「松島 瑞巌寺と伊達政宗」展 三井記念美術館
三越前
chariot

日本橋の三井記念美術館では特別展、「松島 瑞巌寺と伊達政宗」展が開かれています。
会期は11月13日(日)までです。
会期中、一部展示替えがあります。

瑞巌寺7-15-2016_010


宮城県松島の瑞巌寺は臨済宗妙心寺派の寺院で、平安時代に天台宗延福寺として
創建されています。
鎌倉時代に臨済宗となり、寺号を円福寺としますが、戦国時代に衰微します。
これを再興したのが伊達政宗(1567-1636)で、寺号も松島青龍山瑞巌円福禅寺としています。


「五大明王像(不動明王)」 平安時代・10世紀 瑞巌寺蔵 重要文化財 
松島4

ケヤキの一木造で、内刳りは無く、この地方の作と思われるとのことで、
彫りはやや粗く、素朴な感じのする像です。
五大明王が揃って展示されていますが、本来は33年に1度の開帳の秘仏で、
次回の開帳は2039年のところ、今回特別に展示されているとのことです。

「瑞巌寺本堂障壁画 松孔雀図」 狩野左京筆 
 江戸時代・元和6~8年(1620~22) 瑞巌寺蔵 重要文化財

松島1

10月10日までの展示です。
本堂中心を飾っていた全6面の豪華な襖絵で、牡丹をあしらった引手が付いています。
狩野(佐久間)左京は伊達家最初のお抱え絵師です。

「瑞巌寺本堂彫刻欄間」  7面 江戸時代・慶長14年(1609) 瑞巌寺蔵 国宝
本堂の平成の大修理の終わったのを機としての展示で、この後は欄間に嵌め込まれるので、
今回は目近に観ることの出来る貴重な機会です。

 「塵芥集」 村田本 室町時代・16世紀 仙台市博物館 重要文化財
9月30日までの展示でした。
10月1日からは江戸時代書写の佐藤本が展示されます。
伊達稙宗が天文5年(1536)に制定した分国法(戦国大名の制定した法令)です。

 「伊達治家記録」 江戸時代・18世紀 仙台市博物館
伊達輝宗(政宗の父)から13代藩主伊達慶邦までを記した伊達家の記録です。
政宗の誕生の箇所には「御童名ハ梵天丸」とあります。

「黒漆五枚胴具足」 伊達政宗所用 
 桃山時代・16~17世紀 仙台市博物館蔵 重要文化財

松島5

9月30日までの展示でした。
胴は5枚の鉄板を蝶番でつなぎ、黒一色でまとめ、はじめから袖はありません。
兜には大きな金の三日月の前立てを掲げた、さすが伊達と思わせる「シック」な甲冑です。
伊達家家臣もこの形式の具足を着用しています。

「吉野懐紙 伊達政宗和歌懐紙」 伊達政宗筆 
 桃山時代・文禄3年(1594) 仙台市博物館 重要美術品

豊臣秀吉が徳川家康や前田利家など諸大名や公家を連れて吉野に花見に出かけ、
2月29日に和歌の会を催した折の歌を集めた巻物です。

政宗の歌は

はなのねかひ
 おなしくハあかぬこゝろにまかせつゝちらさて花をミるよしもかな
 
はなをちらさぬかせ
 とをかりし花のこすゑも匂ふなり枝にしられぬ風やふくらん

「道の記」 伊達政宗筆 江戸時代・元和元年(1615) 仙台市博物館蔵
松島2

元和元年に京都から江戸に下る途中の政宗が京都の近衛信尋らと交わした和歌や
道中に詠んだ和歌をまとめた紀行文です。
金銀泥を使った豪華な料紙に書かれています。

松島10-2-2016_001

 花や花それともあかぬ詠してなかき日かけも夕くれの空

大坂冬の陣の和議成立後、参陣して堀の埋め立てにも参加していた政宗の
大坂からの引き揚げの旅だったのでしょうか。
この後すぐに大坂夏の陣が始まり、政宗は後藤基次や真田信繁と戦っています。

「徒然草(抄)」 伊達政宗筆 江戸時代・17世紀 仙台市博物館蔵
有名な137段、「花は盛りに、月は隈なきをのみ見るものかは」を筆写しています。
政宗の美意識にも合っていたのでしょう。

「梅小禽図(部分)」 伊達政宗筆 江戸時代・17世紀 個人蔵
松島3

新発見の絵で、家臣の馬場親成(1570-1631)が拝領しています。
箱書に「梅ニ雀」とありますが、ミヤマホオジロではないかということです。

「菊花図屏風」 詩歌伊達政宗筆 江戸時代 仙台市博物館蔵 重要美術品
松島0

10月10日までの展示です。
元は政宗の隠居城だった若林城の襖絵で、新古今集や和漢朗詠集から選んだ歌を
政宗自筆で書き入れています。
晩年の政宗は自分の趣味に合った居住空間をつくっていたのでしょう。
 
戦国時代を戦い抜き、後に独眼竜と呼ばれた伊達政宗ですが、猛将のイメージと異なる、
風雅な文芸の才や絵心には驚きます。

政宗晩年の漢詩です。

 馬上少年過 世平白髪多 残躯天所赦 不楽是如何

戦野を駆け巡った政宗の晩年の心境を表しています。
政宗と違い、私は錆槍担いだ足軽に過ぎませんが、思いはまったく同じです。

展覧会のHPです。


次回の展覧会は国立劇場開場50周年記念特別展、「日本の伝統芸能展」です。
会期は11月26日(土)から2017年1月28日(土)までです。

伝統10-2-2016_002

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【2016/10/04 19:57】 美術館・博物館 | トラックバック(1) | コメント(0) |
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これは昨日のことである。 朝の日曜美術館で、現在サントリー美術館で開催中の「鈴木其一」の展覧会の紹介があった(参照)。 天気は上々、風もない絶好のお出掛け日和なので、大混雑が予想されるサントリー美術館やその周辺の六本木界隈を避けて、日本橋の三井記念美術館で開かれている「松島 瑞巌寺と伊達政宗」展を見てきた。昨年6月に、「瑞巌寺」を訪れる機会があったが(参照)、瑞巌寺全体が平成大修...
【2016/10/04 20:40】

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