「エリック・サティとその時代」展 Bunkamuraザ・ミュージアム
渋谷
chariot

渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムでは「エリック・サティとその時代」展が
開かれています。
会期は8月30日(日)までで、会期中は無休です。

サティ001


フランスの作曲家、エリック・サティ(1866-1925)について、交流のあった芸術家の
作品などを通じて紹介する展覧会です。

エリック・サティはパリ音楽院に入学しますが、自分には合わず、中退して
モンマルトルにやってきて住み付きます。
キャバレーの「シャ・ノワール」に初めて来たのは1887年で、そこで上演されていた
影絵芝居の伴奏者になったりしています。
代表作の「3つのジムノペディ」を作曲したのは1888年のことです。

ジュール・グリュン 『「外国人のためのモンマルトル案内」のポスター』
 1900年 紙、リトグラフ モンマルトル美術館

サティ001

1900年のパリ万博を観に来た外国人にモンマルトルを案内するガイドブックです。
ゴッホも描いた丘の風車や、キャバレー「ムーラン・ルージュ」も描かれています。

1893年にはシュザンヌ・ヴァラドンと交際しますが、半年では破局に至っています。
サティの生涯で唯一の恋愛だったので、その痛手は大きかったそうです。

エリック・サティ 「シュザンヌ・ヴァラドン」 1893年 五線譜、インク 
 パリ国立近代美術館、ポンピドゥー・センター

サティ006

意志の強そうな顔が五線譜に簡潔に描かれています。
ロートレックやサティと関係を持つところなど、シュザンヌ・ヴァラドンもなかなかの人物です。

サティの音楽は革新的で、一般にはあまり知られていませんでしたが、1911年に
モーリス・ラヴェルがサティの音楽を紹介し、若い作曲家たちに大きな影響を与えます。

また、ファッション雑誌、「ガゼット・デュ・ボン・トン」の編集者、リュシアン・ヴォージェルは
楽譜集、「スポーツと気晴らし」の作曲を依頼します。
20のテーマによる短い独奏ピアノ曲集で、シャルル・マルタンの挿絵と組になっています。

エリック・サティ(作曲)、シャルル・マルタン(挿絵) 「スポーツと気晴らし」より
 「カーニヴァル」 1914-23年 紙、ポショワール フランス現代出版史資料館
 
サティ004


アール・デコ調の洒落た絵柄で、ゴルフや海水浴など、いろいろな場面のある、
素敵な楽譜集です。

「ガゼット・デュ・ボン・トン」は高級なモード誌として評判でしたが、後に「ヴォーグ」に
吸収されています。

映像コーナーでは「スポーツと気晴らし」の各ページのサティの手書きによる楽譜と、
サティが書き添えた短い文章の訳が写され、ピアノ演奏も流れています。
タコのページでは、カニを呑み込んでしまったタコがグラス1杯の海水を飲んで
気分を変えた、とあります。
なんともエスプリの効いた文章を書く人です。

ジャン・コクトーは人気のバレー団、「バレエ・リュス」のための台本、「パラード」を書き、
音楽をサティ、舞台美術をパブロ・ピカソに依頼し、1917年に上演しています。

ジャン・コクトー 『「パラード」のアクロバットの衣装』 
 1917年 紙、墨 フランス国立図書館

サティ003


タイプライターの音や街の騒音なども取り入れた斬新な音楽で、上演と同時に
賛否両論が湧き起ったそうです。

タイプライターの音を曲の一部にした音楽というと、ルロイ・アンダーソンが
1950年に作曲した、「タイプライター」を思い出します。

サティは1925年に亡くなりますが、没後も多くの支持者を得ています。

サティの生前には実現しませんでしたが、アンドレ・ドランはサティの没後に
発見された楽譜、「ジュヌヴィエーヴ・ド・ブラバン」の舞台美術を考案しています。

アンドレ・ドラン 「サティの作品のための衣装のデザイン画」 
 1922/1926年 紙、グワッシュ ジャック・ドゥーセ文学図書館

サティ005


マン・レイは1921年にサティと出会い、親しく交際し、サティの没後にも
多くのオマージュの作品をつくっています。

マン・レイ 「エリック・サティの梨」 
 1968年 紙、リトグラフ フランス現代出版資料館

サティ002

サティの「梨の形をした3つの小品」(1903年)にちなんだ作品です。
サティは作品によく変わった題名を付けています。

展示室には「3つのジムノペディ」や「薔薇十字会のファンファーレ」の曲が流れ、
「パラード」の再現公演(2007年)の映像も流れていて、サティの世界に浸りながら
鑑賞できます。

サティの曲は音楽の上質な上澄みだけを掬い取ったように繊細で澄みきっています。
私も、YOUTUBEで回転木馬に乗っているような「ジュ・トゥ・ブ」を聴きながら
この記事を書きました。

展覧会のHPです。


次回の展覧会は、「ウィーン美術史美術館所蔵 風景画の誕生」展です。
会期は9月9日(水)から12月7日(月)までです。

ウィーン001

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【2015/08/18 19:59】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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