「ポンピドゥー・センター傑作展 ―ピカソ、マティス、デュシャンからクリストまで―」 東京都美術館
上野
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上野の東京都美術館では日伊国交樹立150周年記念、「ポンピドゥー・センター傑作展
―ピカソ、マティス、デュシャンからクリストまで―」が開かれています。
会期は9月22(木・祝)までです。

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フランスの20世紀を対象に、1906年からポンピドゥー・センターの完成した1977年まで、
「1年1作家1作品」を選んで展示しています。


ラウル・デュフイ 「旗で飾られた通り」 1906年
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最初に展示されている作品で、7月14日の革命記念日のル・アーヴルの通りです。
画面いっぱいに三色旗が広がっています。

マルク・シャガール 「ワイングラスを掲げる二人の肖像」 1917-18年
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シャガールはロシア(現ベラルーシ)の出身で、パリで活躍しています。
1915年にベラと結婚したシャガールがその喜びを描いていて、
若いシャガールの顔は写実的です。
上に描かれた天使は愛娘のイーダで、後に描き足されたそうです。

ジャン・プルーヴェ 「リクライニングチェア」 1924年
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ジャン・プルーヴェ(1901-1984)はナンシーを中心に活躍した建築家・デザイナーで、
工業生産を建築や家具と融合させていて、そのデザインはミッドセンチュリー様式と
いわれます。

ロベール・ドローネー 「エッフェル搭」 1926年
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ロベール・ドローネー(1885-1941)はフランス人で初めて抽象画を描いた画家の一人です。
エッフェル塔は1889年のパリ万博のために建設されていて、ドローネーは4歳の時、
両親に連れられてパリ万博に行き、そこで見たエッフェル塔に魅了されています。
楽しそうな明るい色彩を使って、見上げるようにして描いていて、いかにもエッフェル搭が
好きなことが分かります。
アカデミズムの画家、グブロー(1825-1905)や、モーパッサン(1850-1893)が
エッフェル塔を嫌っていたのと対照的で、年代の違いということでしょうか。
デュフイやシャガール、ビュフェはエッフェル塔を描いています。

ピエール・ボナール 「浴槽の裸婦」 1931年
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入浴好きの妻、マルトを描いた作品の一つで、親密派(アンティミスト)と言われた通り、
親密な空間を色彩豊かに表しています。

アンリ・カルティエ=ブレッソン 「サン=ラザール駅裏」 1932年
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雨上がりのパリの街角の一瞬の出来事を捉えた有名な写真で、カフェなどに
よく飾られたりしています。
アンリ・カルティエ=ブレッソン(1908-2004)は20世紀を代表する写真家で、
スナップ写真を得意としています。

「サン=ラザール駅裏」が飾られていた、「ブラッスリー・ヴィロン 丸の内店」の記事です。

パブロ・ピカソ 「ミューズ」 1935年
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ミューズは芸術の神様ですが、怖い顔をして何か描いています。
愛人だったマリー・テレーズが妊娠して、妻のオルガと別居した頃の作品で、
ピカソはこの後しばらく描かなかったそうです。
眠っている人物はマリー・テレーズと言われており、冷えた色彩の絵ですが、
画面はピカソらしく緊密です。

ヴァシリ―・カンディンスキー 「30」 1937年
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油彩画で、30個の抽象的な絵柄が並んでいて、音楽を聴いているようです。
カンディンスキーは抽象画の先駆者の一人で、スターリンのロシアを去り、
ヒトラーのドイツを去り、晩年はフランスに移住しています。

1945年は第2次世界大戦の終了した年で、展示作品は無く、代わりに、この年に作られた
シャンソンの「バラ色の人生」が、エディット・ピアフの歌で流れています。

アンリ・マティス 「大きな赤い室内」 1948年
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画面は幸福な赤色で埋め尽くされています。
壁の絵、花瓶、テーブル、敷物などが二つセットになった、面白い構図です。

ベルナール・ビュフェ 「室内」 1950年
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整然とした室内は、黒の描線が冷めた印象を与えています。
ビュフェの絵からはフランスというより、アメリカのようなどこか乾いた感じを受けます。

クリスト 「パッケージ」 1961年
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クリスト(1935-)は何でも梱包する芸術家で、1985年にはセーヌ川のポン・ヌフを
梱包しています。

ジャン・デュビュッフェ 「騒がしい風景」 1973年
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ジャン・デュビュッフェ(1901-1985)はアンフォルメル(不定形)の運動の画家で、
西洋文明を否定して、未開といわれる人たちや子供の絵に価値を見出し、
「アール・ブリュット(生の芸術)」と呼んでいます。
大きな作品で、電話中に描いていた小さなスケッチから着想を得たとのことで、
確かに騒々しく不定形です。

2011年にブリヂストン美術館で開かれた、「アンフォルメルとは何か?
-20世紀フランス絵画の挑戦」展の記事
です。

アンフォルメルはアメリカの抽象表現主義と重なるところがあり、第2次世界大戦後
は芸術運動の中心もヨーロッパからアメリカに移ったことの一つの表れとなっています。

ゴードン・マッタ=クラーク 「コニカル・インターセクト(円錐の交差)」 1975年
パリ再開発に伴い破壊される古い建物に丸い穴を開けた作品のフィルムが上映されています。
ゴードン・マッタ=クラーク(1943-1978)はアメリカ人で、建物を真っ二つに切ったり、
丸い穴を開けた作品を制作しましたが、早逝しています。


会場は3つの階に分かれ、それぞれレイアウトを変えてあります。
1年に1作品という編年体式の展示というのも面白く、今まで知らなかった作家の作品も
多くあって、フランスの芸術文化の厚みを感じる展覧会です。

展覧会のHPです。


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【2016/06/16 19:22】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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