「蔵王権現と修験の秘宝展」 三井記念美術館
三越前
chariot

日本橋の三井記念美術館では特別展、「蔵王権現と修験の秘宝展」が開かれています。
会期は11月3日(火)までです。

蔵王001


修験道の本山である、奈良県吉野の金峯山寺(きんぷせんじ)などに伝わる仏教美術や、
鳥取県の三徳山三佛寺(みとくさんさんぶつじ)に伝わる蔵王権現像などが展示されています。

金峯山寺は修験道の祖、役小角(えんのおづの:634?-701?)の開基とされ、
蔵王権現を本尊としています。

「金銅 藤原道長経筒」 平安時代・寛弘4年(1007) 金峰神社 国宝
蔵王003

10月4日までの展示です。
平安後期から近世にかけて、経巻を埋納して経塚を造営することが各地で行われています。
この経筒は高さ40㎝ほどの大きさで、鍍金がなされ、胴に511文字の願文が彫られています。
中に法華経8巻など、道長自身の書写した経巻15巻が納められていました。
金峯山への埋納のことは、道長の「御堂関白記」にも、寛弘4年8月11日に蔵王堂に参詣して
山上に埋納し、その上に金銅の灯篭を建てたと記述されています。

道長書写の、紺地金字の経巻も展示されていて、ていねいな字で経文が書かれています。
長い間地中に埋まっていたので、水分が浸み込み、経巻の下の部分が溶けて欠失しています。
道長の御堂関白記は誤字も多いそうですが、経典の書写はさすがに真剣だったことでしょう。

「蔵王権現鏡像」 平安時代・長保3年(1001)  總持寺 東京国立博物館に寄託 国宝
蔵王004

蔵王権現は修験道の本尊で、日本独自の仏であり、憤怒の相を現し、
右手と右足を高く上げ、右手に三鈷杵を持っています。
鏡像とは神道の御神体の鏡に、その神の本地である仏の像が現れた姿です。
東京国立博物館の平常展示でなじみの深い像で、元は金峯山上に伝えられ、
下の部分が欠けています。
銘文に「内匠寮」とあり、朝廷の工房で制作された品と思われ、金峯山に伝わ
る蔵王権現像の中では、制作年代の分かる最も古い像です。
この時代にはすでに、右手と右足を高く上げ、右手に三鈷杵を持つ蔵王権現の
像容が出来上がっていたことを示しています。


鳥取県の三徳山三佛寺も役小角が開いたとされ、切り立った崖の中腹に
嵌め込むように建てられた、投入堂と呼ばれる奥院で知られる寺院です。

投入堂は平安の美意識の粋を集めた、優美この上無い建築です。

蔵王006


「十一面観音立像」 平安時代 三佛寺 重要文化財
蔵王002

観音堂の本尊だった像です。
体幹は一木造り、厚味のある体躯で足は長く、柔和なお顔をしています。

「蔵王権現像」 平安時代 三佛寺 重要文化財
蔵王005

投入堂に祀られていた平安時代の7体の蔵王権現像のうちの1体です。
両足で立っている像で、冠の部分には三鈷杵と髑髏を合わせた飾りが彫られています。
投入堂の蔵王権現像は6体が展示されていますが、地方性の感じられる素朴な造りの
像が多いようです。

展覧会のHPです。


次回の展覧会は三井文庫開設50周年、三井記念美術館開館10周年記念特別展II、
「三井家伝世の至宝」です。
会期は11月14日(土)から2016年1月23日(土)までです。

関連記事

【2015/09/16 19:46】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
comment
 
コメントを書く
コメントは承認後に公開されます。ご了承ください。
please comment















管理者にだけ表示を許可する

trackback
trackback url ↓
http://nekoarena.blog31.fc2.com/tb.php/2764-e74779ab

プロフィール

chariot

Author:chariot
東京のビルの多い街で暮らしています。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

カテゴリー

ブログ内検索

月別アーカイブ

リンク

このブログをリンクに追加する

RSSフィード


| ホーム |