「拝啓ルノワール先生 ―梅原龍三郎に息づく師の教え」 ブロガー特別内覧会
東京
chariot

丸の内の三菱一号館美術館で10月20日に開かれた、青い日記帳×「拝啓ルノワール先生
―梅原龍三郎に息づく師の教え」ブロガー特別内覧会に行ってきました。
展覧会の会期は2017年1月9日(月・祝)までです。

ルノワール7-30-2016_007


写真は特別の許可を得て撮影しています。

「弐代目・青い日記帳」主催のTakさんがモデレーターで、ルノワールの「横たわる浴女」
(1906年 国立西洋美術館蔵、梅原龍三郎氏より寄贈)の前で高橋明也館長(左)の
挨拶があり、安井裕雄学芸員(右)の解説を伺いました。

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図録も内容が同じで表紙の違う2種類が用意されています。

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梅原龍三郎(1888-1986)は1908年にフランスに渡りますが、しばらくして南仏の
カーニュに住むルノワールに会いに行き、その教えを受けるようになります。

梅原がルノワールを初めて知ったのは、実はフランス行きの船で同室だった
田中喜作の持っていた本によってとのことだったそうです。

67歳のルノワールに予約も無しに会いに行った梅原はまだ20歳そこそこで、
まず夫人のアリーヌ・シャリゴによる面接試験を受け、合格してから面会を
許されています。

左 梅原龍三郎 「少女アニーン」 1908年 豊田市美術館
右 梅原龍三郎 「横臥裸婦」 1908年 愛知県美術館

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パリに着いて、まだルノワールに会う前の作品です。
アニーンは下宿先の娘さんです。
どちらも青を基調にしていて、後の梅原とはかなり雰囲気が違います。
ピカソには青の時代があり、ルノワールも印象主義から離れた時代も青を多く使い
速水御舟も初期には群青を多用していた時があったので、青の時代というのは
よくあるもののようです。
「横臥裸婦」はキース・ヴァン・ドンゲンの影響があるとのことで、都会の陰翳も感じます。

左 梅原龍三郎 「ナルシス」 1913年 国立近代美術館
右 梅原龍三郎 「黄金の首飾り」 1913年 国立近代美術館

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帰国した年の作品で、ギリシャ神話のナルシスは水鏡に映った自分の姿に恋しますが、
こちらはたくましい青年が洗面器を眺めて物思いに沈んでいます。
初期とは変わり、華やかで大らかな画風になっています。

左 ピエール・オーギュスト・ルノワール 「パリスの審判」 1908年 三菱一号館寄託
右 ピエール・オーギュスト・ルノワール 「パリスの審判」 1913-14年 ひろしま美術館

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右の作品には蛇の絡まる杖を持ったヘルメスが加えられています。

梅原龍三郎 「パリスの審判」 1978年 個人蔵
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1920年に再び渡仏し、21年にルノワールの弔問に訪れた際に見た「パリスの審判」に
感銘を受け、別ヴァージョンが日本にもたらされた時に模写しています。
構図は似ていますが、晩年の梅原は自分流に気分良く描いています。

ルノワールと梅原龍三郎は師弟と言うには画風に違いが大きいということですが、
自由で明るく、豊穣なのは似ているように思います。

梅原龍三郎が会いに行った頃のルノワールは既に老大家であり、時代遅れとも
見られていたとのことで、フランスで梅原は新しい世代のピカソやルオーなどにも
関心を寄せています。
キース・ヴァン・ドンゲンなど、新しい潮流の影響も受けたという梅原が古い世代の
ルノワールに強く惹かれたというのは、深いところで自分に合うものを感じたから
なのでしょうか。

壁に並んでいる絵画はすべて、梅原龍三郎旧蔵または寄贈のルノワールの作品です。

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大津絵 「長刀弁慶」「鬼の念仏」 江戸時代 個人蔵 梅原龍三郎旧蔵品
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梅原は大津絵などの日本美術に関心を持っていました。
大津絵の伸びやかな雰囲気に惹かれたのでしょうか。

ルノワールと梅原龍三郎、二人の言葉もあちこちに掲げられています。

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梅原によればルノワールは同時代の画家でほめていたのはドガとセザンヌということです。
陶磁器職人だったルノワールがブルジョワ出身のドガとセザンヌだけを評価していた
というのも面白いところです。

第一次世界大戦終結間近の1918年8月2日付のルノワールから梅原への手紙も
展示されていて、夫人のアリーヌ・シャリゴが亡くなったこと、長男のピエールと
次男のジャン(後の映画監督)が戦傷を負ったが生きているので、まだ自分は
幸福だと思っていることなどが書かれています。

カーニュでルノワールと梅原龍三郎が会った当時の二人と一緒にスリーショットを写せる
場所もあります。

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展覧会のHPです。


次回の展覧会は「オルセーのナビ派展」です。
会期は2017年2月4日(土)から5月21日(日)までです。

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【2016/10/25 19:49】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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