「博物館に初もうで」 東京国立博物館 2017/1
上野
chariot

上野の東京国立博物館で開かれている新年恒例の「博物館に初もうで」に
今年も行ってきました。
会期は1月29日(日)までです。

初詣1-20-2017_001


本館前では恵比寿さんが鯛を釣っています。

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本館正面階段の活花は、今年は池坊の蔵重伸さん・中野幽山さんです。

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新春特別公開は、恒例の長谷川等伯の「松林図屏風」です。

「松林図屏風」 長谷川等伯筆 安土桃山時代・16世紀 国宝
右隻
等2-28-2010_002

左隻
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1月15日(日)まで国宝室に展示されています。

「古今和歌集(元永本) 上帖」 平安時代・12世紀 国宝
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活字書き
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1月15日(日)までの展示です。
古今和歌集が完全に残る冊子本として現存最古の写本です。
雲母摺の料紙に仮名書きしてあり、筆者は藤原定実とする説が有力です。

最初に書いてあるのは女流歌人、伊勢の歌です。

 はるかすみたつをみてゝ行かりは
 花なきさとにすみやならへ
 る

原本は「みすてゝ」とあるべき部分の「す」を書き落としています。

「扇面法華経冊子」 平安時代・12世紀 国宝
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扇面に貴族や庶民の様子を描いた上に法華経を写し、冊子の形にしています。
宮廷周辺の女性の発願で制作されたと考えられるとのことで、大阪の四天王寺に
伝来しました。
開かれている部分には雀を罠で捕まえようとしている人たちが描かれています。

「志野茶碗 銘 橋姫」 桃山時代・16-17世紀
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橋008

かなり背の高い茶碗で、松永安左エ門の寄贈です。
片側に橋、片側に屋形のようなものが描かれています。
橋姫は橋の守り神で、宇治橋などに祀られていました。
下の写真は三井記念美術館に展示されていた時のものです。

「黒糸威二枚胴具足」 榊原康政所用 江戸時代・17世紀 重要文化財
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徳川四天王の1人、榊原康政の鎧で、胴は前後の2枚に分かれ、
兜に三鈷剣の前立てを付けています。
金の家紋は榊原家の源氏車です。

「雪景山水図(旧 帰雲院障壁画)」 円山応挙 江戸時代・天明7年(1787)
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南禅寺帰雲院の襖絵の一部だった絵で、応挙54歳の作です。
紙の白を残して雪を表す技法は、三井記念美術館所蔵の「雪松図」と同じです。

「西湖春景・銭塘観潮図屏風」 池大雅 江戸時代・18世紀 重要文化財
右隻
ハ0126

左隻
ハ0128

はIMG_0084

浙江省杭州の風景を右隻と左隻に描いています。
右隻は西湖で、左隻は銭塘江の河口に満潮時に海水が押し寄せる
海嘯(かいしょう:ブラジルのポロロッカに相当)です。
池大雅独特の、点描風の筆遣いも見られます。

「夜着 紫綸子鶴模様」 江戸時代・18世紀
とても大胆でモダンなデザインです。
吉原あたりで使われていたのでしょうか。

奥「富士薄名月柄鏡」銘 天下一人見作 江戸時代・18世紀
左「鷹飾簪」 江戸時代・19世紀
右「茄子に黄金虫水滴」 江戸時代・18~19世紀

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一富士二鷹三茄子が揃っています。

「三彩狸置物」 讃窯・仁阿弥道八 江戸時代・19世紀

仁阿弥道八の作品も何点か展示されています。

「新三十六歌仙画帖」 狩野探幽 江戸時代・寛文4年(1664)
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後鳥羽上皇の選んだ歌人36人の絵姿と和歌を並べた画帖です。
左大臣鷹司房輔が娘の信子を5代将軍徳川綱吉に嫁がせた時に整えた嫁入り道具です。

宜秋院丹後
 ふきはらふあらしののちのたかねよりこの葉くもらで月やいづらむ
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二条院讃岐
 やまたかみみねのあらしにちるはなの月にあまぎるあけがたのそら
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西行法師
 おしなべて花のさかりになりにけり山のはごとにかかるしら雪
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「隅田川図巻」 鳥文斎栄之 江戸時代・19世紀
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恵比寿、大黒、福禄寿の三福神が柳橋から猪牙船(ちょきぶね)に乗って
吉原に向かう道中を描いた絵巻です。

