「マティスとルオー展 ― 手紙が明かす二人の秘密 ―」 パナソニック 汐留ミュージアム
新橋・汐留
chariot

汐留のパナソニック 汐留ミュージアムでは、
「マティスとルオー展 ― 手紙が明かす二人の秘密 ―」が開かれています。
会期は3月26日(日)までで、休館日は1月25日、 2月1日、8日、15日です。
会期中、2月20日(月)までと2月21日(火)からで、一部展示替えがあります。

マティス7


国立美術学校の教授のギュスターヴ・モロー(1826-1898)の教えを共に受け、
生涯の友であった、アンリ・マティス(1869-1954)とジョルジュ・ルオー(1871-1958)が
約半世紀に渡って交わした手紙や、その時期の絵画作品を展示する展覧会です。
マティスとルオーは1892年にモローの教室で出会っています。

アンリ・マティス 「スヒーダムの瓶のある静物」 
 油彩 1896年 マティス美術館、ル・カトー=カンブレジ

マティス4

初期の作品で、堅実な画風です。
スヒーダムはオランダの都市で、ジンの生産が盛んでした。

アンリ・マティス 「モデル」 1901年 油彩 パリ市立美術館
マティス5

フォーヴィズムの少し前の時期の作品で、堅牢な画き方です。

確認されている最初の二人の往復書簡は1906年にマティスが南仏のコリウールから
出した葉書です。
アフリカに行った時に受けた強い印象について述べ、ルオーにはアフリカは
合わないだろうと書いています。
また、サロン・ドートンヌへの作品の搬入期日を問い合わせています。
それに対してルオーは、アルジェリアは自分にも合う筈だと答えています。
サロン・ドートンヌは、保守的なサロンに対抗して、マティスやルオー、マルケ、ボナールなど
若手の芸術家の設立した展覧会で、1903年に第1回展が開かれています。

ジョルジュ・ルオー 「花瓶 水浴の女たち」 
 1909年 ファイアンス パナソニック汐留ミュージアム

フ009

ルオーやマティス、ヴラマンク、ドランたちは画商のアンブロワーズ・ヴォラール
(1866-1939)に誘われて、パリ近郊の陶芸家、アンドレ・メテ(1871-1920)の
工房を訪れ、陶器の絵付けを行なっています。
特にルオーは陶芸を重視していました。

ジョルジュ・ルオー 「ブルターニュの風景」 
 精油で溶いた絵具、紙 1915年 個人蔵

ルオー002

ルオーの父はブルターニュ出身のブルトン人で、ルオー自身もブルターニュの風景に惹かれ、
作品にしています。
厚く堅固に塗られた画面で、紺色の海の色が際立ち、何か精神的なものを感じます。

アンリ・マティス 「窓辺の女」 油彩 1920年 みぞえ画廊
マティス2

1920年代のマティスはニースを拠点にしています。
マティスの好きな窓辺を描いていて、オテル・ド・ラ・メディテラネからの眺めです。
フォーヴィズムの時代の終った後の作品で、縦横の線による画面構成が効いています。

アンリ・マティス 「室内:二人の音楽家」 油彩 1923年 ポーラ美術館
マティス6

一人はギターのような楽器を、一人は楽譜を持っています。
明るく平面的で、装飾性の高い、心地良い作品です。

ジョルジュ・ルオー 「曲馬団の娘たち」 油彩 1924-25年 泉屋博古館分館
マティス1

ルオーはよくサーカスの人たちを描いています。
マティスも晩年の切り絵のシリーズで、サーカスを題材にしています。

ジョルジュ・ルオー 「窓辺の静物」 
 油彩、グワッシュ 1930年 個人蔵(ジョルジュ・ルオー財団協力)、パリ

マティス2

静物と風景の組合わせで、ルオー特有のステンドグラスのような太い輪郭線が
強調されています。

アンリ・マティス 「ラ・フランス」 油彩 1939年 ひろしま美術館
マティス1_1

第2次世界大戦の始まった年の作品です。
フランスを象徴する女性、ラ・フランスを描いていて、ラ・フランスは赤、白、青の
三色旗の服を着ています。
正面を向き、左右対称の形をした、モニュメンタルな姿をしています。
この作品は出版人のテリアード(1897-1982)が1937年に創刊した美術文芸雑誌、
「ヴェルヴ」の8号(1940)の表紙絵になり、ルオーのジャンヌ・ダルクを主題にした作品も
同じ8号に載せられています。

しかし、1940年にドイツ軍の機甲部隊に攻め込まれたフランスは降伏し、
マティスやルオーも厳しい生活を送ることになります。
二人は互いに画材を融通したり、家族の安否を気遣っています。
マティスの妻と娘は対独レジスタンスの罪で捕らえられ、娘は危うく強制収容所に
入れられるところでした。

ジョルジュ・ルオー 「聖ジャンヌ・ダルク 古い町外れ」
 油彩、カンヴァスに貼った紙 1951年 個人蔵(ジョルジュ・ルオー財団協力)、パリ

マティス0

フランスの救国の英雄であるジャンヌ・ダルクを描いています。

アンリ・マティス 『「ジャズ」 X ピエロの葬式』 
 ボショワール、紙 1947年 宇都宮美術館

色007

2月20日までの展示です。
晩年、体力の衰えたマティスは、助手が色を塗った紙をハサミで切り抜く
切り絵に取組んでいます。
題名はジャズですが、ジャズそのものを描いた作品は無く、サーカスや
旅行の思い出などを題材にしています。
明快な色彩で、切り絵の特徴を生かした軽やかで自由な作品です。

ジョルジュ・ルオー 「マドレーヌ」
 油彩、紙 1956年 パナソニック汐留ミュージアム

マティス0_1

ルオー最晩年の作品で、サーカスの女道化師を描いています。
マドレーヌはマグダラのマリアのフランス名で、晩年のルオーは聖書の人物を
題名にすることが多いようです。

晩年も二人の交流は続き、1947年にルオーがマティスに送った絵葉書では、
ドニ(1870-1943)やマルケ(1875-1947)が亡くなっていることを嘆いています。
二人が最後に会ったのは1953年に、ニースに滞在していたルオーが
病床のマティスを訪ねた時です。

画家として、ルオーは精神性を高め、マティスは絵画性を追求するなど、
その方向性はかなり違います。
その二人が生涯、互いを友として深く結ばれていたことを示す往復書簡です。
ルオーとマティス、二人の作品をまとめて観ることも出来る、ちょっとお得な展覧会です。

展覧会のHPです。


次回の展覧会は、「日本、家の列島 ヨーロッパ巡回帰国展」です。
会期は4月8日(土)から6月25日(日)までです。

関連記事

【2017/01/19 19:32】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
comment
 
コメントを書く
コメントは承認後に公開されます。ご了承ください。
please comment















管理者にだけ表示を許可する

trackback
trackback url ↓
http://nekoarena.blog31.fc2.com/tb.php/3190-5b4ecb1e

プロフィール

chariot

Author:chariot
東京のビルの多い街で暮らしています。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

カテゴリー

ブログ内検索

月別アーカイブ

リンク

このブログをリンクに追加する

RSSフィード


| ホーム |