「浮世絵 六大絵師の競演 -春信・清長・歌麿・写楽・北斎・広重-」展 山種美術館
恵比寿
chariot

広尾の山種美術館では開館50周年記念特別展、「浮世絵 六大絵師の競演
-春信・清長・歌麿・写楽・北斎・広重-」展が開かれています。
会期は9月29日(木)までです。

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鈴木春信 「梅の枝折り」 1767-68(明和4-5)年頃
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町娘が侍女の肩に乗って、咲いた梅の枝を折ろうとしています。
着物の柄は季節に合った雪持ち笹です。
脱いだ草履が裏返っているのも面白い情景です。
お転婆な情景を都会的な詩情をもって描いています。

鳥居清長 「風俗東之錦 武家の若殿と乳母、侍女二人」 1784(天明4)年頃
浮世絵3

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鳥居清長はすらりとした長身の美人を描いて、人気を得ています。
長身にしたのは西洋絵画の影響とも言われています。
ごま摺という、バレンの力を加減して、ごまを撒いたようなざらついた色付きを出す技法を
女性の着物の部分に使っています。
また、板ぼかしという、浅い角度で彫って、色の境目をぼかす技法を女性の被っている
揚げ帽子の部分で見せています。

喜多川歌麿 「青楼七小町 鶴屋内 篠原」 1794-95(寛政6-7)年頃
浮世絵2

七宝つなぎの絞り染めの着物に伊達兵庫の髪、べっ甲の櫛かんざしの花魁が、
かんざしに手をやっているところです。
髪の生え際の細い線を表す、毛彫りまたは毛割という、彫師の技を見せています。
このような細密な表現は歌麿あたりから始まったそうです。

東洲斎写楽は3点、展示されています。

「八代目森田勘弥の駕篭舁鴬の次郎作」 1794(寛政6)年
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「敵討乗合話」という演目の中で、八代目森田勘弥(1759–1814)の演じる
駕篭舁鴬の次郎作です。
絞り染めらしい着物に、森田勘弥の定紋、丸にかたばみを付けています。

葛飾北斎 「冨嶽三十六景 凱風快晴」 1830(文政13)年頃
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会場の最初に展示されている、北斎の代表作です。
富士山そのものに対峙しています。

一番の見所は、歌川広重の保永堂版「東海道五拾三次」が全点、展示されていることで、
その多くが初刷りです。

歌川広重 「東海道五拾三次」より「日本橋・朝之景」 1833~36(天保4-7)年頃
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有名な、日本橋を渡る大名行列の絵で旅は始まります。
最初期の摺りで、雲も描かれています。
後の摺りでは雲は省かれています。
太鼓橋の形を上手く使っていて、お侍の武張った肘も描写されています。
手前の高札場の横では、日本橋の市場で仕入れた魚屋や八百屋の棒手振りが
商いに出かけるところです。
町の木戸は開けられ、遠くには火の見櫓も見え、いかにも江戸らしい鮮やかな風景です。

歌川広重 「東海道五拾三次」より「庄野・白雨」 1833~36(天保4-7)年頃 
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広重の 「東海道五拾三次」を代表する作品です。
にわか雨に慌てて、鍬を担いで坂を駆け下る人、駆け上がる駕篭、風に揺れる
木々には動きがあり、しかも叙情性に満ちた絵になっています。
対角線の構図は、広重の学んだ四条派の影響とのことです。

歌川広重 「名所江戸百景 大はしあたけの夕立」 1857(安政4)年
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新大橋(大橋)を西側から見た図です。
川向こうに幕府の御船蔵があり、安宅船(戦艦)を収容していたので、「あたけ」の
地名が付いています。
初期の摺りなので、御船蔵の屋根も見えますが、後の摺りでは消されています。
びっしり並んだ細い線で雨を表し、あてなしぼかしという摺りの技法を使って、
むらむらとした雨雲を表現しています。
広重は雨の表現が巧みです。


第2展示室には近代日本画の作品が数点展示されています。

東山魁夷 「春来る丘」 1966年(昭和41)年
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阿蘇外輪山の早春の風景で、小道や林、畑が重なって、面白い形になっています。
木々にはまだ緑は見えませんが、空の色には春の近さを感じます。

山口蓬春 「梅雨晴」 1966(昭和41)年
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日の光を受けて輝く、みずみずしい紫陽花です。
山口蓬春の作品はモダンで明快です。
山種美術館の開館記念に描かれたとのことです。


人気のある展覧会のようで、普段よりかなり多い来館者で賑わっていました。

山種美術館のHPです。


次回の展覧会は開館50周年記念特別展、「速水御舟の全貌-日本画の破壊と創造-」展です。
会期は10月8日(土)から12月4日(日)までです。

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【2016/09/17 19:46】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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