「はじまり、美の饗宴展 すばらしき大原美術館コレクション」 六本木 国立新美術館
乃木坂
chariot

六本木の国立新美術館では、「はじまり、美の饗宴展 すばらしき大原美術館コレクション」が
開かれています。
会期は4月4日(月)までで、火曜日は休館日です。

大原001


岡山県倉敷市の実業家、大原孫三郎(1880-1943)の創設した大原美術館の
コレクションを展示する展覧会です。
大原孫三郎は社会事業家でもあり、同じ岡山県出身の画家、児島虎次郎を援助して
ヨーロッパに留学させ、多くの西洋絵画の購入を任せています。

エル・グレコ 「受胎告知」 1590年頃-1603年
大原002

雲の上に立つ大天使ガブリエルは翼を大きく上に広げては立ち、
マリアに受胎を告げています。
精霊を表す鳩が輝きながらマリアに向かって降下し、マリアは書見台から
振り向いて迎えています。
画面全体がゆらめきながら上昇して、劇的な場面となっています。
この作品は大変高額だったため、児島虎次郎は日本に手紙を出して、
大原孫三郎の許可を得ています。

ビュヴィス・ド・シャヴァンヌ 「幻想」 1866年
シ008

ビュヴィス・ド・シャヴァンヌ(1824-1898)はフランスを代表する壁画画家です。
縦264cmの大きな作品で、ニンフは葡萄の蔓を投げてペガサスを
捉えようとしていて、子供はリースを作っています。
青い色調が幻想性を増し、神話的な理想郷への憧れを見せています。

ジョヴァンニ・セガンティーニ 「アルプスの真昼」 1892年
セ007

ジョヴァンニ・セガンティーニ(1858-99)はイタリア生まれで、アルプスを描いた
画家として知られています。
印象派の作品のようですが、ピントをぴったり合わせたような明確さがあります。
色彩を混ぜ合わせず、原色と補色を細い線で並べていくという分割主義
(ディビジョニズム)の技法を使っています。
19世紀後半の北イタリアに興った技法とのことで、色を混ぜないところは印象派に
似ていますが、印象派に比べ細部まで明瞭に描くことが出来て、アルプスのような
くっきりした景色の描写によく合っています。

クロード・モネ 「睡蓮」 1906年頃
大原011

ジヴェルニーの庭の睡蓮を描いた作品の一つです。
水面に映る景色に興味を持っています。
この絵」は、児島虎次郎が巨匠になっていたモネから直接入手した作品です。

パプロ・ピカソ 「頭蓋骨のある静物」 1942年
大原003

第2次世界大戦中ということもあってか、硬く冷えた画面です。

ジャクソン・ポロック 「カット・アウト」 1948-58年
大原009

当時盛んだった、アクション・ペインティングの作品です。

2012年に東京国立近代美術館で開かれた、「ジャクソン・ポロック」展の記事です。


児島虎次郎 「和服を着たベルギーの少女」 1911年
ク007

児島虎次郎(1881-1929)は岡山県高梁市の出身で、東京美術学校を卒業後、
大原孫三郎の援助を受け、1908年にヨーロッパに留学しています。
留学により作風は大きく変わり、色彩は明るく、強くなっています。
この作品は背景に菊や日本人形、陶磁器などを置いてジャポニズム風ですが、
色彩の対比も筆触も強く、児島虎次郎の個性が出ています。

児島虎次郎は47歳で亡くなっていますが、大原孫三郎はその死を悼んで、
遺作と収集した作品の展示を展示するため、大原美術館を設立しています。

関根正二 「信仰の悲しみ」 1918年 重要文化財
大原008

20歳で亡くなった関根正二(1899-1919)の代表作で、関根を特徴付ける
ヴァ―ミリオン(朱色)が印象的です。
幻想の光景を描いたということで、関根自身の鎮魂のため現れた者たちの
ようにも見えます。
1964年に大原孫三郎の長男、總一郎が購入しています。

藤田嗣治 「舞踏会の前」 1925年
大原013

「乳白色の肌」の技法を生み出し、エコール・ド・パリの画家として絶頂期
だった頃の作品です。
仮面舞踏会を表す仮面と、さまざまの姿の7人の女性が描かれています。
2015年に修復が完了し、12月に東京藝術大学でお披露目展示されました。

佐伯祐三 「広告”ヴェルダン”」 1927年
都003

2度目に渡仏した時の作品で、佐伯祐三特有の広告などの文字が描き込まれています。
”ヴェルダン”は第1次世界大戦のヴェルダンの戦いを題材にした映画の題名です。
佐伯はこの翌年、フランスで客死しています。

棟方志功 「二菩薩釈迦十大弟子板画柵」 1939年
大原006

部分
大原007

縦101㎝という、大きな版画の連作で、さまざまな表情の弟子たちが画面いっぱいに
勢いよく彫り出されています。
棟方志功の代表作で、1956年のヴェネツィア・ビエンナーレでグランプリを獲得し、
ムナカタの名が世界に知られることになります。
大原總一郎は棟方志功の支援者でした。

松本竣介 「都会」 1940年
大原012

松本竣介(1912-1948)はお茶の水など、都会の風景をよく描いています。
冷たい青色に醒めた孤独を感じます。
太平洋戦争開戦の1年前の作品で、東京はこの後、空襲による戦災に
見舞われることになります。

町田久美 「来客」 2006年
大原005

町田久美さん(1970~)は、注目されている現代作家の一人です。
墨や岩絵具などで描かれていて、くっきりとしてどこか不気味なのが特徴です。

大原孫三郎は芹沢銈介、濱田庄司、河井寛治郎など民芸の作家の作品も
多く展示されています。
駒場の日本民藝館の設立にも協力しています。


他にエジプトや中国など古代の美術品も展示され、大原美術館のあらましが分かる、
面白い展覧会です。

展覧会のHPです。

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【2016/01/30 19:19】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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