「根津青山の至宝 初代根津嘉一郎コレクションの軌跡」展 根津美術館
表参道
chariot

表参道の根津美術館では創立75周年記念特別展、「根津青山の至宝 
初代根津嘉一郎コレクションの軌跡」展が開かれています。
会期は11月3日(火・祝)までです。

根津001


初代根津嘉一郎(号青山・1860〜1940)が蒐集したコレクションのうち、
書画と茶道具を中心に展示する展覧会です。


「那智瀧図」 鎌倉時代 13〜14世紀 国宝
根002

飛瀧神社のご神体の飛瀧権現(ひろうごんげん)としての那智の瀧です。
高々とした崖からまっすぐ流れ落ちる瀧を真白に描いています。
自然崇拝が形となった図で、仏画の来迎図ような荘厳さがあります。


「天狗草紙絵巻」 鎌倉時代 永仁4年(1296)頃 重要文化財
根007

天狗草紙絵巻は奈良・京都の大寺院の僧侶の驕慢を天狗にたとえて風刺・非難
したものとのことです。
展示されている部分は世の無常を悟った天狗たちが集まって、それぞれの
宗派の方法で修行に励むことを誓っている場面です。
天台、華厳、法相、三論、念仏などの名前が見えます。

「布袋蔣摩訶問答図」 因陀羅筆・楚石梵琦賛 元時代 14世紀 国宝
根津004

布袋と、釈迦の前世の姿である蔣摩訶(商莫迦)が問答しているところです。
因陀羅はインドの僧とも言われていますが、伝記は不明です。

「鶉図」 伝 李安忠 南宋時代 12~13世紀 根津美術館 国宝
井007

ウズラの歩くところが細密に描かれています。
右脚を上げている瞬間が捉えられていて、眼は鋭く、張りのある姿です。
赤い実を付けているのはクコの木ということで、木の葉の虫食いまで
描かれています。
ウズラの右上に6代将軍足利義教の所蔵を示す印が捺されています。

「花白河蒔絵硯箱」 室町時代 15世紀 重要文化財
根津003

満開の桜の下に公達を描き、幹などに花・白・河の文字を葦手書き(隠し文字)で
表しています。
新古今和歌集の飛鳥井雅経の歌に拠っています。

なれなれてみしはなこりの春そとも なとしら河の花の下かけ

8代将軍足利義政の所持とされ、明治39年(1906)の売立てで初代嘉一郎が
16,500円で購入し、収集家としての名を高めています。

「蓮燕図」 伝 牧谿筆 元時代 13世紀 三井記念美術館
根津007

秋の頃でしょうか、燕が枯れた蓮に止まっています。
吹く風に寂しさを感じます。
松平不昧公の旧蔵で、初代嘉一郎が昭和2年(1927)に購入し、昭和7年に
売却しています。
その後、新町三井家が購入し、現在は三井記念美術館所蔵となっています。

「青磁袴腰香炉」 龍泉窯 中国・南宋時代 13世紀 重要美術品
燕子花001

3本足の香炉で、胴の部分が袴を着けているような形なので、この名があります。
浙江省の龍泉窯は青磁の産地として有名です。

「青井戸茶碗 銘 柴田」 朝鮮時代 16世紀 根津美術館 重要文化財
井004

青井戸茶碗は釉が青色がかったものを云いますが、実際には青色に限らず、
色に変化があります。
織田信長から柴田勝家が拝領したとされることから、この名があります。
胴が真直ぐにすぼまり、強くろくろ目の出ている、くっきりした姿で、
上の方がやや青みがかっていて、全体に明るい印象の茶碗です。

「祥瑞水玉文茶碗」 明時代 17世紀
中006

祥瑞(しょんずい)とは日本の茶人の注文により景徳鎮で焼かれた
染付磁器のことです。
小振りの茶碗で、鮮やかな青色の中に浮かんだ白い水玉が際立っています。

「瀬戸正木手茶入」 銘正木 江戸時代 17世紀
平009

2色の釉薬でくっきりと色分けされ、正木の紅葉になぞらえて、
この銘が付けられています。

「色絵白雁香合」 施釉陶器 オランダ 17世紀 石川県立美術館
根津009

デルフト焼で、何かの容器だったのを香合にしたものでしょうか。
可愛い形をしていて、現在は石川県立美術館の所蔵です。


展示室5のテーマは「古経同好会」です。
初代嘉一郎は益田鈍翁に求められ、入手した古写経のコレクションを
自邸で同好の茶人たちに披露しています。
こうした披露会の開催が美術館の構想につながったと考えらています。

「根本百一羯磨巻第六」 奈良時代 8世紀 国宝
根津008

教団の議事運営や宗教行事に関する作法、すなわち羯磨(こんま)を101件
集めたもので、全10巻あり、巻第五は白鶴美術館、その他8巻は
正倉院聖語蔵が所蔵しています


展示室6のテーマは「永久訣別の茶会」です。
初代嘉一郎の亡くなる前年、最後となる茶会で使われた道具類の展示です。

「竹雀図」 伝 牧谿筆 元時代 13世紀 重要文化財
根津002

足利将軍家の旧蔵で、雨に濡れたような風情から、「ぬれ雀」と呼ばれています。
初代嘉一郎は大正7年(1918)に友を招いて、この軸を披露する会を開いています。

「石山寺蒔絵源氏簞笥」 江戸時代 17世紀 重要美術品
根津006

上面には紫式部が源氏物語の想を練ったという石山寺、側面には瀬田川の景色が
描かれています。
婚礼調度で、葵の紋が入っていて、徳川美術館所蔵の国宝、初音調度と制作時期が
同じと考えられています。


展覧会のHPです。


次回の展覧会はコレクション展、「物語をえがく―王朝文学からお伽草子まで―」です。
会期は11月14日(土)から12月23日(水・祝)までです。

物語001


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【2015/10/05 19:50】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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