「高麗仏画-香りたつ装飾美-」展 根津美術館
表参道
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表参道の根津美術館では特別展、「高麗仏画-香りたつ装飾美-」が開かれています。
会期は3月31日(金)までです。

高麗1-8-2017_002


朝鮮最初の統一王朝、高麗(918~1392)は仏教を国教とし、保護したので、
仏教文化が栄えています。
展覧会では13~14世紀の高麗仏画を中心に展示されています。
高麗はモンゴルの侵略を受け、国土が荒廃し、文化財の多くも破壊されており、
現存する仏画も高麗がモンゴルの支配下に置かれて国内が落着いた
1270年代以降に制作されたものだそうです。


「阿弥陀如来像」 1306年(大徳10年・忠烈王32年) 根津美術館 重要文化財
高麗1

高麗3-12-2017_001

元に服属していた時代、元の都に居た忠列王(1236~1308)が命の危険にさらされる
ことがあったので、重臣が王の高麗への無事な帰還を願って描かせたとのことです。
現存する高麗仏画、約160件の中で、阿弥陀像は最も多く、約60件あるそうです。
赤い衣の鮮やかな阿弥陀如来は結跏趺坐し、説法印を結んでいます。
高麗仏画は衣などに繊細な装飾が施されているのが特徴です。

来迎図も展示されていて、日本の来迎図が仏が向かって左から右に進むのに対して、
高麗では右から左に進んでいます。


「水月観音像」 徐九方(ソグバン)筆 
 1323年(至治3年・忠粛王10年) 泉屋博古館 重要文化財

高麗2

高麗83-12-2017_002


華厳経の中の入法界品では、善財童子が観音菩薩や弥勒菩薩など、53人の賢者の許を訪れて、
教えを乞うています。
水月観音は楊柳観音とも呼ばれ、補陀落山の水辺に座し、水に映る月を眺める姿で表されます。
作品では左下に善財童子が描かれ、入法界品の場面であることを表しています。
高麗仏教は華厳経の影響を強く受けているとのことです。
奈良東大寺の大仏も華厳経の教えに拠っています。

同じ図柄で、一回り大きな、大徳寺蔵の観音像も並べて展示されています。


「万五千仏図」 朝鮮・高麗時代 13世紀 広島・不動院
高麗0

高麗5

上の方に「萬五千佛」「大平」と大書してあります。
観音はゆったりとくつろいだ姿で見上げている、珍しい図柄です。
衣や背景など、肌の部分以外には小さな仏がびっしりと描き込まれています。
世界はあらゆる仏で充満し、互いに関係しあっているという、華厳の教えを
表しているそうです。

展示室5の展示は「更紗の魅力」です。

茶器を包むのに利用されている、インド更紗やヨーロッパの更紗が、
それぞれの茶器と一緒に展示されています。
インド更紗は16世紀の南蛮貿易時代にヨーロッパ人がもたらし、
後に中国人がもたらしたそうです。

「白地鶏頭文更紗」(外箱包布)  木綿 インド 18~19世紀 根津美術館
「玄悦茶碗」 高麗茶碗 朝鮮時代 17世紀 根津美術館
高麗6


展示室6の展示は「大師会と根津青山」です。

大師会は、明治29年(1896)3月21日に三井財閥の益田鈍翁が主催した茶会に始まります。
当日は弘法大師空海の命日に当たり、茶席では空海の直筆、「崔子玉座右銘断簡」が
披露されました。
この茶会には初代根津嘉一郎(号青山)も招かれています。
茶会はその後、三渓園、護国寺など場所を移しながら、現在も毎年春に開かれています。
 
「崔子玉座右銘断簡」(部分) 空海筆 1巻 紙本墨書 
 平安時代 9世紀  東京・大師会蔵 重要文化財

高麗7

「崔子玉座右銘断簡」は後漢時代の儒者、崔子玉の著した人生訓である「座右銘」を
空海が書写したものです。
1行に2文字ずつ大きな字で書かれています。
座右銘という言葉は、崔子玉の「座右銘」に始まっています。


1階の展示室3は3月31日(金)まで、興福寺中金堂再建記念特別展示、
「再会 ─興福寺の梵天・帝釈天」です。

興福寺1-8-2017_001


右 「梵天立像」 定慶作 木造彩色 鎌倉時代 建仁2年(1202) 興福寺蔵 重要文化財
左 「帝釈天立像」 定慶作 木造彩色 鎌倉時代 建仁元年(1201)

興福寺0  興福寺1

像高約180㎝の桧の寄木造で、やや前傾し、堂々とした姿です。
帝釈天は甲冑を着け、蓮の蕾を持ち、衣装には截金が残っています。
顔は明治以降の後補なので、梵天に比べ彫りが深く、くっきりとした顔立ちです。

梵天立像と帝釈天立像は興福寺に置かれていましたが、帝釈天立像は明治の
廃仏毀釈で荒廃した興福寺の復興に協力した、三井財閥の益田鈍翁に渡っています。
今回は2018年の中金堂の落慶をひかえての、112年振りの再会とのことで、
2体並んでの展示です。

展覧会のHPです。


次回の展覧会は特別展「燕子花図と夏秋渓流図」です。
会期は4月12日(水)から5月14日(日)までです。

燕子花3-12-2017_001

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【2017/03/16 19:33】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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