「江戸のダンディズム 刀から印籠まで」展 根津美術館
表参道
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表参道の根津美術館ではコレクション展、「江戸のダンディズム 刀から印籠まで」展が
開かれています。
会期は7月20日(月・祝)までです。

刀001


根津美術館の所蔵する刀剣、刀装具や印籠、約100件の展示により、
江戸の男性の美意識を紹介する展覧会です。


「脇指 銘 播磨大掾藤原重高/越前住」 江戸時代 17世紀
刀008

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江戸初期の脇差で、三鈷剣に巻き付く倶利伽羅龍が透かし彫りされています。
刀身に浮き彫りを施すことはよくありますが、透かし彫りというのは珍しい例です。
透かし彫りを入れれば刀身の強度は弱まることから、実用を離れていることが分かります。
藤原重高(生没年不詳)は江戸初期の刀工です。

「稲穂雁蒔絵大小拵」 江戸~明治時代 19世紀
刀001

小刀
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大刀
刀011

金蒔絵で大刀の鞘に稔った稲穂、小刀に飛ぶ雁を描き、刀装具には農耕図や
三保の松原を彫ってあります。
稲穂と農耕図は秋の豊穣を表しています。
雁と三保の松原は能の「羽衣」を想像させ、春を思わせます。
鐺(こじり)が特別太く、大きな金具も付いていて、実用ではなく観賞用の刀装であることを
表しています。

「波蒔絵脇差拵」 明治時代 19世紀
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鞘に蒔絵で波を描き、波頭に散る水玉は小さな貝で表しています。
優美で装飾的な、刀が実用としての役目を終えた時代らしい拵です。

「鏡勾玉蒔絵脇差拵」 吉田武親作(総金具) 江戸~明治時代 19世紀
チラシに載っている脇差で、梨地の鞘に金蒔絵の八稜鏡を描き、勾玉や管玉を添え、
刀装具には榊、注連縄、天狗の面などをあしらい、神道の世界を表しています。

以前、徳川家康の差料の拵というのを観たことがありますが、柄も鞘も黒づくめで、
何の装飾も無く、家康という人は武骨というか、無趣味といってよい人なのではないかと
思ったことがあります。

「牡丹蝶図鐔」 加納夏雄作 明治時代 19世紀
刀004

幕末から明治にかけての彫金の名人、加納夏雄(1828-1898)の作です。
鉄地に牡丹を浮き彫りし、花芯には金象嵌を施してあります。

「端午蒔絵印籠」 柴田是真作 明治時代 19世紀
刀005

こちらは幕末から明治にかけての漆工の名人、柴田是真(1807-1891)の作です。
端午の節句の幟を掲げた田舎家の窓から母子が顔を出し、お歯黒売りに声を掛けている
ところを描いています。
季節感のある、鄙びた、のどかな情景です。


展示室2のテーマは「唐詩の書」です。
平安から大正時代にかけての唐詩の書を展示しています。

「飲中八仙歌」(部分) 池大雅書 江戸時代 18世紀
刀006

8曲1隻の屏風で、杜甫が当時の酒豪8人を詠んだ詩を書いています。
画像は李白の部分の途中からです。

  天子呼来不上船
  自称臣是酒中仙


展示室5には根津本北野天神縁起絵巻が展示されています。

「北野天神縁起絵巻 巻第6(部分)」 室町時代 15世紀 重要美術品
刀007

北野天神の効験を説いた巻で、継母にいじめられていた姉妹が北野天神に詣でたところ、
国司の播磨守有忠と出会い、姉はその妻となり、妹は宮仕えが叶ったというお話しです。
国司の館での豊かな暮らしの場面です。
根津本は1278年成立の弘安本の転写本ですが、損傷の多い弘安本の元の姿を復元するのに
重要な資料とのことです。

他の巻では、北野天神の祭神となる菅原道真の左遷を命じた醍醐天皇が地獄の業火に
苦しめられる場面もあって、中世には帝と言えど厳しい描かれ方をするものだと思いました。

内裏造営の場面では、「伴大納言絵詞」の子どもの喧嘩の場面が借用されています。
絵師たちは過去の絵巻なども種本に使っていたのでしょう。

展示室6のテーマは「季夏の茶の湯」です。
季夏は陰暦六月のことで、水にちなんだ茶道具の展示です。

鼠志野茶碗 銘 山の端 桃山時代 16~17世紀 重要文化財
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  五月雨ははれんとやする山端にかかれる雲のうすくなりゆく

花園天皇(1297-1348)の歌にちなんだ銘です。

茶室の掛軸は酒井抱一で、七夕飾りが描かれています。

  かささぎのさして呼な理星の竹

展覧会のHPです。


次回の展覧会はコレクション展、「絵の音を聴く-雨と風、鳥のさえずり、人の声」です。
会期は7月30日(木)から9月6日(日)です。

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【2015/06/02 19:31】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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