「ウィーン美術史美術館所蔵 風景画の誕生」展 Bunkamuraザ・ミュージアム
渋谷
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渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムでは「ウィーン美術史美術館所蔵 風景画の誕生」展が
開かれています。
会期は12月7日(月)までで、10月5日(月)のみ休館です。

ウィーン001


ウィーン美術史美術館の所蔵する、風景を描いた作品、約70点を展示する展覧会です。

「風景画」は17世紀のオランダを中心に誕生したとされていますが、
それ以前の宗教画などにも背景として風景が描かれています。

南ネーデルラントの画家 「東方三博士の礼拝」1520年頃 油彩・板
風景002

手前では豪華な衣装を身に着けた東方の三博士が聖母子を訪れています。
背景に描かれているのはアントワープの港で、カタツムリのような形をした
クレーンも見えます。
画面の右上には、華やかな出来事に背を向けて街の景色を眺めている
小さな人物が2人、描かれています。

(部分)
風景003

ヤン・ファン・エイクが1435年頃に描いた「宰相ロランの聖母」でも、こちらに背を向けて
窓の向こうの景色を眺める人物が2人、小さく描かれています。

ヨアヒム・パティニール 「聖カタリナの車輪の奇跡」 1515年以前 油彩・板
風景001

(部分)
風景005

車裂きの刑に遭いかけた聖カタリナが天使によって救われる場面ですが、
画面のほとんどは風景で、遠近感を出すため、遠景には後退色の青が使われています。、
ヨアヒム・パティニール(1480頃 - 1524)はフランドルの画家で、風景画を得意としています。
デューラーとも親しく、デューラーはパティニールを「素晴らしい風景画家」と呼んでいます。
これは、ドイツ語で「風景画」という言葉が使われた最初の例とのことです。

ルーカス・ファン・ファルケンボルフ 「夏の風景(7月または8月)」 
 1585年 油彩・キャンヴァス

チラシに載っている作品です。
手前には麦の刈り入れをしたり、昼食を摂る農民たちが描かれています。
犬を連れた地主らしい男、俺の飯はどこだと叫んでいる男もいます。

(部分)
風景007

遠く広がる平野では川が蛇行し、ところどころに水車も見えます。
もう、完全に世俗の風景で、宗教的なテーマは描かれていません。

(部分)
風景008

同じファルケンボルフの「盗賊の奇襲が描かれた高炉のある山岳風景」も
展示されています。
手前では旅人が盗賊から必死に逃げていますが、河原での製鉄作業や平野の村など、
のどかな風景が広がっています。
まだ、人の世の出来事と一緒に描かれていて、独立した風景画とはなっていません。

レアンドロ・バッサーノ(通称) 「5月」(部分) 1580–85年頃 油彩・キャンヴァス
風景010

レアンドロ・バッサーノ(1517頃 - 1592)はイタリアの画家で、風俗画を得意としています。
12ヶ月を絵画化した月暦画で、ウィーン美術史美術館は9・10・12月以外を所蔵しており、
そのすべてが今回展示されています。
どれも大きな作品で、農民の1年の営みが牛や羊、犬、猫など動物たちとともに
活き活きと描かれ、遠くには山々も見えます。
この展覧会の中で一番印象に残る作品群です。
「5月」には、上の方に黄道十二宮の双子座が描かれています。

(部分)
風景011


カナレット(通称) 「ヴェネツィアのスキアヴォーニ河岸」 1730年頃 油彩・キャンヴァス
風景006

カナレット(1697‐1768)はヴェネツィアの風景画家で、ヴェネツィアの景観を
広々と、細密に描いています。
カナレットの作品は都市の景観そのものが画題となっています。


歴史画や宗教画の一部だった風景がやがて主要な画題となり、風景画として
独立するまでの過程の分かる、興味深い展覧会です。

展覧会のHPです。


次回の展覧会は、「英国の夢 ラファエル前派展」です。
会期は12月22日(火)から2016年3月6日(日)までです。

ラファエル001

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【2015/09/26 20:36】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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