「交流するやきもの 九谷焼の系譜と展開展」 東京駅 東京ステーションギャラリー
東京
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東京駅の東京ステーションギャラリーでは北陸新幹線開業記念、「交流するやきもの 
九谷焼の系譜と展開展」が開かれています。
会期は9月6日(日)まで、入館料は一般900円です。

九谷001


今年は石川県の九谷に窯が開かれて360年目ということで、九谷焼の歴史と展開を
たどる展覧会で、古九谷から現代に至る、約120点の九谷焼が展示されています。

九谷焼は加賀前田藩の支藩、大聖寺前田藩による明暦元年(1655)の開窯とされ、
古九谷と呼ばれています。
この古九谷は実際は肥前の有田で焼かれたのではないかとも言われています。
最近の九谷の窯跡の発掘では古九谷と思われる陶片が出土しています。
九谷の領主、大聖寺前田家は肥前鍋島家と姻戚関係にあったことから、九谷と有田の
間に交流があったのではないかと考えられるということです。


古九谷は約50年で窯を閉じますが、加賀藩12代前田斉広は文化4年(1807)に
京都から青木木米を招き、木米は金沢の卯辰山に春日山窯を開きます。
翌年、二の丸の焼失による財政負担のため、窯は藩営から民営に変わり、
待遇の悪くなった木米は京都に帰りますが、共に来ていた本多貞吉は残り、
能美地域で良質の陶石を発見し、若杉陶器所を開きます。
最盛期には50人以上の陶工を擁していましたが、小野窯など他の窯との競合もあって、
明治8年(1875)に廃業します。
これらは再興九谷と呼ばれています。

再興九谷のうち、吉田屋窯は古九谷の復興を目指した窯で、大聖寺の豪商、
吉田屋伝衛門の熱意で築かれています。

「百合図平鉢」 吉田屋窯 江戸後期 石川県九谷焼美術館 
九谷002

吉田屋窯は古九谷のうち、青手九谷に倣って、赤は使わず、黄・緑・紫・群青により、
器全体を塗りつぶしています。
この、ぼってりとした重みのある感じが古九谷の特徴です。

「透彫葡萄棚香炉」 粟生屋源右衛門 江戸後期 個人蔵 
九谷004

九谷007

竹籠を模していて、吉祥の題材である葡萄や栗鼠、蜻蛉などをあしらっています。
粟生屋源右衛門(あおやげんえもん)は本多貞吉に学び、木工品のような陶器を
制作しています。
出し入れの出来る引出しの付いた小箪笥などもあります。


幕末の開国により、九谷焼も西洋への輸出品の製作を始めます。
特に細密に描かれた赤い絵柄に金を加えた金襴手が喜ばれています。

「色絵金彩武者図双竜耳付瓶」 岩波玉山 明治期(江戸後期) 能美市九谷焼資料館
九谷003

赤い鎧の武者が金棒を振り上げ、勇ましく戦っていて、胴には龍が貼り付いています。
このように賑やかで東洋趣味を感じる作品は西洋で喜ばれたことでしょう。
今も金沢の陶器店では、古九谷風の陶器と並んで、華やかな金襴手の壷などが
ウインドウを飾っています。

九谷焼は現代にも受け継がれ、さまざまな作品を生んでいます。

『耀彩壺「恒河」』 三代徳田八十吉 平成15年 小松市立博物館
九谷005

三代徳田八十吉(1933-2009)は、鮮やかな色彩の際立つ、大きな器を制作しています。
ガラス器のような透明な発色で、グラデーション 深みのある群青は
高温で焼くほどガラス質の釉薬は発色が良くなるので、三代徳田八十吉は高温での
焼成を試みた結果、2度も薪窯を壊してしまい、限界を感じて電気窯に転じています。

各時期ごとに解説の表示も色分けされていて、九谷焼の歴史がよく分かる、
興味深い展覧会です。
 
展覧会のHPです。


次回の展覧会は、『「月映(つくはえ)」 田中恭吉・藤森静雄・恩地孝四郎』展です。
会期は9月19日(土)から11月3日(火・祝)までです。

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【2015/08/12 20:15】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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