


池田蕉園 「春流」 20世紀(大正-昭和時代) 
 実践女子学園香雪記念資料館

 松園005

池田蕉園(1886-1917)は東京出身の女流画家で、美人画に優れています。
上村松園にあこがれていたので、師の水野年方から松園に負けない画家に
なるようにと、蕉園の号をもらったそうです。
その上村松園と並ぶ人気を誇りましたが、結核のため31歳で亡くなっています。

九條武子 「紅葉狩」(部分)  20世紀(大正-昭和時代) 
 実践女子学園香雪記念資料館

 松園004

九條武子(1887-1928)は西本願寺第21代法主・大谷光尊の次女で、教育者、
社会運動家として知られています。
上村松園に絵を学び、和歌は佐々木信綱に師事しています。

 かさとちてみあくる山のもみち葉はいまのしくれやそめつくしけむ


人物画・風俗画として他に伊藤小坡、小倉遊亀、片岡球子らの作品も展示されています。

小倉遊亀 「舞う(舞妓)」 1971年
小倉003

小倉遊亀 「舞う(芸者)」 1972年
小倉004


第2展示室には帝室技芸員に任命された男性作家たちの作品7点が展示されています。

どれもこの季節にふさわしい画題です。

竹内栖鳳 「潮来小暑」 1930年
竹008

中国江南の楊州に似ているということで、竹内栖鳳はよく潮来を訪れています。
竹内栖鳳は上村松園の師です。

鏑木清方 「伽羅」 1936年
香002

沈香炉という、髪に香りを薫きしめるお用の枕でうたた寝をした女性が目を
覚ました姿です。
鏑木清方は、西の松園、東の清方と呼ばれた美人画の名手です。

川合玉堂 「朝晴」 1946年
玉009

大きな作品で、崖から伸びる松、尾根道、遠山の重なった雄大な景色です。


山種美術館のHPです。

次回の展覧会は特別展、「生誕130年記念 前田青邨と日本美術院
-大観・古径・御舟-」展です。
会期は6月27日(土)から8月23日(日)までです。

青邨001

関連記事

【2015/05/13 19:40】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
comment
 
コメントを書く
コメントは承認後に公開されます。ご了承ください。
please comment















管理者にだけ表示を許可する

trackback
trackback url ↓
http://nekoarena.blog31.fc2.com/tb.php/2629-626f39bb

プロフィール

chariot

Author:chariot
東京のビルの多い街で暮らしています。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

カテゴリー

ブログ内検索

月別アーカイブ

リンク

このブログをリンクに追加する

RSSフィード


| ホーム |