「三井家伝世の至宝」展 日本橋 三井記念美術館
三越前
chariot

日本橋の三井記念美術館では三井文庫開設50周年、三井記念美術館開館10周年記念特別展II、
「三井家伝世の至宝」展が開かれています。
会期は2016年1月23日(土)までです。
12月28日(月)~1月4日(月)は年末年始の休館日です。

「玳皮盞」 江西省吉州窯 
 南宋時代 12~13世紀 重要文化財

室町三井010

玳皮盞(たいひさん)とは天目茶碗の一種で、タイマイの甲羅(べっ甲)のような
模様の出ている物を言います。
見込に二羽の尾長鳥と蝶、底に梅花が描かれ、鸞天目(らんてんもく)とも呼ばれ、
見込の細かい地模様の華やかな茶碗で、小堀遠州が所持していました。

「粉引茶碗 銘 三好粉引」 朝鮮時代 16世紀
三004

12月12日までの展示です。
粉引茶碗は高麗茶碗の一種で、生地に白化粧をした上に釉を掛けていて、
粉を吹いたような肌をしています。
釉の掛け残しの火間(ひま)がくっきりと付いています。
戦国時代の武将、三好長慶(1522-1564)が所持していたので、この名があります。

「奥高麗茶碗 銘 深山路」 桃山時代 17世紀
三井003

松平不昧の所持していた唐津茶碗です。
高麗茶碗に近い風格を備えている品を奥高麗と呼ぶとのことです。

「志野茶碗 銘 卯花墻(うのはながき)」 桃山時代・16~17世紀 国宝
室町三井002

茶室に置かれています。
白い釉を垣根に咲く卯の花に見立てています。
切り立った形で、歪みを持たせ、へらの跡も付け、桃山風の豪快な姿を
しています。
ぷつぷつと気泡の浮いた肌も鮮やかで力強さがあります。

名は箱の裏蓋に貼られた色紙に書かれた古歌に拠っています。

 山里の卯の花墻のなかつ道 雪踏み分けし心地こそすれ

「古今和歌集(元永本)」 藤原定実筆 平安時代 12世紀 東京国立博物館 国宝
東002

12月12日までの展示です。
室町三井家から東京国立博物館に寄贈されています。
古今和歌集が完全に残る冊子本として現存最古の写本で、
雲母摺の料紙に藤原定実が仮名書きしています。
藤原定実は藤原行成の曾孫です。

 よのなかにさらぬわかれのなくもがなちよもといのる人のこのため

                                    在原業平
 
 白雪の八重ふるしけるかへる山かへるがえるも老いにけるかな

                                   在原棟梁

「聚楽第図屏風」 六曲一隻 桃山時代 16世紀
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聚楽第は豊臣秀吉が京都に建てた御殿で、甥の豊臣秀次に譲られましたが、
秀次の切腹後に取り壊され、詳しいことは分かっていません。

この屏風では四層以上の高さの天守閣がそびえています。
安土桃山時代の城壁は安土城も大坂城も黒漆を塗った黒壁ですが、
この屏風では白壁です。
天守閣の左下には現在数少ない聚楽第の遺構として残る梅雨の井と思われる
井戸も描かれています。
秀次は喘息持ちで、咳をする声が聚楽第の外まで聞こえたそうです。

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「東福門院入内図屏風」(左隻) 四曲一双 江戸時代 17世紀 重要文化財
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東福門院和子(1607-1678)は2代将軍徳川秀忠と江の娘で、後水尾天皇の許に
元和6年(1620年)に入内しています。
その時の華やかな行列の模様を描いたもので、元は絵巻の形だったらしく、
目録も付いています。
井伊、酒井、松平などの幕臣の名前も見えます。
東福門院の乗った牛車は二頭立てで、葵の紋が付いています。

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「熊野御幸記」 藤原定家 鎌倉時代 建仁元年(1201) 国宝
三井005

後鳥羽上皇の熊野御幸に随行した藤原定家の23日間の旅の記録で、
書き損じの跡もあります。
あちこちで歌会を催したり、暑い日でハエが多かったり、耐え難い寒さだったりと、
臨場感にあふれた記録です。
満願寺の僧に供物について不満を言われたりしているのも面白いところです。

「駿河町越後屋正月風景図」 江戸時代 19世紀
三井003

右が呉服を扱う江戸本店、その奥が両替店、左が木綿を扱う店です。
通りの延長に富士山が見えるように一帯の町割りがされていたことが分かります。
三井の紋所入りの大風呂敷を担いだ男や、正月らしく萬歳も見えます。
振舞い酒に酔ったのか、挟み箱を担いだ中間(ちゅうげん)に手を引かれている侍もいて、
のどかな光景です。

「舟月蒔絵二重手箱」 室町時代 16世紀
三井004

蒔絵で萩・菊・桔梗・薄を描き、蓋の表に、夜・雲・遅、裏に秋・水・来の字が
葦手絵(字を絵の中に溶け込むように描く技法)で描かれています。
「和漢朗詠集」の「秋水漲来船去速 夜雲収尽月行遅」の詩に拠っています。

「月宮殿蒔絵水晶台」
象彦(西村彦兵衛) 製 明治~昭和初期 

象007

三井家の保有する大きな水晶球を置くための台です。
水晶を月に見立て、上の板には雲がたなびき、下の板には月にある宮殿といわれる
月宮殿と海中の岩が描かれています。
三井鉱山で採れた水晶、孔雀石、方解石、黄銅鉱などが岩として貼り付けられ、
さまざまな色に光っています。

「銅製船氏王後墓誌」 戊辰年(668) 国宝
  三井006

現存する日本最古の墓誌で、渡来系氏族である船氏の王後が推古・舒明の両朝に仕え、
641年に没し、668年に夫人とともに河内国松岡山に改葬された、とあります。

「短刀 無銘正宗 名物日向正宗」 鎌倉時代 14世紀 国宝
三井002

豊臣秀吉から石田三成に下され、三成から妹婿の福原直高に与えられ、
関ヶ原の戦いで大垣城の守将だった直高から水野日向守勝成が分捕っています。
その後、紀州徳川家に渡り、昭和の始めに三井家の所有となっています。
細身で、反りの無い姿です。

「雪松図屏風」 六曲一双 円山応挙 江戸時代 18世紀 国宝
応挙009

左隻
応挙007

右隻
応挙008

雪の晴れ間の澄み切った空気の中に立つ松の木です。
穏やかな金地に雪の鮮やかな白が映えています。
輪郭線を使わずに描かれた、立体感のある作品で、特に右隻の松の枝は
こちらに向って張り出しているように見えます。
お正月によく展示される屏風です。

展覧会のHPです。


次回の展覧会は「三井家のおひなさま」展です。
会期は2016年2月6日(土)から4月3日(日)までです。

もう、おひなさまの話が始まりました。

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【2015/12/22 19:57】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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