「美の祝典III 江戸絵画の華やぎ」展  出光美術館
日比谷・有楽町
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丸の内の出光美術館では開館50周年記念、「美の祝典」展が開かれています。

祝典001


出光美術館の開館50周年を記念して、所蔵する名品を3期に分けて展示するもので、
「III 期 江戸絵画の華やぎ」は7月18日(月・祝)までで、江戸絵画を中心にしています。


「祇園祭礼図屏風」(右隻部分) 六曲一双 桃山時代 重要文化財
祭001

祭002

祇園祭のみを取り上げた屏風絵では現存最古ということで、右隻に山鉾巡行、
左隻に神輿渡御の場面が描かれています。
手前、右から左に菊水鉾が進み、角を曲がって四条通を右上に向かって
函谷鉾が行きます。
さらに右に曲がると東京極大路(寺町通)です。
山鉾の車輪は板を貼り付けたような形をしています。
作者は狩野光信や孝信など慶長年間の狩野派の中心的な絵師と思われています。

江戸名所図 屏風(部分) 八曲一双
屏風6-18-2010_006

現存する江戸図では最古で、寛永の頃の江戸の賑わいを、屏風の右を北、
左を南にして描いています。
右隻には、寛永寺、浅草寺、湯島天神、神田明神、神田川、日本橋
などが見えます。
左隻は江戸城天守閣、銀座、旧吉原、愛宕社、増上寺、芝浦海岸、
東海道などです。
三社祭、櫓を上げた歌舞伎小屋、軽業の舞台、湯女風呂、子供たちの輪踊り、
柄杓を持った勧進僧、刀を抜いての喧嘩、盲人の琵琶法師に吠えかかる犬
なども描かれています。

これは神田明神での演能の場面です。
楼門、舞台、拝殿、本殿が見えます。
現在もこの絵と同じ場所に、松下幸之助の寄贈した舞台が建っています。

「四季日待図巻」 英一蝶 元禄11年~宝永6年(1698-1709) 重要文化財
英6

「日待」は、日の出を拝むため、集まって夜を明かす行事とのことです。
酒を飲んだり、碁を打ったり、瓢箪を的に弓を射たりと、人々が賑やかに
楽しんでいます。
修験者がお勤めをしている後ろで団扇であおいでいる小僧さんは居眠りを
しています。
お座敷で琴や三味線に合わせ、笠を掲げて踊る女性の姿はいかにも軽やかで、
その場の盛上がりが伝わります。
徳川綱吉の禁令に触れて、三宅島に島流しにされている時の作品ですが、
着物の柄まで細かく描かれ、目の前の光景を写したように活き活きとしています。

「風神雷神図屏風」 酒井抱一 二曲一双
琳派001

俵屋宗達の「風神雷神図屏風」を尾形光琳が模写し、さらにそれを酒井抱一が
模写したものです。

琳派の継承の流れを伝える作品ですが、宗達に比べ抱一の風神雷神は顔が
かなり優しくなっています。

琳派002

「八ツ橋図屏風」(左隻) 酒井抱一 六曲一双
琳派004

尾形光琳の「八橋図屏風」を写したものですが、葉によって色の濃さを変えて
表裏を表し、燕子花の数を少なくしてすっきりとまとめられています。
紙ではなく絹地に金箔を貼り、さらに金泥を刷いて、より輝くようにしている
とのことです。

「紅白梅図屏風」 酒井抱一 六曲一双
右隻(部分)
琳派007

左隻(部分)
琳派006

月夜を思わせる銀地の右隻にふくぶくとした紅梅、左隻に清雅な白梅を
配しています。
たらし込みを使った枝は伸びやかです。
元は金地屏風の裏側で、屏風を折りたたんだ時に裏の面同士の
当たる場所に紅梅の顔料が付着した跡が付いているのが分かります。
酒井抱一は金地屏風の裏に使われる銀地の画面を好んでいたようです。

「十二ヵ月花鳥図貼付屏風」 酒井抱一 六曲一双
右隻
琳派008

左隻
琳派009

月次花鳥図の型に依りながら、昆虫や小鳥、外来種の向日葵なども
取り入れて、現実感のある季節を描き出しています。
琳派012 琳派011 琳派010

右: 紫陽花に蜻蛉です。
中: 向日葵を描くと絵の重心が高くなります。
左: 柿の木に目白が目白押しに並んでいます。

「四季花木図屏風」 鈴木其一 六曲一双
右隻
琳派027

左隻
琳派028

右隻(部分)
琳004

右隻には白牡丹を囲むように紅白梅、蒲公英、菫、燕子花が
描かれています。
左隻に描かれているのは楓、白菊、桔梗、水仙、薮柑子です。

「更衣美人図」 喜多川歌麿 19世紀前期 重要文化財
 更衣図5-16-2010_016

すらりと立つ美人は薄い夏衣に着替えているところです。
粋な黒が襦袢の赤と釣合っています。
足元に広がる解けた帯が目を惹き、水から立ち上がった花が
咲いているようです。


特別展示 「伴大納言絵巻」(下巻部分) 平安時代 国宝

貞観8年(866)に起きた応天門の変を題材に平安時代末期に描かれた3巻の絵巻で、
この記念展が10年振りの展示となり、I期に上巻、II期に中巻、III期に下巻が展示されます。

応天門の変は、大納言伴善男が宮城の応天門に放火したとされ、流罪になった事件で、
これにより大伴氏は没落し、藤原氏が権勢を強めています。

下巻では、伴善男が応天門から下りてくるのを目撃した舎人が取り調べを受け、
その証言によって、伴善男が応天門炎上の犯人であることが明らかになります。
検非違使が伴善男の館に向かい、迎える家人たちは悲しみ、邸内では女房たちが
泣き叫びます。

伴0

検非違使たちは物々しく武装しています。
伴1

検非違使たちの中に、派手な着物を着て長い棒を持った放免
(下働きの元囚人)もいます。
伴2

牛車に乗せられ、引き立てられて行く伴善男です。
伴3


3期にわたり、やまと絵、水墨、琳派、浮世絵など、数々の作品を味わうことが出来ました。

展覧会のHPです。


次回の展覧会は開館50周年記念、「東洋・日本陶磁の至宝 ―豊麗なる美の競演」展です。
会期は7月30日(土)から9月25日(日)までです。

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【2016/06/30 20:25】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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