所蔵する藤田嗣治の全作品の展示 東京国立近代美術館
竹橋
chariot

竹橋の東京国立近代美術館では 、所蔵作品展として、所蔵する藤田嗣治の全作品25点と
京都国立近代美術館所蔵の1点を展示しています。
期間は12月13日(日)までです。

藤田001

左は「五人の裸婦」(1923年)、右は「アッツ島玉砕」(1943年)です。

所蔵作品展は通常は撮影可能ですが、今回は撮影不可です。

「自画像」 1929年
藤田004

机に硯を置き、細い線を描く面相筆を手にしています。
パリで成功を収めた藤田の、得意然とした自画像です。

「タピスリーの裸婦」 1923年 京都国立近代美術館
藤田006

藤田独特の「乳白色の肌」を見せています。
ゴヤの「裸のマハ」やマネの「オランピア」を思わせる作品で、
タピスリーの花模様が華やかです。

「猫」 1940年
藤田005

1939年に第2次世界大戦が始まり、翌年フランスはドイツに敗れ、藤田も帰国しています。
黑を背景にして、猫たちが激しく飛び跳ね、絡み合う画面には不穏な雰囲気が漂います。


今回の展示の特徴は、14点が戦争画であることです。
藤田を始め、小磯良平、宮本三郎などの描いた戦争画の多くは1946年にGHQに
接収されましたが、1970年に無期限貸与という形で日本に戻され、現在は
国立近代美術館が保管し、数点ずつ展示されています。

藤田の画業の中で戦争画は欠かせない分野であり、今回の展示は大変貴重な機会です。

「哈爾哈(はるは)河畔之戦闘」 1941年
1939年に日本軍とソ連軍が衝突したノモンハン事件を題材にしています。
モンゴル平原でソ連軍戦車を攻撃する日本軍の歩兵を描いていますが、
この時期はまだ色彩も明るく、どこかのどかな雰囲気があります。
実際のノモンハン事件は日ソ両軍とも大きな損害を受けた苛烈な戦闘でした。

「サイパン島同胞臣節を全うす」 1945年 無期限貸与
藤田002

部分
藤田003

ある意味で藤田嗣治の最高傑作といわれる作品です。
民間人を巻き込んだ玉砕の悲劇を描いていますが、戦局が悪化した時期であり、
戦意高揚というより、鎮魂の思いが表れています。

同じ戦争画でも、近代美術館に保管されている、小磯良平の「娘子関を征く」や、
宮本三郎の「山下、パーシバル両将軍会見図」は、この人が戦争画を描くと
こんな風になるだろうという作品です。
藤田の場合は戦前のパリ時代、そして戦後のフランス時代とはまるで画風が変わり、
同じ画家とは思えないほどです。
1937年に描いた壁画、「秋田の行事」などを観ると、藤田はダイナミックな画面も
描ける画家であることが分かりますが、それにしても大きな変わりようです。
藤田の作品を観ていると、いつもこの戸惑いが付きまといます。

展覧会のHPです。

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【2015/11/20 19:52】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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