「動き出す!絵画 -ペール北山の夢 -モネ、ゴッホ、ピカソらと大正の若き洋画家たち」展 東京ステーションギャラリー
東京
chariot

東京駅の東京ステーションギャラリーでは、「動き出す!絵画 -ペール北山の夢
-モネ、ゴッホ、ピカソらと大正の若き洋画家たち」展が
開かれています。
会期は11月6日(日)まで、入館料は一般1000円です。

動き0


明治末から大正期にかけて、印象派、ポスト印象派、キュビズムなど、西洋の新しい絵画の
潮流を受け止めた、日本の画家たちの活動を紹介する展覧会で、西洋と日本の作品、
約130点と資料などが展示されています。
また、美術専門誌「現代の洋画」を発刊し、展覧会を開催したりして美術家を支援した
北山清太郎(1888-1945)についても紹介しています。

「現代の洋画」第2号 1912年 和歌山県立近代美術館
9-26-2016_001.jpg


エドモン=フランソワ・アマン=ジャン 「髪」 1912年頃 大原美術館
動き9-26-2016_002

大原孫三郎の支援を受けて欧州に留学していた児島虎次郎(1881-1929)が大原に願って
購入した作品です。
児島が日本に持ち帰り、1913年に東京で公開されています。
甘美な雰囲気で、アマン=ジャンはこのような丸い画面を好んでいます。

ピエール=オーギュスト・ルノワール 「泉による女」 1914年 大原美術館
動き2_1

大原孫三郎の支援を受けて渡仏していた満谷国四郎(1874-1936)が大原の意向を受けて、
南仏のカーニュに住む晩年のルノワールを訪れ、制作を依頼した作品です。
絵を持ち帰ったのは安井曾太郎(1888-1955)で、絵具がまだ乾いていないので、
運ぶのに困ったそうです。

この作品は満谷国四郎たちの設立した太平洋画会(現在の太平洋美術会)の
1915年の12回展に展示され、北山清太郎が撮影しています。

北山清太郎は美術家たちの支援に務めていたことから、ゴッホを支援した
ペール・タンギー(タンギー爺さん)になぞらえて、ペール北山と呼ばれています。

フィンセント・ファン・ゴッホ 「雪原で薪を集める人びと」 1884年
吉野石膏株式会社(山形美術館寄託)

動き1

パリに出てくる前、オランダ時代に描いた作品で、この頃は農民の生活を
題材にしています。

萬鉄五郎 「女の顔(ボアの女)」 1912年 岩手県立美術館
動き1_1

ゴッホの「タンギー爺さん」に倣ったと思われる画面で、女性は正面を向き、
壁に絵が飾られています。
ゴッホのジャポニスムに対して、和服に西洋風のボア、手袋という取り合わせが
対照になっているそうです。

萬鉄五郎 「雲のある自画像」 1912‐13年 岩手県立美術館
動き3

「女の顔(ボアの女)」と同じ頃の作品ですが、フォーヴィズム風で、
ちょっと病的な雰囲気があります。
萬鉄五郎(1885-1927)の画風はさまざまに変化しています。

木村荘八 「壷を持つ女」 1915年 愛知県美術館
木004

木村荘八(1893-1958)は1912年に岸田劉生と出会い、ヒュウザン会、草土社の
結成にも参加しています。
妻をモデルにした、初期の作品で、作風も岸田劉生風です。
木村荘八は北山清太郎の「現代の洋画」の編集に協力しています。

2013年に同じ東京ステーションギャラリーで開かれた、「木村荘八展」の記事です。

岸田劉生 「黒き帽子の自画像」 1914年 個人蔵
動き0_1

デューラーに倣った、重厚な自画像です。
岸田劉生(1891-1929)は1912年に木村荘八・萬鉄五郎・斎藤与里らとともにヒュウザン会を
結成しています。

藤島武二 「幸ある朝」 1908年 泉屋博古館分館
泉004

藤島武二(1867-1943)は1905年に渡仏し、フェルナン・コルモンや
カロリュス=デュランに師事しています。
良い便りのもたらす幸福感を鎧戸からの光、花瓶の花、女性の表情で表した、
藤島武二の特徴のロマンチックな雰囲気を持った作品です。


斎藤豊作 「秋の色」 1912年 泉屋博古館分館
動き4

色彩も鮮やかで、目を惹く作品です。
斎藤豊作(1880-1951)は1906年から1912年までフランスに留学し、
黒田清輝らの師だったラファエル・コランに師事していますが、
新印象派の点描を学び、日本に伝えています。

中村彝(なかむらつね) 「カルピスの包み紙のある静物」 
 1923年 茨城県近代美術館

動き2

中村彝(1887-1924)は「エロシェンコ像」で有名ですが、結核のため、
37歳で亡くなっています。
亡くなる前年の作品で、印象派風の「エロシェンコ像」とは違って、
キュビスムを取り入れています。
カルピスは1919年の発売開始で、当時は滋養強壮効果を謳われていて、
中村彝も愛飲していたようです。


北山清太郎は後にアニメへの関心を高め、美術界から離れて、アニメの制作に
打ち込むようになります。
会場では北山が1918年に制作したアニメ、「浦島太郎」(東京国立近代美術館
フィルムセンター蔵)なども上映されています。


展示されている作品は小品が多いですが、西洋美術のさまざまな潮流を受け止めた
画家たちの奮闘の跡が偲ばれて、とても興味深い展覧会です。

展覧会のHPです。


次回の展覧会は、「追悼特別展 高倉健」です。
会期は11月19日(土)から2017年1月15日(日)までです。

関連記事

【2016/10/13 19:56】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
comment
 
コメントを書く
コメントは承認後に公開されます。ご了承ください。
please comment















管理者にだけ表示を許可する

trackback
trackback url ↓
http://nekoarena.blog31.fc2.com/tb.php/3099-50e08b53

プロフィール

chariot

Author:chariot
東京のビルの多い街で暮らしています。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

カテゴリー

ブログ内検索

月別アーカイブ

リンク

このブログをリンクに追加する

RSSフィード


| ホーム |