「メアリー・カサット展」  横浜美術館
みなとみらい
chariot

横浜美術館では、「メアリー・カサット展」が開かれています。
会期は9月11日(日)までで、木曜日は休館日です。

この後、京都国立近代美術館で9月27日(火)から12月4日(日)まで開かれます。

メアリー3


印象派のアメリカ人画家、メアリー・カサット(1844-1926)の油彩画、版画を中心に
約100点が展示されています。

工業都市ピッツバーグ郊外の裕福な家庭に育ったメアリー・カサットは子どもの頃に
ヨーロッパに滞在して、その文化、芸術に接しています。

やがて、家族の反対に遭いながらも絵画を志し、アメリカでの絵画教育に飽き足らず、
1866年にフランスに渡っています。
1870年の普仏戦争のため一旦帰国しますが、ピッツバーグ司教からコレッジオの作品を
模写してくることを依頼され、再びヨーロッパに渡ります。


「バルコニーにて」 1873年 フィラデルフィア美術館
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セビーリヤ滞在中の作品で、明暗の対照の効いた、古典的な作風です。
プラド美術館では、ベラスケスやムリーリョに魅了されています。

1874年にパリでドガに会い、ドガから印象派展への出展を奨められ、
1879年の第4回印象派展に出展し、以後、出展を続けています。
作風も印象派の影響を受けて、明るい色彩になっていきます。
メアリー・カサットは印象派のアメリカへの紹介者にもなっています。

「桟敷席にて」 1878年 ボストン美術館
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ドガやルノワールもよく描いた、劇場風景です。
女性の黒いドレスは昼の服なので、昼興行の情景だろうとのことです。
オペラグラスを使って見ている女性を向こうの男性がオペラグラスで見ているという、
面白い構図です。
メアリー・カサットの関心は常に人間にあったようです。

「眠たい子どもを沐浴させる母親」 1880年 ロサンゼルス郡立美術館
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メアリー・カサットのよく描いた母子像で、親密な親子の関係を二人の視線が表しています。
色彩もまとめられ、白い衣服の表現も巧みです。
ベラスケスなどの古典画を研究した成果でしょうか。
子どもの姿勢は、2011年に国立新美術館で開かれた、「ワシントン・ナショナル・
ギャラリー展」に展示されていた、「青いひじ掛け椅子の少女」(1878年)と似ています。

「浜辺で遊ぶ子どもたち」 1884年 ワシントン・ナショナル・ギャラリー
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浜辺で無心に砂遊びをする女の子を描いています。
1882年に亡くなった、親しかった姉のリディアと自分を重ね合わせているのかも
知れないとのことです。

「果実をとろうとする子ども」 1893年 ヴァージニア美術館
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1893年に開かれたシカゴ万国博覧会では女性館の壁画を描いています。
その絵のモティーフに関連した作品です。
リンゴのような果実の薄紅と緑を画面全体に広げています。

「家族」 1893年 クライスラー美術館
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聖母子と聖ヨハネ像のようで、聖ヨハネは十字架の杖の代わりにカーネーションを
持っています。
古典絵画の素養の深さを示しています。
メアリー・カサットの作品は人物の視線が活きているのが特徴です。

「夏の日」 1894年 テラ・アメリカ美術基金
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パリの北西のアル・メニル=テリビュにある邸宅を購入しています。
敷地にある池での舟遊びを描いています。
夏の明るい日差しや、水面に映る色彩の変化の面白さを捉えています。

「母の愛撫」 1896年頃 フィラデルフィア美術館
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二人の手の表情が、母子の親密なつながりを表しています。

「沐浴する女性」 1890-91年 ドライポイント・アクアチント ブリンマー・カレッジ
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銅版画も手掛けています。
版画は浮世絵の影響を受けていて、線描が巧みで見応えがあります。


今まであまり観る機会の無かったメアリー・カサットの作品をまとめて
観ることが出来ました。
古典の素養、印象派の影響、浮世絵の研究など、その作風も分かって、
とても興味深い展覧会です。

展覧会のHPです。

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【2016/07/07 19:16】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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