「驚きの明治工藝展」 東京藝術大学大学美術館
上野
chariot

上野の東京藝術大学大学美術館では、「驚きの明治工藝展」が開かれています。
会期は10月30日(日)までです。

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台湾の漢方薬剤師、宋培安氏は日本の明治時代を中心にした工芸作品、
約3000点のコレクターでもあります。
今回、このコレクションのうち、約130点が展示されています。

会場は撮影可能です。

「自在龍」 宗義 明治-昭和時代 鉄 長300.0cm
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全長3mもある世界最大の自在置物で、会場入口の上空を翔んでいます。
田中宗義(生没年未詳-1950)の作です。
自在置物は鎧の需要の減った江戸時代に甲冑師の考案した金属製の置物で、
自在に形を変えることが出来ます。

「自在鯉」自在鯉 宗一 明治時代 鉄 長48.5cm
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宗一(生没年未詳)は本名冨木伊助、石川県羽咋郡富来町出身で、
冨木家は自在置物の制作を続けて、現在に至っています。

「自在鯱」 無銘 江戸時代 鉄 長52.0cm
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鯱(しゃち)は想像上の動物で、城の櫓などに火除けとして置かれています。
何とも元気そうな鯱で、これなら火事も防げそうです。

自在置物は24点、展示されています。

「瓦上の雀置物」 好山 明治-昭和時代 鉄、銅、銀、赤銅、四分一 長25.0cm
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瓦と小鳥を取り合わせた作品はこの頃よくつくられていたようです。
高瀬好山(1869-1934)は金沢市出身で、2代冨木伊助に金工を学んでいます。

「留蝉蓮葉水盤」 宮川香山 明治-大正時代 青磁 色絵 径16.8cm 高15.1cm
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横浜真葛焼の創始者、宮川香山(1869-1934)は輸出用に高浮彫という、
彫刻のような技法を開発しています。

「菖蒲文花瓶」 宮川香山 明治-大正時代 青磁 胴径15.5cm 高26.5cm
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宮川香山は高浮彫の後、このような釉下彩の作品を制作しています。

「色絵金彩鴛鴦置物」 宮川香山 明治-大正時代 白磁 色絵 幅18.0cm 高11.3cm
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宮川香山は野々村仁清似の作品もつくっています。

「龍文壷」 並河靖之 明治時代 七宝 胴径7.0cm 高9.3cm
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並河靖之(1845-1927)は色の境目に金属線を置く有線七宝と
黒色透明釉で有名です。

「秋草鶏図花瓶」 涛川惣助 明治時代 七宝 胴径17.5cm 高42.8cm
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涛川惣助(1847-1910)は並河靖之と並び称される七宝作家で、
色の境目に置く金属線を焼成前に抜く無線七宝を開発しています。

「梅竹文酒燗器」 加納夏雄 明治6年(1873) 銀 片切彫 胴径6.2cm 高13.3cm
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加納夏雄(1828-1898)は京都出身の彫金家で、明治政府の発行する
新貨幣の原型を制作しています。

「背負籠香炉」 海野勝珉 明治-大正時代 金、銀、四分一、赤銅 高彫色絵 高14.0cm
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海野勝珉(1844-1915)は水戸出身の彫金家で、加納夏雄に師事しています。

「古獣文壺」 山田宗美 明治時代 鉄 打出 胴径34.0cm 高37.0cm
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山田宗美(1871-1916)は石川県加賀市出身で、1枚の鉄板から打ち出す
鍛金の技法により制作しています。

「狸置物」 大島如雲 明治-昭和時代 銅 鋳造 高18.0cm
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何ともとぼけた姿の狸です。
大島如雲(1858-1940)は江戸生まれの鋳金家で、蝋型鋳造を行なっています。

「双鳥文手箱」 旭玉山 明治-大正時代 桐、象牙 螺鈿 縦14.5cm 横11.0cm
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桐の箱に象牙などの別の素材を嵌め込む彫嵌の技法によっています。
旭玉山(1843-1923)は江戸生まれの牙彫作家で、高村光雲とともに
東京美術学校の教授も勤めています。
高村光雲によれば明治時代の彫刻といえば象牙などに彫刻する
牙彫(げちょう)が中心だったそうです。

「帆掛け船図壁掛」 無銘 明治時代 天鵞絨友禅 縦60.0cm 横60.0cm
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当時の和船の構造がよく分かります。
天鵞絨(ビロード)友禅は京都の呉服商、西村總左衛門(1855-1935)の開発した、
ビロードに友禅染を施す技法です。
写実的な絵柄が海外で好まれ、ほとんどが輸出されています。


工芸の各分野にわたって、一人でよくこれだけの優品を集めたものだと思う、
とても充実した展覧会です。

2014年には三井記念美術館で「超絶技巧! 明治工芸の粋」展が開かれていました。

「超絶技巧! 明治工芸の粋」展の記事です。

展覧会のHPです。


上野広小路の証券会社のパンダは、もうハロウィーンで盛り上がっていました。

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【2016/10/11 19:46】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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