「屏風にある春のしつらえ-茶道具とおもてなしのうつわ」展 六本木 泉屋博古館分館 ブロガー内覧会
六本木1丁目
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六本木の泉屋博古館分館では、「屏風にある春のしつらえ-茶道具とおもてなしのうつわ」展が
開かれています。
会期はから5月7日(日)までです。
3月26日までの前期と3月30日からの後期で、一部展示替えがあります。

泉屋0


22日にブロガー内覧会があったので行ってきました。

野地耕一郎分館長と森下愛子学芸員の解説を伺いながらの鑑賞です。
今回は屏風と茶道具を中心にして展示しています。
写真は特別の許可を得て撮影したものです。


[展示室I]

左 「扇面散・農村風俗図屏風」 江戸時代
せIMG_0654

前期の展示です。
左隻の農村風俗図は田に稲の生え揃った初夏の風景で、農夫や子ども、腰巻姿の女性、
夕顔などが描かれており、久隅守景の「夕顔棚納涼図」に通じるところがあります。
右隻は川辺の松と桜を描き、扇面を散らしています。


「二条城行幸図屏風」 江戸時代・17世紀
京006

以前に展示されていた時のチラシの画像です。
寛永3(1626)年に上洛中の徳川秀忠、家光に招かれて、後水尾天皇と中宮和子
(後の東福門院)が二条城に行幸したときの盛儀を描いています。
中宮和子は秀忠の娘で、尾形光琳の実家の雁金屋に多額の着物の注文をしています。

上段は堀川通りを行く後水尾天皇と中宮和子の一行です。
堀川には仮説の桟敷が設けられて、大勢の見物人でひしめいています。
野点をしている人たちや、お約束の喧嘩の場面も描かれています。

下段は天皇を迎えに中立売通を御所に参内する将軍たちの一行です。
商家でも大勢の人が見物していて、子供に乳をやる母もいます。

左隻の左側には上段に天皇の御輿、下段には御所の門に到着した武家の一行が
描かれています。
京007

沿道では武士たちが平伏しています。
京010


左 「大講堂釜」 室町時代・16世紀
せIMG_0647

元は比叡山延暦寺の大講堂で使われていた香炉を千利休が茶釜に仕立てたと
云われています。
肩に3本、胴に1本の線が廻り、横向きに「大講堂」の字を鋳出してあります。
大きな古びた共蓋にも味わいがあります。
徳川家光より加賀前田家3代当主、前田利常が拝領の釜とされています。


右 「茶壷 銘 山陰」 元~明時代・14~15世紀
左 「瀬戸肩衝茶入 銘 真如堂」 江戸時代・17世紀

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「山陰」は5代将軍徳川綱吉の側室、瑞春院に伝わったとされています。
「真如堂」は京都の真如堂東陽坊に伝来したとされる茶入です。
肩衝(かたつき)とは肩の部分が水平に張っていることをいいます。


右 「白鶴香合」 仁清 江戸時代・17世紀
中 「色絵鶏撮丸香炉」 仁清 江戸時代・17世紀
左 「色絵龍田川水指」 仁清 江戸時代・17世紀

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野々村仁清の作品が並んでいます。

「白鶴香合」
うずくまり、首を少し横に向けた鶴の姿です。
表情やたたんだ脚の具合が可愛く、釉の色合もやわらかく、温かです。

「色絵鶏撮丸香炉」 
香炉の蓋の横を向いた鶏が撮みになっています。
羽毛の描き具合が面白く、胴の唐草、蓋の牡丹模様の赤と緑が華やかです。

「色絵龍田川水指」
赤と蛇籠と銀の水流で川を、芽吹いた柳で春を表しています。
口縁に紅葉が散らしてあって、紅葉の名所の龍田川となります。
白地に赤色が効いています。


[展示室II]

左 二代川島甚兵衛 「猟犬図額」 明治32年(1899)頃
せIMG_0644

今回初公開の作品で、油彩画に見えますが、つづれ織りです。
住友春翠(1864~1926:住友家15代当主、吉左衞門友純)の注文で制作されています。
春翠は犬好きで、須磨の別邸にポインターやスパニエルなどをを飼っていたそうです。
二代川島甚兵衛(1853-1910)は天保14年(1843)創業の川島織物(現在の川島織物
セルコン)の2代目で、西洋の織物技術を導入し、帝室技芸員にもなっています。


右 香田勝太 春秋草花図のうち「春」 大正6-7年(1917-18)
せIMG_0627

茶臼山の住友本邸の広間を飾るために注文された作品で、屏風仕立てですが、
日本画ではなく、銀地の油彩画です。
芍薬と雀が描かれ、影が無く、平面的な描写なので、ますます日本画に見えます。
香田勝太(1885-1946)は鳥取県出身で、東京美術学校では藤田嗣治の同級で、
渡欧して西洋美術を学び、油彩による屏風絵で人気を得ていたそうです。


右 クロード・モネ 「サン=シメオンの農場への道」 1864年
左 クロード・モネ 「モンソー公園」 1876年

せIMG_0631

サン=シメオンはノルマンディーのオンフルールにあった農場で、ここの宿に
ブーダン、クールベ、ヨンキントなどが集い、モネも加わっています。
彼らは戸外で、移り変わる自然を描き、サン=シメオン派と呼ばれています。
印象派発祥の地とも言える場所です。

「モンソー公園」は1874年の第1回印象派展より少し後の作品です。
赤いマロニエの花の咲く頃で、日傘を差して歩いているのは後妻となるアリス・オシュデと
その娘とのことです。
光を意識した印象主義の作風になっています。
印象派が日本で人気になる前に、日本にもたらされた作品です。


左 菊池容斎 「桜図」 弘化4年(1847)
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桜の季節に先立って、前期の展示です。
一昨年に住友家の蔵で見付かった作品です。
現在の東京国立博物館の前庭にあったという寛永寺の桜で、枝も花弁もびっしりと
描き込まれています。
寛永寺の高僧のために描かれましたが、鷹司公(鷹司政通?)が気に入って
持って行ってしまい、後に住友家に渡ったということです。

菊池容斎(1788-1878)は幕臣の子で、諸流派の絵画を学び、写生を重視し、
歴史画、人物画を得意としており、松本楓湖の師で、松本楓湖は
今村紫紅、速水御舟らの師です。
また、菊池容斎に私淑した梶田半古は小林古径、前田青邨らの師ですから、
菊池容斎は院展系の画家の先祖筋にあたる訳です。


会期中はギャラリートークもありますので、展覧会のHPを参照下さい。

展覧会のHPです。


次回の展覧会は、「名刀礼賛 もののふ達の美学」展です。
会期は6月1日(火)から8月4日(金)までです。

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【2017/02/25 20:37】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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