「フランスの風景 樹をめぐる物語-コローからモネ、ピサロ、マティスまで-」展 新宿 損保ジャパン日本興亜美術館
新宿
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新宿の損保ジャパン日本興亜美術館では、6月26日(日)まで、
「フランスの風景 樹をめぐる物語-コローからモネ、ピサロ、マティスまで-」展が
開かれています。

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ロマン派、バルビゾン派、印象派からフォーヴィスムまで、フランスを中心にして、
樹木を描いた油彩や素描、版画など、約110点を展示する展覧会です。

ポール・ユエ 「グロ=フト―の空き地、フォンテーヌブローの森」 
 制作年不詳 個人蔵

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ポール・ユエ(1803-1869)はロマン派の画家で、ドラクロワとも親しく、
明暗の対比を強調した風景画を描いていて、バルビゾン派にも影響を
与えています。

ナルシス・ディアズ・ド・ラ・ペーニャ 「森林の道」 
 制作年不詳 フォン・デア・ハイト美術館、ヴッパータール

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暗い森の向こうに明るい空の見える、劇的な風景です。
ナルシス・ディアズ・ド・ラ・ペーニャ (1807‐1876)は父母が亡命スペイン人で、
元は陶磁器の絵付け職人でした。
ロマン主義の絵を描き、バルビゾン派の画家、テオドール・ルソーから自然描写を
学んでいます。

テオドール・ルソー 「バルビゾン、夕暮れの牧草地」 
 1840年頃 個人蔵

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テオドール・ルソーはバルビゾン派を代表する画家です。
バルビゾンに1836年から長期滞在し、1847年には移住して、フォンテーヌブローの
森をよく画題としています。

シャルル=フランソワ・ドービニー 「ヴァルモンドワの下草」 
 1872年 カミーユ・ピサロ美術館、ポントワーズ

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ヴァルモンドワはパリの北西にある、セーヌ川の支流オワーズ川沿いの町で、
ドービニーは幼少期をここで過ごしています。
森の緑の鮮やかさが際立つ作品です。
シャルル=フランソワ・ドービニー(1817-1878)はコローとも親しいバルビゾン派の
画家で、サロンの審査員としてモネやピサロなどの若い画家を評価しています。

カミーユ・コロー 「エトルタ近くの風景」 
 1872年 フォン・デア・ハイト美術館、ヴッパータール

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木立の下に農家や人物が小さく描かれています。
フランス北西部、ノルマンディー海岸のエトルタにはクールベやモネなども
訪れています。

ギュスターヴ・カイユボット 「セーヌ河岸、プティ・ジュヌヴィリエ」 
 1870年頃 アルジャントゥイユ美術館

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プティ・ジュヌヴィリエはパリの北西の郊外にあるセーヌ川沿いの町で、
多くの印象派の画家が訪れ、カイユボットはここで暮らしていました。

カミーユ・ピサロ 「マトゥランの丘にて、ポントワーズ」 
 1874年 個人蔵

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ポントワーズはパリの北西にある、セーヌ川の支流オワーズ川沿いの町で、
ピサロはここに長く住み、セザンヌなども訪れています。

リュドヴィク・ピエット 「フォッセの祭り、ポントワーズ」
 1877年 カミーユ・ピサロ美術館、ポントワーズ

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大きな作品で、日の当たる並木道は大勢の人で賑わい、遠くの平野を
汽車が白煙を上げて横切り、画面は祝祭気分があふれています。
リュドヴィク・ピエット (1826-1878)はドガと親しく、第1回と第2回の印象派展に
出展しています。

クロード・モネ 「ヴェトゥイユの河岸からの眺め、ラヴァクール(夕暮れの効果)」 
 1880年頃 個人蔵

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大きな作品で、大きな木陰や紅を帯びた空、その色を映す川面が
夕暮れ時を表しています。
ヴェトゥイユ(ヴェタイユ)はパリの北西50㎞にあるセーヌ川沿いの町で、
ラヴァクールは対岸にあります。
モネは1878年にアルジャントゥイユからヴェトイユに引っ越しています。

マクシミリアン・リュース 「日没の風景」 
 1888年 個人蔵

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マクシミリアン・リュース(1858-1941)は第8回印象派展でスーラの作品に感化され、
早くから新印象派のメンバーになっています。
パリの貧しい労働者階級の子として生まれたこともあって、工場や労働者なども
よく描いています。
色彩のコントラストが強く、画面に迫力があるのが特徴です。

レオ・ゴーソン 「樹木の向こうの村」 1890年 個人蔵
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点描による風景画です。
レオ・ゴーソン(1860-1944)は版画職人出身の画家で、新印象主義の
点描の作品を描きました。

モーリス・ドニ 「小さなブルターニュの女性、沼のほとり」 
 1892年頃 個人蔵

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ナビ派の画家、モーリス・ドニの作品は平面的で色彩が豊かです。
ブルターニュの風景をよく描き、別荘も購入しています。

ロベール・アントワーヌ・パンション 「ブランヴィル=クルヴォンの谷」 
 1910年頃 個人蔵

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ブランヴィル=クルヴォンはルーアンの東にあります。
力強く大まかな筆遣いで、手前の木立と日の当たる丘陵とをくっきりとした
明暗で分けています。
ロベール・アントワーヌ・パンション(1886-1943)はルーアン生まれの
ポスト印象派の画家で、ルーアン周辺の風景をフォーヴィズム的な手法で
描いています。

フェリックス・ヴァロットン 「オンフルールの眺め、朝」 
 1912年 オワーズ県美術館、ボーヴェ

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オンフルールはセーヌ川河口の港町です。
夏の明るい日射しが道に影を映し、遠くにはオンフルールの町と教会が見えます。
高々とした木立の緑も鮮やかですが、どこか不思議な印象を受ける木々の姿です。
フェリックス・ヴァロットン(1865-1925)はスイス生まれで、フランスで活動し、
よくオンフルールに滞在しています。

他に、シニャック、ルドン、マティスなど多くの画家の作品が展示されています。
ロマン派、バルビゾン派、印象派、ナビ派など、画風や技法はさまざまですが、
樹木の絵は観ていて心が和み、新緑の季節にふさわしい展覧会です。

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展覧会のHPです。


次回の展覧会は、「魔法の美術館/光と影のイリュージョン」展です。
会期は7月12日(火)から8月24日(日)までです。

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【2016/05/31 20:12】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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