「黄金伝説展 古代地中海の秘宝」 国立西洋美術館
上野
chariot

上野の国立西洋美術館では、「黄金伝説展 古代地中海の秘宝」が開かれています。
会期は2016年1月11日(月・祝)までです。

黄金001


ギリシャ、トラキア、エトルリア、ローマなど、古代地中海世界を飾った金製品を中心に、
約280点が展示されています。
あわせて、古代の黄金伝説を題材にした絵画作品も展示されています。

第1章 世界最古の金

ブルガリアのヴァルナは黒海沿岸にあり、1972年に古代の墓地と世界最古の
金の工芸品が発見された所です。

「ヴァルナ銅石器時代墓地第43号墓」 紀元前5千年紀 ヴァルナ歴史博物館
黄金002

最も多くの金製の副葬品が出土した第43号墓を復元してあります。
被葬者は50~65歳の男性で、手に錫杖を持っているので、王のような人物と思われます。
翡翠の斧やビーズなどと共に金の腕輪、指輪、飾り金具などが数多く納められていて、
金の総重量は1.5㎏にもなるそうです。

第1章の展示室にはギリシャ神話の金羊毛の物語を描いた作品が何点か展示されています。

ギュスターヴ・モロー 「イアソン」 1865年 パリ、オルセー美術館
黄金006

黒海沿岸のコルキスに冒険の旅に出て、怪物を斃して金羊毛を得たイアソンと、
それを助けたコルキスの王女メディアです。
二人の姿も金色がかった色調で輝いています。

第2章 古代ギリシャ

古代ギリシャのさまざまな金製装身具などの展示です。

どれも精巧な細工が施されていて、ピラミッドのような四角錐を組合わせたり、
羽根を広げた女神ニケを象った耳飾りもあります。

ニコラ・プッサン 「パクトロス川の源のミダス王」 1626年頃 アジャクシオ、フェッシュ美術館
ギリシャ神話のお話しで、、ディオニソスに頼んで、触るものすべてを黄金に変える力を得た
ミダス王は、手にした食物まで金に変わってしまうため、またディオニソスに願うと、
パクトロス川で水浴すれば、その力は川に移ると言われます。
川のほとりで元に戻ってほっとしているミダス王と、その横で砂金に変わった川砂を
拾おうとしている若者が描かれています。

グスタフ・クリムト 「人生は戦いなり(黄金の騎士)」 1903年 愛知県美術館
黄金009

黄金の甲冑を着けた騎士が馬上に直立しています。
背景も点描で細かく彩色された、クリムト特有の装飾性に満ちた画面です。

ピエール=オーギュスト・ルノワール 「パリスの審判」 1908年 三菱一号館美術館寄託
黄金007

ギリシャ神話の一場面の、パリスがアフロディーテに黄金の林檎を与えているところです。
トロイア戦争の原因となった出来事です。
ルノワール晩年の作品で、三美神は豊麗な姿で描かれています。

第3章 トラキア

トラキアは黒海の西南部のブルガリアを中心にした地域で、古代には黄金の文化が
栄えています。

「ヴァルチトラン遺宝」 紀元前14世紀後半―紀元前13世紀初頭 
 ソフィア国立考古学研究所・博物館

黄金011

13点の金製品で、総重量は16㎏以上あります。
1925年に農民が発見しますが、最初は金と気付かず、一番大きな容器を
豚のエサ入れにしていたところ、豚にきれいに舐められて耀きだしたため、
金製と分かったそうです。
豚に真珠ならぬ、豚に黄金というお話しです。

「パナギュリシュテ遺宝」 紀元前4世紀-紀元前3世紀 プロヴディフ考古学博物館
黄金004

1949年に偶然発見された、細工の施された金製品です。
ヴァルチトラン遺宝より約1000年後の製品で、動物や人物が精巧に打ち出されています。

第4章 エトルリアと古代ローマ

エトルリアはローマ以前にイタリア半島に栄えた国家で、優れた金属加工技術を
持っていました。

「動物模様のある留め具」(部分) 紀元前7世紀第1四半期 
 ローマ、ヴィラ・ジュリア国立考古学博物館

黄金005

動物の細工を隙間なく並べた、エトルリアの見事な工芸品です。

「腕輪」紀元前675年―紀元前650年 イタリア、チェルヴェテリ、ソルボ墓地出土、
 レゴリーニ・ガラッシの墓 ヴァチカン美術館

黄金008

女神の像と幾何学模様がびっしりと打ち出されています。
レゴリーニ・ガラッシの墓はエトルリア時代の墓で、多くの副葬品が発見されています。


「首飾り」 紀元前4世紀 ローマ、ヴィラ・ジュリア国立考古学博物館
黄金010

エトルリア時代の品で、金細工とガラスで出来ています。


技術を駆使した精巧な細工の施された金の装飾品の数々を観ていると、古代世界の
黄金への熱い情熱が伝わります。

展覧会のHPです。

関連記事

【2015/10/23 19:24】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(1) |
comment
 
コメントを書く
コメントは承認後に公開されます。ご了承ください。
  • 管理人のみ閲覧できます
  • このコメントは管理人のみ閲覧できます

    【2015/10/24 01:18】 url[ #] [ 編集]
    please comment















    管理者にだけ表示を許可する

    trackback
    trackback url ↓
    http://nekoarena.blog31.fc2.com/tb.php/2816-d009b69a

    プロフィール

    chariot

    Author:chariot
    東京のビルの多い街で暮らしています。

    最近の記事

    最近のコメント

    最近のトラックバック

    カテゴリー

    ブログ内検索

    月別アーカイブ

    リンク

    このブログをリンクに追加する

    RSSフィード


    | ホーム |