「From Life ― 写真に生命を吹き込んだ女性  ジュリア・マーガレット・キャメロン展」 三菱一号館美術館
東京
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丸の内の三菱一号館美術館では、「From Life ― 写真に生命を吹き込んだ女性 
ジュリア・マーガレット・キャメロン展」が開かれています。
会期は9月19日(月・祝)までです。

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イギリスの写真家、ジュリア・マーガレット・キャメロン(1815-1879)の写真を中心に、
約150点を展示する展覧会です。

ジュリア・マーガレット・キャメロンが本格的に写真を撮り始めたのは1863年、48歳の時で、
娘に写真機を贈られたことがきっかけだったそうです。

上野彦馬や下岡蓮杖が日本で最初の写真館を開業したのは前年の1862年で、
幕末の頃です。

この頃は大きな箱型で、簡単に持ち運べる物ではなく、数秒間の露光時間が必要で、
スナップショットなどは撮れません。

ジュリアが撮ったのは身近な人たちの肖像写真や、物語や聖書の世界になぞらえた
人物写真です。

展示室の一部は撮影可能です。

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著名人の肖像写真としては、詩人のアルフレッド・テニスンやロバート・ブラウニング、
進化論を唱えたチャールズ・ダーウィン、ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティの弟で
美術評論家のウィリアム・マイケル・ロセッティなどが展示されています。
ジュリアの撮った写真によって肖像の残っている人物もあるそうです。

眉間の高いダーウィンの写真を見て、ネアンデルタール人を連想しました。

「ハーバート・ダックワース夫人」 1864年 ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館
キャメロン3

ジュリアの姪、ジュリア・プリンセプ・ジャクソンの肖像で、彼女は象徴主義の画家、
ジョージ・フレデリック・ワッツやエドワード・バーン=ジョーンズやの絵のモデルにもなり、
後にヴァージニア・ウルフの母となります。

「ポールとヴィルジニー」 1864年 ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館
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「ポールとヴィルジニー」は幼馴染みの悲恋の物語です。
ルイス・キャロルの撮った子どもの写真と似た雰囲気があります。
「不思議の国のアリス」の作者、ルイス・キャロルは写真家としても知られていて、
ジュリアの肖像も撮っています。

「ベアトリーチェ」 1866年 ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館
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16世紀のイタリアの女性で、死刑となった悲劇の主人公、ベアトリーチェ・チェンチを
題材にした作品です。
ベアトリーチェの姿はグイド・レーニの描いた絵を参考にしています。

「ミューズの囁き」 1865年 ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館
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ジョージ・フレデリック・ワッツをモデルにして、音楽や文芸の女神ミューズが
芸術家にささやく場面をつくっています。

「五月祭」 1866年頃 ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館
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五月祭はキリスト教の伝来以前のヨーロッパで祝われていた春の祭りです。
五月女王(メイクイーン)を中心にした、異教的な雰囲気の作品です。

ジュリアはピントのぼけや、現像の際の傷などをそのまま残したりしています。
当時は、素人の作品の証拠であるとしてけなされたりしていますが、現在では
革新的な技法として評価されています。

ジュリアは、アイルランドのジャガイモ飢饉のため、故郷をを離れて物乞いをしていた
少女の美しさに惹かれて、その子を引き取り、教育を施しています。
少女はジュリアの作品のモデルにもなっていて、後に高級官僚と結婚し、
上流階級の仲間入りをしています。
ジョージ・バーナード・ショーの戯曲、「ピグマリオン」(「マイ・フェア・レディ」の原作)を
思い出す話です。


写真には記録写真と芸術写真がありますが、芸術写真の世界を切り拓いていたという
ジュリア・マーガレット・キャメロンとその作品を知ることが出来ました。
大英帝国の一番栄えた時期である、19世紀イギリスの雰囲気も味わえました。

展覧会のHPです。



ジュリアも歩いていそうな、ブリックスクエアの中庭です。

キIMG_0117 - コピー


中庭の彫刻はヘンリー・ムーアからエミリオ・グレコの「うずくまる女」(1971)に変わりました。

エIMG_0076


次回の展覧会は「拝啓 ルノワール先生 ― 梅原龍三郎に息づく師の教え」展です。
会期は10月19日(水)から2017年1月9日(月・祝)までです。

ルノワール7-30-2016_007

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【2016/09/03 20:31】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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