「ボストン美術館所蔵 俺たちの国芳 わたしの国貞」展 渋谷 Bunkamuraザ・ミュージアム
渋谷
chariot

渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムでは「ボストン美術館所蔵
俺たちの国芳 わたしの国貞」展が開かれています。
会期は6月5日(日)までです。

国芳001


豊富な日本美術のコレクションで知られるボストン美術館の所蔵する14,000枚を超える
浮世絵から、幕末の浮世絵師、歌川国芳と歌川国貞を取り上げ、170組を展示しています。

会場は一部、撮影可能です。

歌川国芳(1798~1861)と歌川国貞(1786~1865)はともに初代歌川豊国
(1769~1825)の弟子で、国芳は勇壮な武者絵を得意とし、国貞は役者絵、
美人画で知られています。

歌川国芳 「国芳もやう正札附現金男 野晒悟助」 弘化2(1845)年頃
国芳009

野晒悟助(のざらしごすけ)は河竹黙阿弥脚色の歌舞伎の登場人物です。
着物には国芳の好きな猫が集まって作ったドクロの模様、袈裟には秋草で作った
ドクロの模様、刀から下げた下駄にもドクロが浮き出しています。
よく見ると刀の鍔にもお坊さんの持つ払子(ほっす)が描かれていて、抹香臭さのある
絵柄ですが、悟助の若々しさとの対照が面白いところです。

歌川国芳 「相馬の古内裏に将門の姫君滝夜叉妖術を以て味方を集むる
大宅太郎光国妖怪を試さんと爰に来り竟に是を亡ぼす」
弘化元(1844)年頃 大判錦絵三枚続

国芳014

山東京伝の「善知(うとう)安方忠義伝」より、大宅太郎光圀が
妖術を使う滝夜叉姫(たきやしゃひめ)と戦う場面です。
相馬の古内裏は平将門が自分の本拠地の下総国猿島郡に御所を模して建てた
屋敷が廃屋になったもので、滝夜叉姫は将門の娘です。
原作では数百人の骸骨が登場するということですが、この絵では巨大な骸骨が
描かれています。
西洋の骨格図を参考にしていて描写は正確とのことです。

歌川国芳 「讃岐院眷属をして為朝をすくふ図」 嘉永4,5(1851,52)年頃 大判錦絵三枚続
国芳011

滝沢馬琴の「椿説弓張月」の一場面で、讃岐院(崇徳上皇)に遣わされた
鰐鮫と烏天狗が、琉球に渡ろうとして海で嵐に遭った源為朝父子を救助しています。
大判を3枚並べて一つの絵にした躍動的な画面には迫力があります。
史実では、崇徳上皇は保元の乱に敗れ、讃岐に流されて、そこで憤死しています。
源為朝は崇徳上皇に従って戦い、捕えられて伊豆大島に流されています。

歌川国貞 「当世三十弐相 よくうれ相」 文政4, 5(1821, 22)年頃 大判錦絵
国芳010

輸入品の高価な更紗の帯をした女性は売れっ子芸者でしょう。
幕末の美人画に描かれる女性は春信や清長、歌麿の頃に比べて力強さがあり、
時にふてぶてしさも感じます。

歌川国貞 「御誂三段ぼかし」 右から「浮世伊之助」三代目岩井粂三郎、
「葉歌乃新」初代河原崎権十郎、「野晒語助」四代目市川小團次、
「夢乃市郎兵衛」五代目坂東彦三郎、「紅の甚三」二代目澤村訥升、
「提婆乃仁三」初代中村福助 安政6(1859)年 大判錦絵六枚

国芳012

「浮世伊之助」三代目岩井粂三郎
国芳013

揃いの衣装を着た歌舞伎役者たちが、それぞれの紋を背景にして並んでいます。

歌川国貞 右から「江戸町壱丁目 扇屋内 花扇」「角町 大黒屋内 大淀」
「角町 大黒屋内 三輪山」 文政10-天保13(1827-42)年頃 大判錦絵三枚

国芳015

「江戸町壱丁目 扇屋内 花扇」
国芳016

吉原の遊女が着飾って三尊像のように禿を従えています。
上に描かれた雁は雁書を表し、想い人からの便りを暗示しているそうです。

歌川国貞 「全盛遊 三津のあひけん」 右から「京嶋原」「江戸新吉原」「大坂新町」
文政元-7(1818-25)年 大判錦絵三枚続

くIMG_0176

京都、江戸、大坂の遊郭の遊女が拳(けん)遊びをしています。

歌川国貞 「藍摺遊女」 右上から「中万字や内 八ツ橋 わかば やよひ」
「姿海老屋内 七人 つるじ かめじ」「松葉屋内 粧ひ わかな とめき」
「扇屋内 花扇 よしの たつた」「弥生内 顔町 まつの こなつ」 文政後期(1825-30)頃

くIMG_0168

「中万字や内 八ツ橋 わかば やよひ」
くIMG_0170

江戸時代に輸入されたベロ藍という顔料を使い、すっきりした藍色の濃淡で、
桜の花の下の遊女と禿の組合わせを描いています。
唇には小さく紅を差しています。

どの作品も保存状態が良く、色彩も奇麗で、よくこれだけまとまったコレクションを
集めたものだと思います。
これらの作品は一度貸出されると5年間は公開されないそうで、この展覧会は
貴重な機会です。
とても人気のある展覧会で、休日はかなり混雑しているので、あらかじめ
展覧会のHPで混雑状況を確認されることをお奨めします。

展覧会のHPです。


次回の展覧会は、「西洋更紗 トワル・ド・ジュイ展」です。
会期は6月14日(火)から7月31日(日)までです。

更紗001

関連記事

【2016/03/26 19:27】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
comment
 
コメントを書く
コメントは承認後に公開されます。ご了承ください。
please comment















管理者にだけ表示を許可する

trackback
trackback url ↓
http://nekoarena.blog31.fc2.com/tb.php/2953-447f742f

プロフィール

chariot

Author:chariot
東京のビルの多い街で暮らしています。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

カテゴリー

ブログ内検索

月別アーカイブ

リンク

このブログをリンクに追加する

RSSフィード


| ホーム |