「始皇帝と大兵馬俑展」 東京国立博物館
上野
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上野の東京国立博物館では特別展、「始皇帝と大兵馬俑展」が開かれています。
会期は2016年2月21日(日)までです。

始001


中国の最初の統一国家を打ち立てた、秦の始皇帝(前259~前210)にちなんだ
文物を展示する展覧会です。

第I章 秦王朝の軌跡―周辺の小国から巨大帝国へ

秦は古代中国の中心だった中原より西方にあたる、漢中の小国から始まっています。
玉器、装飾品、帯鉤(バックル)などの展示です。


第II章 始皇帝の実像―発掘された帝都と陵園

始皇帝は初めて中国を統一し、初めて皇帝の称号を用い、自らを始皇帝と称しています。
中央の官僚が各地を治める郡県制を採用し、度量衡も統一します。

「両詔権」  秦時代・前3世紀 出土地不詳 秦始皇帝陵博物院蔵
重さの基準として作られた重りである権(ごん)です。
始皇帝の詔勅と、息子で2世皇帝胡亥の詔勅についての文が刻まれています。
胡亥(前230?~前207)は劉邦たちの反乱に遭い、自殺させられ、帝国としての秦は
2代で終わっています。

「取水口・L字形水道管・水道管」 戦国~秦時代・前3世紀 
 咸陽市咸陽宮殿址出土 秦咸陽宮遺址博物館

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陶製で、水道管の径は20㎝ほどもあります。
始皇帝の建設した咸陽宮殿のインフラのレベルの高さを示す遺物です。

「車馬出行図壁画残片」 戦国~秦時代・前3世紀 
 咸陽市咸陽3号宮殿址出土 陝西省考古研究院

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咸陽宮殿の壁画の一部で、菱型の枠の中に馬車と御者が描かれていますが、
馬車に車輪がありません。
空中を飛ぶ馬車でしょうか。


第III章 始皇帝が夢見た「永遠の世界」―兵馬俑と銅車馬

始皇帝の陵の側で1974年に発見された兵馬俑の展示です。
武人俑は将軍、軍吏、歩兵、立射、跪射、騎兵の6体が展示されています。

実在の兵士をモデルにしたのではないかと言われる写実的な表現で、
さまざまな顔立ちをしています。
跪射の俑は立膝をして弩(いしゆみ)を構える兵士で、沓の裏の滑り止めまで
表現されています。

将軍俑 秦時代・前3世紀 
 陝西省西安市臨潼区秦始皇帝陵1号兵馬俑坑出土

始002

風格のある、将軍にふさわしい顔立ちの俑です。
発見された約8000体の武人俑のうち、将軍の俑は10体ほどしかないそうです。

実際の兵馬俑坑を再現した複製の前での記念撮影も出来ます。

始IMG_0154


生けるが如き兵士たちです。

始IMG_0160


「2号銅車馬」(展示は複製) 秦時代・前3世紀 
 西安市臨潼区秦始皇帝陵銅車馬坑出土 秦始皇帝陵博物院蔵

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実物の1/2の大きさに作られた、銅製の精巧な模型で、始皇帝陵に副葬されていました。
窓も付いていますが、中は空で、始皇帝の霊を運ぶ馬車ではないかとも考えられています。
1号銅車馬も4頭立てで、御者が立って手綱を持っています。
実際に4頭立ての馬車を走らせていたとすると、かなり広い道幅の道路が必要です。

始皇帝は地方を巡行中に病死しています。
司馬遷の「史記」には、その死は秘せられ、遺体を馬車で咸陽に運ぶ時は
死臭を悟られぬため、大量の魚を積んだ車を伴った、とあります。


最初の統一国家を建設した秦の始皇帝の偉大さと、その権力のすさまじさを改めて
感じさせる展覧会です。

展覧会のHPです。

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【2015/11/14 19:15】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(2) |
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  • こんにちは。
  • 古代中国の王様の墓に殉葬者が整然と埋められているのを見ると、俑で済むのなら結構な話ですね。
    それにしても8千体というのは物凄い数で、それが彩色されていたのですから、並んでいる様は迫力があったことでしょう。

    【2015/11/15 08:36】 url[chariot #/8nqih4Y] [ 編集]
  • 漢中→関中
  • 兵馬俑は発見された当時極彩色だったらしいですね。それが空気に触れて見る見る色が劣化したとか。何千対と言う俑に個性があり着色まで去れていたというのですからその労力たるや大変なものだったでしょう。が、それ以前は従者も一緒に生き埋めが通例だったとか。生き埋めより増しだとみんな必死になってたのかもしれませんな。

    【2015/11/15 02:31】 url[miss.key #eRuZ.D2c] [ 編集]
    please comment















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