「蔡國強展:帰去来」 横浜美術館
みなとみらい
chariot

横浜美術館では、「蔡國強展:帰去来」が開かれています。
会期は10月18日(日)までです。

蔡001


蔡國強さん(1957~)は中国福建省泉州市の出身で、現在はニューヨーク在住、
火薬を使って制作した作品やパフォーマンスで有名です。
2008年の北京オリンピックの開会式・閉会式での花火のパフォーマンスも手掛けています。
1886年から1995年までは日本に滞在しています。

展覧会では、火薬を使って会場の横浜美術館入口のグランドギャラリーで制作した
作品が展示され、各国で行われた火薬のパフォーマンスのビデオが上映されています。

展覧会のタイトルの「帰去来(帰りなんいざ)」は中国の文学者、陶淵明(365-427)の
「帰去来の辞」に拠っていて、作家としてのキャリアを形成した日本への帰還を
意味しているそうです。

「夜桜」 火薬、和紙 2015年
蔡IMG_0147

縦8m、横24mの巨大な作品で、大きな土佐和紙に火薬を撒き、爆発させて
仕上げています。
横浜美術館のグランドギャラリーで大勢のスタッフと一緒に制作する様子が
ビデオで放映されています。
爆発の瞬間、火の粉が散り、煙が舞い上がり、制作の様子自体が一種の
インスタレーションに見えます。

「春夏秋冬」 火薬、磁器タイル 2014年
牡丹
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蔡002

白磁で知られる福建省徳化窯の職人により制作された白磁のタイル240枚を使って、
牡丹、蓮、菊、梅の4面を作り、それに火薬を撒いて爆発させた作品です。
白描の絵に墨を吹き散らしたような趣きがあります。

蔡さんはインタヴューで、自分の作品と自然のかかわりを語っています。
火薬の使用は陶磁器の窯での焼成に似て、作家の思い通りにはならない、
自然に任せる部分があります。

「壁撞き」 狼のレプリカ(99体)、ガラス 2006年 ドイツ銀行蔵
蔡004

99頭の狼が波のうねりのように連なって跳び上がり、見えない壁に当たって崩れ、
再び波に戻ります。
99という数字は道教における、永遠の循環を表す数字とのことです。

ドイツ銀行によるコミッション・ワークということなので、この壁はベルリンの壁の崩壊後も残る、
旧西ドイツと東ドイツの間の経済的格差や差別を表しているのでしょうか。
狼はドイツという国になじみ深い動物です。

この作品を現在の中国に当てはめると、繁栄を享受する都市の壁に阻まれる、都市の戸籍を
持たない農民という解釈も出来ます。


展示数は少ないですが、どれも大きな作品で、迫力にあふれ、とても見応えのある展覧会です。

展覧会のHPです。

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【2015/07/15 19:55】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(2) |
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  • こんばんは。
  • 日本に縁のあるアーティストの活躍は嬉しいことです。
    花火のパーフォーマンスも一度、現場で観たいものです。

    【2015/07/19 19:35】 url[chariot #/8nqih4Y] [ 編集]
  • インパクトあるアート
  • 火薬のアートは初めてで、初日にさっそく見に行き、強いインパクトを受けました。世界各地での活躍がたくましいですね。流ちょうな日本語の説明も日本開催ならではでした。

    【2015/07/19 08:46】 url[あかーる #X037UcDo] [ 編集]
    please comment















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