「ゴッホとゴーギャン展」 東京都美術館
上野
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上野の東京都美術館では、「ゴッホとゴーギャン展」が開かれています。
会期は12月18(日)までです。

ゴッホ0


ポスト印象派の画家で、関係の深かったフィンセント・ファン・ゴッホ(1853-1890)と
ポール・ゴーギャン(1848-1903)の作品約50点を中心にした展覧会です。

二人に影響を与えたり、親交のあった、ミレー、コロー、ピサロ、アドルフ・モンティセリ、
シャヴァンヌ、エミール・ベルナールなどの作品も展示されています。

ポール・ゴーギャン 「自画像」 1885年 キンベル美術館
ゴッホ7

妻の出身地のコペンハーゲンでの事業に失敗し、屋根裏部屋で首を吊ろうかと
思い詰めていた頃の作品とのことです。
我の強いゴーギャンにしては表情に強さが無く、冷たい色調です。
この後、画家として生きる決断をして、パリに向かっています。

フィンセント・ファン・ゴッホ 「自画像」 1887年 クレラー=ミュラー美術館
ゴッホ4

鏡を見て描いているので、チョッキのボタンが逆になっています。
ゴッホの自画像はオランダ時代には無く、描き始めたのはパリに出て来て、
弟テオのアパルトマンに住み、適当な大きさの鏡を使えるようになってからとのことです。
生活が苦しかったので、カンヴァスでなく、厚紙に描いていて、絵具が良くないのか、
褪色しているように見えます。

フィンセント・ファン・ゴッホ 「モンマルトル、 ムーラン・ド・ラ・ギャレットの裏」
1887年 ファン・ゴッホ美術館 (フィンセント・ファン・ゴッホ財団)

10-15-2016_001.jpg

オランダ時代はバルビゾン派風の暗い色調の絵を描いていたゴッホは、
パリに出て来て印象派や新印象派の影響を受けて、明るい色彩で
強いタッチの絵を描くようになります。
賑やかな社交場だったムーラン・ド・ラ・ギャレットも周りには畑が残り、
ここが新開地だったことを示しています。
ルノワールが代表作、「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」を描いたのは
約10年前の1876年です。

フィンセント・ファン・ゴッホ 「収穫」 1888年 ファン・ゴッホ美術館
ゴッホ3

この年の2月にゴッホはパリから南仏のアルルに移り住んでいます。
麦の収穫の頃の風景で、遠くの景色までていねいに描かれており、
彼の自信作だったようです。

フィンセント・ファン・ゴッホ 「ゴーギャンの椅子」 1888年 ファン・ゴッホ美術館
ゴッホ1

ゴッホの誘いに応じて10月にゴーギャンがアルルにやってきます。
ゴッホはゴーギャンのために椅子を買っています。
ろうそくと本はゴーギャンを表していて、ゴッホは思想性の強いゴーギャンを
「詩人」と呼んでいます。

ポール・ゴーギャン 「ブドウの収穫、人間の悲惨」 1888年 オードロップゴー美術館
ゴッホ6

ジュートに描いています。
アルルでゴッホと散歩している時に見たブドウ畑光景とのことですが、
作業している女性はブルターニュの風俗をしています。
座り込んでいる女性は物乞いとのことです。
対象を見ていないと描けないゴッホと違って、想像で描くことが多いゴーギャンの
特徴を表しています。

フィンセント・ファン・ゴッホ 「ジョゼフ・ルーランの肖像」 1889年 クレラー=ミュラー美術館
ゴッホ5

ジョゼフ・ルーランは駅の郵便物係で、よくゴッホの作品のモデルになっています。
色彩は明るく温かく、背景に描かれた花模様が華やかです。
制服の青と目の色が合っていて、立派なヒゲにも青色が入っています。

ポール・ゴーギャン 「アルルの洗濯女」 1888年 ビルバオ美術館
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写実を離れた、平面的な画面で、形も揺らめいています。

ポール・ゴーギャン 「タヒチの3人」 1899年 スコットランド国立美術館
ゴッホ2

背景は縞模様になっていて、象徴的な雰囲気を見せています。
左の女性の持っているリンゴはアダムとイヴのリンゴを暗示しているそうです。

ポール・ゴーギャン 「肘掛け椅子のひまわり」 1901年 E.G. ビュールレ・コレクション財団
ゴッホ1_1

ゴッホがゴーギャンをアルルに迎えるときに用意した椅子や、ゴッホを象徴するような
ひまわりを描いています。
窓の外はゴーギャンの現在を表すタヒチの海です。
ゴッホの耳切り事件で、共同生活が破綻した二人ですが、ゴーギャンはゴッホのことを忘れず、
後年にも懐かしく思い出していたことが分かります。


パリに出て印象派の影響を受け、アルルで共同生活し、やがて分かれて、それぞれ自らの
絵画世界を造り上げていく過程を、作品を観ながらたどれる展覧会です。
ゴッホの「ゴーギャンの椅子」とゴーギャンの「肘掛け椅子のひまわり」を共に観ることが
出来たのは収穫でした。

展覧会のHPです。

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【2016/10/22 16:17】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(5) |
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  • こんばんは。
  • 二人の交流を作品によって辿ることの出来る、とても興味深い展覧会でした。

    【2016/12/15 22:51】 url[chariot #/8nqih4Y] [ 編集]
  • ゴッホとゴーギャン展
  • こんにちは、
    私も「ゴッホとゴーギャン展」を見てきましたので、詳しい鑑賞レポートを読ませていただき、ダリの作品みたときの感動を追体験することができました。
    ご紹介いただいた作品は、私も強く印象に残った作品ばかりで拝見させていただき嬉しくなりました。


    私ゴッホとゴーギャンの共同生活が生み出した成果とについてレポートしてみました。読んでいただけると嬉しいです。引き続き、共同生活の破たんの原因とゴッホ絵画の本質を考察を書いており、近々アップする予定です。そちらの方もご興味がありましたら見ていだけると感謝いたします。

    【2016/12/15 17:19】 url[dezire #skr9U.BY] [ 編集]
  • こんばんは。
  • さまざまな色の織り成すアートに見入ってしまいました。

    【2016/10/22 23:26】 url[chariot #/8nqih4Y] [ 編集]
  • 管理人のみ閲覧できます
  • このコメントは管理人のみ閲覧できます

    【2016/10/22 22:23】 url[ #] [ 編集]
  • ゴッホとゴーギャン
  • こんばんは。
    とても綺麗な色彩ですね。是非行きたいと思いました。

    【2016/10/22 22:11】 url[マサちゃん #-] [ 編集]
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