「フェルメールとレンブラント 17世紀オランダ黄金時代の巨匠たち展」 六本木 森アーツセンターギャラリー
六本木
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六本木の森アーツセンターギャラリーでは
「フェルメールとレンブラント 17世紀オランダ黄金時代の巨匠たち展」が開かれています。
会期は3月31日(木)まで、会期中は無休です。

フェルメール001


歴史や宗教を離れた、オランダ絵画の特徴である世俗的な絵画約60点が、風景画、
静物画、肖像画、風俗画などの分野別に展示されています。

アールベルト・カイプ 「牛と羊飼いの少年のいる風景」 
 1650-60年頃 アムステルダム国立美術館

フェルメール008

干拓で国土を広げ、そこで牧畜を行なったオランダでは牛は宝とされていたそうです。
遠くに山が見えて、オランダらしくない風景ですが、日を浴びてゆったりと座る牛は
豊かさを象徴しています。

風景画は他にヤーコプ・ファン・ライスダールなどの作品が展示されています。

ピーテル・サーンレダム 「聖ラウレンス教会礼拝堂」 
 1635年 カタレイネ修道院美術館、ユトレヒト

フェルメール009

アルクマールの教会の内部で、元はカトリックの教会でしたが、オランダが
プロテスタントに変わったため、内部の装飾も取り払われています。
オランダ絵画には教会などの内部を描く、建築画の分野があります。

エマニュエル・デ・ウィッテ 「ゴシック様式のプロテスタント教会」 
 1680-85年頃 アムステルダム国立美術館

フェルメール015

現実の教会ではなく、いろいろの建物を合成してあるそうです。
手前では、床の石を剥がして墓穴を掘っています。

コルネリス・クラースゾーン・ファン・ウィーリンゲン 「港町の近くにて」 
 1615-20年頃 ロッテルダム海洋博物館

フェルメール007

ドルトレヒトと思われる港の風景で、正面の軍艦は祝砲でも撃っているか、
砲煙が見えます。
海洋国家オランダでは海洋画も多く描かれています。

ウィレム・カルフ 「貝類と杯のある静物」 
 1675年 財団美術館、オーフェルエイセル 、オランダ

フェルメール014

貝を使った杯や、東洋から運ばれてきたかと思われる珊瑚も描かれています。

ヤン・ステーン 「恋の病」 1660年頃 メトロポリタン美術館、ニューヨーク
フェルメール006

具合の悪そうな若い女性がアンカに片足を乗せ、医者が脈を診ています。
医者の服装は時代遅れの物だそうで、下卑た顔とともに藪医者であることを
表しています。
入口近くで犬が交尾しようとしているので、女性の病の原因が分かります。

サミュエル・ファン・ホーホストラ―テン 「貧血症の女」
 1670年頃 カンヴァス アムステルダム国立美術館

フェルメール011

フェルメール012

「恋の病」と同じような画題で、顔色の悪そうな女性がテーブルにもたれ、
アンカに足を乗せています。
階段や丸窓、額縁、ドアなどが面白い画面を作っていて、女性の足元の猫は
こちらを見ています。

ピーテル・デ・ホーホ 「女性と召使いのいる中庭」 
 1660-61年頃 ロンドン・ナショナル・ギャラリー

フェルメール005

ピーテル・デ・ホーホはフェルメールと同時代の画家で、フェルメールに
影響を与えたとも言われています。
中庭で召使いが大きな魚を料理していて、女主人が何か指示しています。
右の壁に取り付けられているのは井戸のポンプでしょうか。
同じ風俗画でも、ヤン・ステーンと違って、静かな雰囲気に包まれています。

ヨハネス・フェルメール 「水差しを持つ女」 
 1662年頃 メトロポリタン美術館、ニューヨーク

フェルメール002

やわらかな光に包まれた室内は青と白と赤でまとめられ、白いフードや肩掛けは
陰翳の具合が巧みに表されています。
筆遣いも簡潔で、フェルメールの粋を集めたような、洗練された作品です。
実際に観て、ラピスラズリの青がかなり鮮やかなことが分かりました。
この1点だけでも、展覧会を観た甲斐があります。

レンブラント・ファン・レイン 「ベローナ」 
 1633年 メトロポリタン美術館、ニューヨーク

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20代の、すでに肖像画家として評判を得ていた頃の作品で、ベローナはローマの
戦争の女神です。
きらびやかな甲冑を着け、盾には髪が蛇になったメドゥーサが彫られているなど、
厳めしい姿ですが、モデルは普通のおばさんといった感じです。
注文主の姿を描いたのでしょうが、市民階級が興隆した時代のオランダらしく、
ちょっと成金趣味も感じます。

カレル・ファブリティウス 「帽子と胴よろいをつけた男(自画像)」 
 1654年 ロンドン・ナショナル・ギャラリー

フェルメール004

カレル・ファブリティウスはレンブラントの弟子で、フェルメールたちに
も影響を与えたということですが、この絵を描いた1654年に起きた
デルフトの火薬庫の大爆発に巻き込まれ、32歳で亡くなっています。
甲冑を着けた自画像というのはレンブラントに倣っていますが、
明暗を強調したレンブラントとは画風が違うそうです。
たしかに、劇的な演出を見せない、自然な描き方です。

フランス・ハルス 「ひだ襟をつけた男の肖像」 
 1625年  メトロポリタン美術館、ニューヨーク

フェルメール013

肖像画の名手、フランス・ハルスの作品で、画面に立体感があり、
人物は活き活きとしています。


17世紀オランダ絵画の各分野を代表する作家の作品が揃った展覧会です。
特に印象に残った作品は何といってもフェルメールの 「水差しを持つ女」、
そしてファブリティウスの 「自画像」です。 

2012年には東京都美術館で、17世紀オランダ絵画を数多く所蔵している、
オランダ・ハーグのマウリッツハイス美術館の所蔵作品を展示する、
「マウリッツハイス美術館」展が開かれました。
フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」も展示されました。

「マウリッツハイス美術館展」の記事です。

展覧会のHPです。

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【2016/02/12 19:47】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(2) |
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  • こんばんは。
  • 「ベローナ」は立派な甲冑とモデルの釣り合いが取れていない感じがします。
    「水差しを持つ女」は簡略化が効いていて、これぞフェルメールといえる作品です。

    【2016/02/14 23:35】 url[chariot #/8nqih4Y] [ 編集]
  • 頭でかっっっ
  •  ベローナはちと頭がでかすぎですな。バランスが悪すぎる。バランスさえ取れていれば傑作だったのにねぇ。
     フェルメールは流石ですね。部屋を明るく見せるために地図を半分削ったそうで。そういう計算もまた画の良さなんでしょうな。

    【2016/02/14 20:46】 url[miss.key #eRuZ.D2c] [ 編集]
    please comment















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