大川橋(吾妻橋)や駒形堂が見えます。
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駕籠に乗り換えて吉原土手を行きます。
屋根には大黒の袋や小槌、恵比寿の釣竿や鯛が載せてあります。
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吉原での遊興で絵巻は終わります。
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特別1室と特別2室は今年の干支の酉にちなんだ作品の展示です。

「色絵獅子鳳凰文有蓋大壺」 伊万里 江戸時代・18世紀
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輸出用に2点セットになった大きくて豪華な金襴手の壺で、
イギリスに伝来していました。
沈香壺(じんこうつぼ)と呼ばれる蓋付きの形で、天下泰平を表す
喚鼓鶏がつまみになっています。

「詩哥写真鏡・清少納言」 葛飾北斎 江戸時代・19世紀
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史記にある、秦王に捕えられそうになり逃げだした孟嘗君が夜中に函谷関に辿り着き、
夜明けまで開かない門を開けるため、物真似の名人の食客が鶏の鳴き真似をした
という故事と、清少納言の歌を題材にしています。
鳴き真似につられて鳴き出した鶏の声を聞いた関所の役人が、朝だと思って
関の戸を開けようとしています。
清少納言の歌はこの故事に拠っています。

 夜をこめてとりのそら音ははかるともよに逢坂の関はゆるさじ

「松梅群鶏図屏風」 伊藤若冲 江戸時代・18世紀
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鶏と言えば伊藤若冲です。
勢いのある筆で力強く描き出しています。
石灯籠は点描で表されています。


1階はジャンル別に展示されています。

「大黒天立像」 快兼作 東大寺伝来 
 南北朝時代・貞和3年(1347) 文化庁蔵 重要文化財

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大黒天は元は戦いや財福を司るヒンドゥー教の神で、体は黒く、
憤怒の相を示していたそうです。
日本では大国主命と集合して、福の神となりますが、この像には
顔を青黒く塗った跡があるとのことで、表情も戦闘神の面影を残しています。

「舟橋蒔絵硯箱」 本阿弥光悦 江戸時代(17世紀) 国宝
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大胆なデザインの硯箱で、鉛の板を使って、舟橋の橋板を表しています。
表面に散らされている文字は後撰和歌集の源等の歌です。
「東路の佐野の舟橋かけてのみ思い渡るを知る人ぞなき」を元に、
「東路乃 さ乃ゝ かけて濃三 思 わたる を知人そ なき」と書かれ、
「舟橋」の字を抜いています。

「十二神将立像」 鎌倉時代・12~13世紀 神奈川・曹源寺蔵 重要文化財
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運慶派の作風で、1体の中にあった修理銘から建久(1190-1198)の頃の
作ではないかとされています。
十二支も表していて、中段右で鉾を持っているのが酉です。


隣の黒田記念館では、1月15日(日)まで、黒田清輝の代表作である、
「智・感・情」「読書」「湖畔」「舞妓」の4作品が展示されています。

2015年に黒田記念館がリニューアルオープンした時の記事です。

この時も4作品が展示されていました。


2016年の「博物館に初もうで」の記事です。

東京国立博物館のHPの「博物館に初もうで」のページです。

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【2017/01/03 19:34】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(2) |
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  • 明けましておめでとうございます。
  • 江戸東京の平常展は正月はただなんですね。
    私は2日に東博の「博物館にはつもうで」に行ってきました。
    平常展扱いなので、年間パスポートでただで入れます。
    グッズはどれも面白いのですが、買うとキリが無いので、あまり買いません。

    【2017/01/04 21:17】 url[chariot #/8nqih4Y] [ 編集]
  • 大江戸博物館の方へ行ってきました
  •  あっちは正月三が日ロハだそうで入館料儲けてしまいました。体の手拭いで良いのがあったんですが、まず使うことも無かろうと何も買わずに帰ってきてしまいましたわ

    【2017/01/04 19:57】 url[miss.key #eRuZ.D2c] [ 編集]
    please comment















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