「ヴェネツィア・ルネサンスの巨匠たち展」 国立新美術館
乃木坂
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六本木の国立新美術館では、日伊国交樹立150周年特別展、アカデミア美術館所蔵
「ヴェネツィア・ルネサンスの巨匠たち展」が開かれています。
会期は10月10日(月)までで、火曜日は休館日です。

ベネツィア0


ヴェネツィアのアカデミア美術館の所蔵する、ヴェネツィア・ルネサンス期の絵画、
約60点を展示する展覧会です。

ジョヴァンニ・ベッリーニ 「聖母子(赤い智天使の聖母)」 1485-90年
ベネツィア1

風景を背にした聖母子を明るい色彩で優しく描き出しています。
マリアの顔に差す光や影の表現も巧みです。
智天使(ケルヴィム)は旧約聖書によれば4つの顔と4つの顔を持つ天使ですが、
ルネサンス期には赤子の顔と翼で表されているそうです。
ジョヴァンニ・ベッリーニ(1430頃―1516)はヴェネツィアの初期ルネサンスを
代表する画家です。

アンドレア・プレヴィターリ 「キリスト降誕」 1515-25年
ベネツィア0_2

ベネツィア1_2

ベネツィア2_2

マリアとヨセフが輝く幼子イエスを見守り、画面左上では天使が羊飼いたちに
イエスの誕生を告げています。
面白いのは、牛とロバがイエスに息を吹きかけて温めている様子も
描かれていることです。
天使の下の白い山はマッターホルンのような形をしています。
画家はアルプスを通ったことがあるのでしょうか。

ティツィアーノ・ヴェチェッリオ 「聖母子(アルベルティーニの聖母)」 1560年頃
ベネツィア2

ヴェネツィア・ルネサンスを代表する画家、ティツィアーノの晩年の作品で、
霞のようなぼかした画面が特徴です。
見つめ合う聖母子の間には自然な情愛が感じられます。

ティツィアーノ・ヴェチェッリオ 「受胎告知」 
 1563-65年頃 サン・サルヴァドール聖堂蔵

ベネツィア3

ベネツィア4

縦410㎝の巨大な画面で、重厚な色彩で、マリアと受胎を告げる大天使ガブリエル、
空には天使たちと精霊を表す鳩が描かれています。
ガブリエルは画面手前にあって、マリアに迫る勢いで、マリアは奥にあって
身を引いて驚いています。
天からの光の中で、天使たちは湧き上がるように現れ、音楽が聞こえて来そうです。
ヴァザーリの「芸術家列伝」によれば、ミケランジェロはティツィアーノに会い、
その作品を見た時は称賛したものの、後でヴァザーリに、ティツィアーノの
色彩は優れているが、デッサンと画面構成に難があると批評しています。
しかし、このバロックを思わせる、躍動的な作品を観ると、その批評が
当たっているようには思えません。

ヤコポ・ティントレット(本名ヤコポ・ロブスティ) 「聖母被昇天」 1550年頃
ベネツィア5

聖母マリアが生の終わりに天に上げられた場面が描かれています。
イエスが自ら天に昇ったので、昇天なのに対し、マリアの場合は被昇天です。
棺の周りで驚き、見上げる人々が重なり、マリアは智天使たちに囲まれて天に向かう、
劇的な情景です。
ヤコポ・ティントレット(1518-94)はティツィアーノの弟子で、ルネサンス後期の
ヴェネツィアを代表する画家です。

パオロ・ヴェロネーゼ(本名パオロ・カリアーリ) 「レパントの海戦の寓意」 
 1572-73年頃
 
ベネツィア0_1

ベネツィア1_1

1571年にローマ教皇・スペイン・ヴェネツィアの連合軍とオスマン帝国との間で
戦われた、レパントの海戦を描いています。
勝利の直後に制作されていて、海上では数百隻の軍艦がぶつかり合っています。
それを見下ろす雲の上では、ヴェネツィアあるいは信仰を表す女性が聖母マリアに
ひざまずき、ローマの守護聖人ペテロ(天国の鍵を持つ)、スペインの守護聖人ヤコブ
(巡礼の杖を持つ)、ヴェネツィアの守護聖人マルコ(ライオンを従える)が囲んでいます。
マリアの下の雲から差す光は連合軍への祝福でしょうか。
現在でも、ヴェネツィアのドゥカーレ宮殿にはこの海戦での数々の戦利品が
展示されています。
パオロ・ヴェロネーゼ(1528-88)はティントレットと共に、ルネサンス後期の
ヴェネツィアを代表する画家です。

ヤコポ・ティントレット(本名ヤコポ・ロブスティ) 「サン・マルコ財務官
ヤコポ・ソランツォの肖像」 1550年頃

ベネツィア2_1

ティントレットは優れた肖像画も描いています。
サン・マルコ財務官はベネツィア共和国で統領(ドージェ)に次ぐ地位にある官職です。
豪華な衣装の表現と、厳格そうな表情が目を惹きます。

ベルナルディーノ・リチーニオ 「バルツォ帽をかぶった女性の肖像」 1530-40年頃
ベネツィア3_1

バルツォの流行は当時のファッションリーダーだった、マントヴァの
イザベラ・デステに始まるということです。
服は簡略に描かれ、黑と金色が顔を引き立たせています。
肌も瞳も明るく、やわらかに描かれています。


他にも、ルネサンス初期から終焉まで、多くの画家の作品があって、興味深い展覧会です。
グッズの店員さんもゴンドラの船頭さんと同じ横縞のシャツを着ていました。

展覧会のHPです。

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【2016/08/18 19:31】 美術館・博物館 | トラックバック(1) | コメント(0) |
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blog_name=【dezire_photo & art】 ♥   日本初公開・ベッリーニとティツィアーノの大作・ヴェネツィア・ルネサンスの魅力
 
ヴェネツィア・ルネサンスの巨匠たちGreatmasters of the Venetian Renaissance 東京六本木の国立新美術館で、日本初公開のジョヴァンニ・ベッリーニの作品とティツィアーノの大作『受胎告知』を初めとしたヴェネツィア・ルネサンスの傑作が公開されました。
【2016/10/03 19:11】

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