「書の流儀展」 日比谷 出光美術館
日比谷・有楽町
chariot

日比谷の出光美術館では、文字の力・書のチカラIII、「書の流儀展」が開かれています。
会期は2月14日(日)までです。

書001


書体や書風、書式、書き手の個性など、さまざまな視点から「書」を捉えた展覧会です。


Ⅰ.「 書」の世界は、多彩

経典や明恵上人の消息などです。

「日課念佛」 徳川家康 慶長17年(1612)
小さな字でびっしりと「南無阿弥陀佛」と6段にわたって書き連ね、最後に「家康」と
書いてあります。
徳川家康の宗旨は浄土宗ですが、織田信長や豊臣秀吉ならやりそうにないお勤めです。
書かれたのは大坂の陣の少し前の時期で、どんな胸中だったのでしょうか。


Ⅱ. 文人の流儀–面影をうつし、語らう

文人の個性的な書体、書風が受け継がれるうちに、徐々に変化していく
様子が分かります。

「笠置山詩」 頼山陽 江戸時代
頼山陽(1781-1832)は歴史家、文人で、「日本外史」で有名です。
縦180㎝ほどの大きな書で、丸みを持った右肩上がりの書風です。

「七言律詩」 山内容堂 明治3年(1870)
土佐の藩主だった山内容堂の書で、頼山陽の書風に似ています。

「鳳輩道上詩」 木戸孝允 明治元年(1868)
木戸孝允も頼山陽の影響を受けていますが、個性も出ています。


Ⅲ. 墨跡の流儀–墨戯・遊芸

禅僧の書です。

一行書「賓中主々中賓」 江月宗玩
 書002

江月宗玩(1574-1643)は茶人の津田宗及の子で、臨済宗の僧です。
この一行書は「主」の字が「・」と「王」、々の字も「・」になっているので、
上からも下からも同じ字が並んでいるように見えます。


Ⅳ. 古筆の流儀–日本美の原点から

和歌や漢詩を書いた、平安時代の書などの展示です。

「石山切 伊勢集」 伝藤原公任 平安時代
雅な切継の料紙に書かれていて、王朝美を極めています。
「石山切」は白河天皇の六十の賀を祝って制作された、「西本願寺本三十六人家集」の
うち、「貫之集下」と「伊勢集」のことです。
西本願寺の所蔵でしたが、昭和4年(1929)に2つの集が分割され、断簡になった時に
付けられた名です。
昔は本願寺が石山(後の大阪城)にあったことにちなんでいます。


Ⅴ. 宮廷の流儀–雅びの象徴と伝播

平安時代の書を基に和洋の書の流儀が確立し、継承されていきます。

「高野切第一種」 伝紀貫之 平安時代 重要美術品
古005

「高野切」は現存する古今和歌集最古の歌集で、一部が高野山に伝来したので、
この名が付いています。

 寛平のおほんときのきさいのみやの
 うたあわせのうた
           よみひとしらす
 うめかかをそてにうつしてととめては
 はるはすくともかたみならまし

           そせい
 ちるとみてあるへきものをむめのはな
 うたてにほひのそてにとまれる

   たいしらす   よみひとしらす
 ちりぬともかをたにのこせむめのはな
 こひしきときのおもひいてにせむ

   ひとのいへにうゑたり
   けるさくらのはなさき
   はしめたるをよめる
             つらゆき
 ことしよりはるしりそむるさくらはな
 ちるてふことはならはさらなむ
 
寛平御時后宮歌合は寛平年間(889~893)に宇多天皇の母后班子の催した
歌合せです。


Ⅵ. 流転する流儀

桃山時代に新しい書風を興した本阿弥光悦や松花堂昭乗などの書です。


平安時代以来の書の多様性を楽しめる展覧会です。

展覧会のHPです。


次回の展覧会は、生誕290年記念、「勝川春章と肉筆美人画-〈みやびの〉の女性像」展です。
会期は2月20日(土)から3月27日(日)です。

春章001

関連記事
スポンサーサイト

【2016/01/19 19:23】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
comment
 
コメントを書く
コメントは承認後に公開されます。ご了承ください。
please comment















管理者にだけ表示を許可する

trackback
trackback url ↓
http://nekoarena.blog31.fc2.com/tb.php/2896-bfd73e72

プロフィール

chariot

Author:chariot
東京のビルの多い街で暮らしています。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

カテゴリー

ブログ内検索

月別アーカイブ

リンク

このブログをリンクに追加する

RSSフィード


| ホーム |