「琳派400年記念 琳派と秋の彩り」展 山種美術館
恵比寿
chariot

広尾の山種美術館では特別展、「琳派400年記念 琳派と秋の彩り」展が開かれています。
会期は10月25日(日)までです。

琳派001


宗達・乾山・抱一・其一など琳派の作品や琳派を取り入れた近代日本画、
それに秋を題材にした作品の展示です。

俵屋宗達(絵) 本阿弥光悦(書) 「新古今集鹿下絵和歌巻断簡」  
 17世紀前半 山種美術館
金銀009

宗達と光悦の合作で、画面上に金泥、下に銀泥を塗り、金泥を使った優美な筆遣いで、
振り返る鹿の姿を描いています。
新古今集の和歌28首を集めた巻物の巻頭部分で、歌は西行の作です。

  こころなき身にも哀はしられけり鴫たつ澤の秋の夕暮

三井財閥の益田鈍翁の所蔵していたものが、戦後になって切り離され、
現在のような断簡になっています。

伝俵屋宗達 「槙楓図」 17世紀前半 山種美術館
江戸7-19-2010_004

右側に大きく曲がった幹と直立した幹の槙を置き、槙と楓の葉が左上に力強く
伸びていく、躍動感のある画面です。
下に女郎花と桔梗も見えます。
槙の葉は大きく描かれ、全体に重い印象があります。

尾形乾山 「定家詠十二ヶ月花鳥図(二月)」 18世紀 個人蔵
琳派003

小品で、藤原定家の十二ヶ月花鳥和歌を題材にしています。
乾山没年の作で、元は画帖でしたが、現在は掛軸になっています。

 かざしおる道行人のたもとまでさくらに匂ふきさらぎのそら

 狩人のかすみにたどる春の日を妻とふ雉の声にたつらん

酒井抱一 「秋草鶉図」 19世紀前半 山種美術館 重要美術品
江戸7-19-2010_003

薄、女郎花、露草、楓の茂る中にウズラが群れています。
薄の葉は細くリズミカルに描かれ、繊細で、デザイン感覚に満ちています。
銀の月も低く置かれ、落着いた風情と品の良い華やかさがあります。
月の黒いのは銀が酸化したのではなく、銀の上に黒を塗ってあるそうです。
ウズラは土佐派の好んだ画題で、この作品も土佐派に倣った画風です。
金箔地に描かれているので、照明の具合によってかなり作品の雰囲気が変わり、
今回は暗めの照明なので、静かな趣きがあります。

酒井抱一 「菊小禽図(部分)」 1823-28年頃 山種美術館
琳派002

小鳥の重さで菊の枝が大きくしなり、小鳥が今にも飛び立ちそうで、飛び立った後の
赤い菊花の揺れまで予感させ、抱一の感覚の繊細さを見せています。

鈴木其一 「牡丹図」 1851年 山種美術館
冨士002

白、薄紅、赤と色を変え、蕾から盛り、しおれ始めまでを
一つの絵の中に収めています。
この作品は中国画風の細密な写実で、琳派とは少し雰囲気が異なっています。

加山又造 「華扇屏風」 1966年 山種美術館
金銀010

左隻
金銀011

右隻
金銀012

季節の花を描いた扇面を貼り並べた扇面散らし屏風です。
継ぎ紙、色の異なる銀箔、野毛、銀泥などを駆使した、琳派風の
とても工芸的な作品です。

加山又造 「満月光」 1973年 山種美術館
山種004

満月に照らされた浅間山で、噴煙は薄赤く染まり、人を畏怖させる神秘的な山容です。
近景には萩、薄、薊、竜胆、女郎花の秋草がやさしく装飾的に描かれ、雄大な山塊と
対照をなしています。
銀をふんだんに使って月の光を表しています。

川合玉堂 「渓雨紅樹」 1946年 山種美術館
原風景006

谷あいの村は秋雨に煙り、紅葉した木々の葉は濡れてうなだれています。
白抜きで表された道を傘を差した人が二人歩いています。
川合玉堂はよく風景の中に何人かの人を描いて、人のつながりを表しています。

川合玉堂は写生の折に見かけた水車小屋の風景をこよなく愛し、自宅の庭に
水車を作ってその音を楽しんだということです。

福田平八郎 「彩秋」 1943年 山種美術館
福田005

柿の葉を色面分割してさまざまに彩色した、モダンな作品です。
葉の金線が華やぎを添えています。

山口蓬春 「新宮殿杉戸楓4分の1下絵」 1967年 山種美術館
東山001

橋本明治の桜と対になって新宮殿の杉戸に描かれた作品の下絵で、
福島県の国立公園内の楓を題材にしています。

奥田元宋 「奥入瀬(秋)」(部分) 1983年 山種美術館
高山002

縦約2m、横約5mの大作で、奥入瀬渓流の紅葉を描いています。
年を取ると大きな作品を描けなくなるので、80歳までは日展とは別に
年に1作描くことにしたそうで、これは71歳のときの作品です。
奥田元宋は赤色をあふれるように使ったことで有名で、「元宋の赤」と
呼ばれています。
その赤は深く、荘厳さがあります。

東山魁夷 「秋彩」 1986年 山種美術館
東山005

小倉山の秋の夕方の情景です。
川端康成に、京都の風景の残っている今のうちに描くように
奨められ、何点か描いています。

安田靫彦 「うさぎ」 1938年頃 山種美術館
琳派005

ふっくらした白兎が脚を伸ばしてリラックスしているところです。
赤い目と紫の竜胆が対になっています。

小林古径 「狗」 1949年 個人蔵
琳派004

撫子の花を添えて、琳派の技法のたらし込みを使って、子犬の可愛らしさを
描き出しています。

山種美術館のHPです。

次回の展覧会は特別展、「村上華岳―京都画壇の画家たち」展です。
会期は10月31日(土)から12月23日(水・祝)までです。

村上001

関連記事

【2015/10/03 19:43】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
comment
 
コメントを書く
コメントは承認後に公開されます。ご了承ください。
please comment















管理者にだけ表示を許可する

trackback
trackback url ↓
http://nekoarena.blog31.fc2.com/tb.php/2778-5a87ac05

プロフィール

chariot

Author:chariot
東京のビルの多い街で暮らしています。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

カテゴリー

ブログ内検索

月別アーカイブ

リンク

このブログをリンクに追加する

RSSフィード


| ホーム |