FC2ブログ
ニューオータニ美術館 新春展 2
赤坂見附・永田町
chariot

前回書いた、ニューオータニ美術館の「新春展 1」の続きです。

西洋画はフランスの絵画を集めています。

ジャン=フランソワ・ミレー

「田園に沈む夕陽」 1865~69年
広々とした野原と、夕陽の空を描いたパステル画です。
淡い色彩の夕陽が空と大地を柔らかく包んでいます。
遠くに、羊飼いと羊の群れらしい点の連なりが描かれていて、ミレーの絵だから
これは羊飼いたちだろうと想像する面白さがあります。
空には鳥の群れが同じく点で描かれています。
近景に人物がいない分、ミレーの特徴の物語性が薄れ、純粋に風景として
味わうことが出来ます。

モーリス・ド・ヴラマンク

「花束」1905年
野獣派と言われた時代の作品で、赤や黄の絵具を一筆塗りつけたままの四角い形の
花が並び、揺れる花の残像を見るようです。
思うままに画面を色で埋めてしまえ、という気迫があります。

「雪景色」1937年
暗い藍色の空、葉の落ちた枝をくねらした木々、白い雲と雪が、チューブから
そのまま出したような絵具で荒々しく描かれています。
狼でも現れそうな寒々とした光景ですが、勢いのある筆遣いには、かえって
快さを感じます。

「トンネル」1950年頃
建物やトンネルが速い筆遣いで描かれています。
佐伯祐三に似たところがありますが、これは以前書いたように佐伯祐三がヴラマンクの
影響を受けている訳です。

アンドレ・コタボ

「赤いバラのブーケ」 1980年
展示室に入ると、正面から真っ赤なバラのかたまりが目に飛び込んできます。
大きな画面いっぱいに、極端な厚塗りの赤いバラがあふれるように咲いています。
青い花瓶は不釣合に小さく、バラの勢いを強調しています。

これは美術館手前にあるレストラン入り口に飾ってあるバラで、コタボの絵と
同じ活け方です。

に5

美術館の人はこの絵を先ず目に付く場所に展示したり、展覧会に合わせて
バラを飾ったりの工夫をしているのでしょう。

ポール・ギヤマン

「チューリップ」 1982年頃
赤・黄・白のチューリップが、青い葉の周りを丸く囲むようにして、咲いたり、
しおれて曲がったり、花瓶の外に落ちたりしています。
色彩も淡く、しおれた花や散らばった花があることで、叙情性を感じる作品に
なっています。

ベルナール・ビュフェ

「黄色と緑色の花瓶の花束」1998年
ビュフェの絵はどれも、黒くて太い直線が、冷たく、近寄りがたい雰囲気を
作っています。
この絵は黄色中心の暖色でまとめているので、まだ柔らかさがありますが、
活けられた葉の黒く強い縦線は緊張感を生んでいます。

「二羽の鳥(つる)」1982年
ニューオータニの依頼による作品とのことで、大画面に鶴が二羽、力強く
描かれています。
日本画の技法に従って、一羽は首を高く上げ、一羽は下げているのが面白いです。

モイズ・キスリング

「ハンモックの婦人」1918年
森の中のハンモックで若い女性が眠っています。
木々の緑の葉は具象的では無く、女性の青と赤の服もメルヘン調で、茶色の
ハンモックを吊る紐は何の重みも感じさせず、ただ真横に伸びているだけです。
この非現実的な幻想性が魅力です。
画面左上に、わずかに遠景の湖と、山と、空まで描き入れて絵に広がりを出して
あるのを観ると、キスリングという人は結構サービス精神のある人だなと思います。

シュザンヌ・ヴァラドン

「座る裸婦」1921年
女流画家で、ユトリロの母でもあります。
裸婦の量感ある肉体を正面からしっかり描いています。

キース・ヴァン・ドンゲン

「腰かける婦人」1925~30年
極端に首も手足も長い女性が薄いドレスを着て、顔をやや傾けています。
都会のセンスと退廃的な気分が混じりあった、妖しい魅力のある絵です。
隣に並んでいるヴァラドンの絵と時期も近く、同じパリで描いているのに、
画風が対照的なのは面白いところです。

アンドレ・ドラン

「座る少女」1937~38年
初期のフォーヴィズム時代と違って、穏やかな画風です。
椅子に座る若い女性を描いていますが、女性の左側から光を当て、
肌を描く筆遣いも目を中心に同心円にして、こちらを見ている女性の
左目に注意が向くように仕向けています。
達者な技のある画家だと思います。

藤田嗣治

「仰臥裸婦」1924年
藤田嗣治独特の乳白色の肌の裸婦像です。
他のパリの画家たちの作品の間にあるのを観ると、その東洋的な味わいは
際立っていて、当時から注目を浴びたことだろうと思います。


大谷コレクションは、ホテルという性格から、親しみやすい作品が多く、
十分楽しむことができます。

関連記事

【2009/01/18 21:23】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
comment
 
コメントを書く
コメントは承認後に公開されます。ご了承ください。
please comment















管理者にだけ表示を許可する

trackback
trackback url ↓
http://nekoarena.blog31.fc2.com/tb.php/274-683c9186

プロフィール

chariot

Author:chariot
美術館・博物館めぐりとカフェの記事を書いています。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

カテゴリー

ブログ内検索

月別アーカイブ

リンク

このブログをリンクに追加する

RSSフィード


| ホーム |